太洋工業(本社=和歌山市有本、細江美則社長)は、医療機器用の電子基板として、食品用ラップフィルムと同等の厚さ10ミクロンの片面フレキシブルプリント配線板(FPC)を開発した。医療分野へのさらなる参入を図り、同社の主力である電子基板事業の業容拡大へとつなげる。
同製品は、医療用の持ち歩くことができる情報端末「ウエアラブル機器」で必要とされる基板として開発。同社の従来製品より約75%薄型化し、柔軟性が向上。重さも約30%軽量化したことから、同社は「人体に装着した際の違和感を大きく軽減することが期待できる」と需要を見込んでいる。
また、同製品はすでに一部の先端医療開発用にサンプル出荷を始めており、今後はウエアラブル医療機器、スポーツ科学分野、軽量・省スペース化が要求される電子機器分野へのサンプル出荷を拡大していく。同社研究開発部次長の浅井頼明さんは「展示会の会場などでお客さまから『柔軟性を』という声があり開発に至った。要望に応えられるようにこれからも精進していく」と話している。