「節分」の3日、和歌山市の紀三井寺(前田孝道貫主)で、恒例となっている豆まきが行われ、春を前に福を授かろうと、約300人の参拝者が福豆に手を伸ばした。
境内には、怒りや欲望、冷たい心などを象徴した赤鬼と青鬼が、参拝者や子どもたちを怖がらせながら登場。本堂前で、前田貫主(87)と福男(年男)ら7人が「鬼は外、福は内」と勢いよく豆をまくと、鬼たちは退散していった。
特設ステージで行われた大豆まきでは「厄をはらって福を授かりましょう」の掛け声に続き、福男たちが祈祷(きとう)を済ませた福豆をまいた。
境内は熱気に包まれ、待ち構えた人たちは「こっち、こっち」などと大きな声でアピール。11社の企業と個人から寄せられた菓子やカイロ、かまぼこなども次々と豪快にまかれ、皆懸命になって集めていた。
初めて参加したという同市三の主婦、南方昌子さん(63)は「少し怖かったですが、楽しかったです。たくさん福をもらって春をつかみましたよ」と笑顔で話していた。