海南市藤白の酒造会社、中野BC㈱(中野幸生社長)で6日、新米を使った新酒の初仕込みが始まった。
同社ブランド銘柄の純米酒「紀伊国屋文左衛門」の手仕込み。初仕込みではタンク(容量1万㍑、直径2㍍)に入れられた酒米、米こうじ、水などを、長い棒状の道具「櫂(かい)」を使ってかき混ぜる作業を行う。
この日は蔵人8人が作業に取り組み、蔵の中には甘い香りが漂った。蔵人の河嶋雅基さん(46)は「海南市の『地酒で乾杯を推進する条例』の施行や、日本食のユネスコ無形文化遺産登録など、多くの人が日本酒に目を向けている。米のうまみを味わえる日本酒を作りたい」と話していた。
紀伊国屋文左衛門は一升瓶(1・8㍑)換算で2万本以上を仕込む。12月上・中旬に初搾りを行い、一部を同15日から「しぼりたて生」として販売する予定。