新元号に変わり1カ月がたち、6月を迎えた。九州南部では梅雨入りが発表され、近畿地方にも梅雨前線がじわりじわりと近づいている。
この時期、和歌山では南高梅の収穫が始まる。数カ月にわたり、岸和田市における紀州街道にまつわる文化や歴史を取り上げてきたが、今週は紀州街道の北端(高麗橋)まで北上し、和歌山の「うめ」に関する話題を紹介したい。
和歌山県民が誇る特産品である梅。最新の農林水産統計によると全国で収穫される梅の約65%が県内で生産。昭和40年から54年連続で全国1位となっている。ちなみに2位は群馬県で全国の約5%。いかに和歌山が梅の名産地であるかがよく分かる。
そもそも「梅雨」という言葉の由来は中国から。諸説あるが、この時期の雨により梅の実が熟すことから梅雨という名がついた、あるいは、長雨により黴(カビ)が生えやすくなることから「黴梅(ばいう)」と書き、そこから派生した言葉であるとか。
日本においては「雨の露(つゆ)、湿気で食品が腐り潰れやすく梅の実も熟す季節であることから「潰ゆ(ついゆ)」などと言われ、やがて、梅雨と書き「つゆ」というものが一般的になったとされる。
紀州街道に話を戻し、紀州街道は大阪市中央区の「高麗橋」と和歌山市の「京橋」を結ぶ街道であることはご説明の通り。北端にあたる高麗橋(天満橋駅と北浜駅の中間辺り)から北北東へ約800㍍の位置に「大阪天満宮」がある。大阪天満宮は日本三大祭の一つとして知られる天神祭が行われる神社。
ここに、南部梅林と岩代大梅林から献梅され「紀州みなべの南高梅」の札が掲げられた梅の木を見つけた。天満宮と梅の関係に迫りたい。(次田尚弘/大阪市)
みなべの南高梅
6月4日付
伝える力育む 旧県会議事堂で中学生熟議
中学生が議論を通して考えの伝え方や課題を解決する力を身に付ける和歌山県教育委員会の「中学生熟議」が1日、岩出市根来の旧県会議事堂で開かれた。和歌山市内と伊都、那賀、海草、有田地方の中学校18校の生徒約70人が参加し、「全校生徒が楽しく充実した学校生活を送るために」という議題で話し合いを深めた。
ことしで8回目。異なる学校の生徒同士がグループをつくり、全校生徒の充実した学校生活のために1年生が楽しめる学校行事を考えた。
生徒は1年生のイメージや行事を実施する上で配慮するポイントなどを付箋に書き、紙に貼り付けていった。内容を分類し、1年生のためにどんなことができるかを話し合った。
最後はポスターセッションでグループが考えた行事を発表。クイズや運動会の順位で部屋のグレードが変わるサバイバル合宿や校内探検をしながらクイズに答える学校探検など、学年を超えた交流ができる行事がたくさん提案された。
和歌山市立高積中学校2年の東美羽さんは「少人数の学校の話を聞いて、自分の学校でも学年の壁を越えていく交流ができるのではないかと思った。他の学校から聞いた話をいろいろ生かしていきたい」と話していた。
2日には日高、西牟婁、東牟婁の中学生が県立情報交流センターBig・U(田辺市)で熟議を行い、「2019年プラチナ未来人財育成塾@二子玉川」に参加する3人が選ばれた。
2敗目でリーグ5位 アルテリーヴォ和歌山
関西サッカーリーグ1部は1、2日に第3節の4試合を行い、アルテリーヴォ和歌山は1日、アウェーでおこしやす京都ACに1―4で敗れた。1勝2敗の勝ち点3でリーグ順位は5位となった。
試合会場は太陽が丘球技場B(京都府宇治市)。アルテリーヴォは前半24分、MF堀野翔がFW久保裕一からパスを受け、左足で先制のシュートを決めたが、31分、41分に失点し、1―2で前半を折り返した。
シュート数はアルテリーヴォ5本に対し相手は16本と攻め込まれる苦しい展開。後半は8分に3点目、アディショナルタイムに4点目を奪われた。
第4節は9日午後2時から、日岡山公園(兵庫県)でバンディオンセ加古川(3位)と対戦する。
児童合唱団を助成 三井住友海上文化財団
音楽や郷土芸能の分野で有意義な国際交流活動を行う地域のアマチュア団体を支援しようと、三井住友海上文化財団は本年度「文化の国際交流活動に対する助成」の対象8団体を決定し、和歌山県内から和歌山児童合唱団が選ばれた。
同財団は三井住友海上火災保険㈱の創立70周年を記念し、文化振興を目的に設立。県内ではこれまでに8団体合計400万円を助成している。
同合唱団は1958年に発足し、現在少年少女の部(小1~4年)、団員(小5~高校3年生)の約100人が在籍。過去32回の海外演奏旅行をはじめとして定期演奏会を中心に年間20回以上の公演を行っている。
地元和歌山のわらべ唄や子守唄・民謡などの演奏が評価され、2016年にブルガリアで行われた第37回メイ国際合唱コンクールでは、ブルガリア作品部門の特別賞と同声合唱の部3位。国際コンクールで優秀な成績を残すなど世界的な児童合唱団として活躍している。
今回、助成対象となったのは、7月に開催される世界最大規模の音楽祭「エストニア歌とダンスのフェスティバル」への日本の合唱団として初めての参加と、「エストニアラジオ放送少女合唱団」とのジョイントコンサート。
助成金の贈呈式は5月30日、和歌山市三木町の同社和歌山支店で行われ、同合唱団の岩橋延直育成会会長、同財団の花田幹雄常務理事、同社和歌山支店の西村務支店長らが出席。花田常務理事から岩橋育成会会長に助成金50万円が贈られた。
選考理由として花田常務理事は、同合唱団の地域性と継続性、多様性を挙げ、「地域の文化振興に貢献しており、将来にわたっても対外活動を積極的に続けていってほしい」と話した。
岩橋育成会会長は「助成を頂き心からうれしい。一人でも多くの人に活動を知ってもらい、音楽・文化が根付くことを願っている」と感謝していた。
プールに笑顔広がる よしもと芸人ら教室
お笑い芸人や水泳選手と一緒に水泳を楽しむイベントが2日、和歌山県和歌山市土入の市民温水プールであった。幼稚園児と小学生60人が芸人たちと交流し、アテネ五輪の200㍍バタフライで銅メダルを獲得した中西悠子さんらに泳ぎ方のアドバイスを受けた。
水泳教室は「よしもとクリエイティブ・エージェンシー」が「吉本発! 笑(わら)スポ! 水泳クリニック」と題して企画。市文化スポーツ振興財団が、子どもたちに水泳の楽しさを感じてもらおうと開いた。
この日はお笑い芸人コンビ「ミサイルマン」の西代洋さんと「span!」の水本健一さん、マコトさんが登場。水泳界からは中西さんとフィンスイミング日本代表の山階(やましな)早姫さんが参加した。
トークショーでは、市内に住む4歳から11歳までの子どもたちを前に、西代さんが、中西さんと山階さんに速く泳ぐこつや練習に臨む姿勢などを質問。中西さんは「ストレッチで体を柔らかくしておくと泳いでいる途中でバテにくく、けがもしにくい」と話し、開脚も披露。山階さんは「目標を口に出して好き嫌いをせずに何でも食べることが大切」とアドバイスした。
水本さんとマコトさんは子どもたちに、将来の夢について質問。「ケーキ屋さん」「サッカー選手」などの答えが飛び出し、「クロールで25㍍を30秒で泳げるようになること」という答えが出ると、中西さんや山階さんが笑顔で大きな拍手を送った。子どもたちは中西さんがアテネ五輪で獲得した銅メダルに触ったり、山階さんや水本さんとハイタッチをしたりして交流を深めた。
25㍍プールに移動しての水泳クリニックでは、中西さんがバタフライ、山階さんがフィンスイミングの泳ぎを披露。子どもたちは両腕を伸ばして手を重ねバタ足で泳いだり、ビート板を使った泳ぎに挑戦したりした。中西さんは子どもたちにクロールで泳ぐ際は左右両方で息継ぎをすることや、腕で水をかく際に頭を動かし過ぎないことをアドバイスしていた。
西代さんと水本さんは水泳の経験が浅い子どもたちとプールで交流。水本さんは子どもたちの中に顔を水につけることで息ができなくなるのではと恐れる子がいることを踏まえ、「まずは顎まで水につかってみようか」と声を掛けていた。子どもたちは笑顔で水に親しみ、「楽しかった」「気持ち良かった」などと話していた。
お笑い芸人によるネタの披露もあり、マコトさんは蚊の音の物まねをし、子どもたちの笑いを誘っていた。
情熱の赤で描く山々 岡本さん初の絵画展
燃えるような真紅に彩られた山々――。海南市大野中の岡本敏美さん(71)は5日から10日まで、和歌山県和歌山市広道のギャラリーTBで古希を記念した絵画展「赫(かく)~四季彩」を開く。初の個展でテーマにするのは鮮烈な赤。「性格柄、情熱的な絵がほとんど。楽しい展覧会にしたいですね」と笑顔で話している。
新宮市生まれ。高校・大学は美術部に所属し、もともと美大への進学を希望したほど絵が好きだった。敬愛するのはアイズピリや片岡球子。大胆でダイナミックな色使いに魅せられたという。
大学時代には大学美術連盟展で入賞歴もある。23歳で描くのやめ、転勤が多かったサラリーマン生活では11道府県、約20カ所を転々とした。65歳で定年退職後は、高校の先輩でもあった海南市の東由紀男さんの絵画教室へ。四十数年ぶりに絵筆を握りデッサンから学んだ。
現在は和歌山文化協会、和歌山水彩画協会会員。つい先日は水彩連盟展で、初出品で初入選といううれしい知らせも届いた。
山が好きで、この10年ほどは毎年秋に北海道へ出掛け40日ほど滞在。受け取った自然のエネルギーを心象風景として表現してきた。仕事にも情熱を注ぎ、赤は自身を象徴する色でもあるという。「私の絵は赤が入らないと絵にならない」とほほ笑む。
今展では前富良野岳やニセコの山々、浅間山の他、雑賀崎の風景など、アクリルや油彩画25点ほどを展示。「これほどの色を激しく使っている人は、他にいないでしょうね。見る人に『楽しい』『元気になる』と感じてもらえれば最高です」と話している。
午前10時~午後6時(最終日は5時)。問い合わせは岡本さん(℡090・5898・2066)。
沿線住民の思い描く 貴志川線テーマに映画
廃線危機から住民の力で復活した和歌山電鐵貴志川線の物語の実写映画化が企画されている。制作委員会やキャスティングはこれから調整され、大人も子どもも楽しめる「和歌山の映画」を目指して動き始めた。
貴志川線は1916年に前身の山東軽便鉄道が開業し、1961年に「南海電鉄貴志川線」となり親しまれていたが、2003年に赤字経営を理由に南海電鉄が廃止を発表。04年に廃止の届出が提出されたが沿線住民の熱心な存続運動により、岡山電気軌道㈱を母体に持つ和歌山電鐵に運営が引き継がれ、06年に「和歌山電鐵貴志川線」として再出発した。三毛猫の駅長たまが就任してからは、国内外の観光客も多数訪れるようになった。
映画は沿線の伊太祁曽神社の禰宜・奥重貴さんと小学校の同級生だった脚本家・村川康敏さんが再会したのが始まり。福井県のえちぜん鉄道を舞台にした映画『えちてつ物語 わたし、故郷に帰ってきました。』の脚本を務めた村川さんに奥さんが貴志川線の話をしたところ、村川さんは貴志川線の復興や駅長たまについて調べ、プロデューサーの大橋孝史さんと和歌山へ。貴志川線を取り巻く人々の話やネコと鉄道といったテーマに引かれ、村川さんにより脚本が書き上げられ、映画の企画が立ち上がった。
近年は高齢者や学生といった交通弱者にとって必要不可欠な公共交通にもかかわらず、財政難で廃線になっていくローカル線も多い。奥さんと大橋さんは「貴志川線で本当にあった話をもとにした映画の中で、地元の鉄道を守ろうとする住民の思いや鉄道会社の再建ノウハウを描くことで、鉄道が必要な人々の支えになれば」としている。
キャストや撮影時期などは調整中で、今後は協賛企業や協賛者を呼び掛けていくという。上映は2020年を予定している。
日本、和歌山の将来のために 経産相として政策実現に全力
経済産業大臣として、通常国会での法案審議などに対応しながら、日本でいよいよ今月に開催されるG20の準備に取り組んでいます。2008年から始まったG20の枠組みにおいて、日本が議長国となるのは初めてです。私も、つくばで6月8日・9日に開催される貿易・デジタル経済大臣会合と、軽井沢で6月15日・16日に開催されるエネルギー・環境大臣会合の双方において議長を務めます。
このG20の準備の一環として、先月も国会の合間を縫ってパリで開催されたOECD閣僚会合に出席したり、インドネシアやシンガポールを訪問して重要閣僚とのバイ会談を重ねました。各国の意見が対立する中で、議長として、国際的な合意形成を主導するため全力で取り組んでいるところです。
参議院議員選挙を間近に控え、地元和歌山にあまり帰ることができておらず心苦しいのですが、安倍政権を支える閣僚として大変貴重な経験をさせていただき、和歌山代表の政治家として大きく成長させていただいていると思っています。
国内政策に目を転じると、経済産業省として今通常国会に提出した3本の法案をすべて無事に成立させることができました。2025年に開催される大阪・関西万博の準備・運営に関する万博特措法、中小企業の災害対策や事業承継を支援する中小強靱化法、中小企業によるオープンイノベーションを促進する特許法等改正法、いずれもわが国にとって極めて重要な法律です。
キャッシュレス対応を進めることもわが国にとって喫緊の課題です。手ぶらで簡単に買い物可能、家計管理も容易といった消費者メリットに加え、店舗側にとっても現金管理の手間や時間の削減、インバウンド消費の取り込みなどにつながります。人手不足が深刻化する和歌山においても、キャッシュレスは地域活性化につながる強力なツールになるはずです。このため、今年10月から消費税率引き上げに伴い、中小・小規模店舗でのキャッシュレス支払いに対しポイント還元を行う「キャッシュレス・消費者還元事業」を開始します。
和歌山を始め、課題の多い地方はニーズの宝庫です。ドローンや人工知能のような新しい技術をフル活用して大きな可能性を生み出すだけでなく、人の温もりの感じられるアナログなサービスの潜在力を活かすことも重要です。そのため、新たな事業を、地元の経験豊富な経営者や都会の大企業を定年退職した方々、若手のベンチャー経営者に立ち上げてもらい、地方経済活性化や若者の雇用創出などにつなげていきます。そのための資金面・技術面での手厚い支援を講じていきます。
世界中で、新たなエネルギー源としての水素への期待が高まっています。昨年10月には、私が、世界で初めての水素閣僚会議を日本で開催し、議長として、東京宣言をまとめました。水素利活用の鍵は、燃料電池自動車の普及とそれを支える水素ステーションの整備です。先月には、和歌山県でも初めて水素ステーションが開設され、私も開設記念式典に参加させていただきました。日本の世界最先端の水素技術を最大限生かし、日本が水素社会の先頭を走り続けられるよう、引き続き強力に支援を行っていきます。
このように、経済産業大臣として、日本、そして和歌山の将来のためにさまざまな政策の実現に向けて全力で取り組んでいます。引き続き、日本の政治の安定のために粉骨砕身していきたいと思います。
6月5日付
希少な植物が県内初上陸 展示会に300人来場
希少な植物を展示する「まちなかにもっとみどりを」プロジェクトが1日、和歌山県和歌山市梶取のパーソナリティカレッジGAJU
GAJUで開かれ、約300人が来場。来場者は和歌山に初上陸した海外各地の植物に驚きながら展示された植物を楽しんだ。約1年半前からメンバーがアメリカやメキシコなどを中心に現地に足を運び輸入した希少植物、フィリフェラやカルネロサーナ、ロストラータ、ダシリリオン・ミキワネンシス、ビカクシダと店内の植物合わせて約100種類を展示。植物ハンターが来場者にそれぞれの特徴を説明しながらその魅力を伝えた。 目玉は約1000年生きているとされるダシリリオン・ミキワネンシス。訪れた参加者は一同に「でかい」など規格外の植物に興奮気味の様子だった。
同市の中居祐太さん(33)は「見たことがない植物ばかりで『驚いた』としか言葉が出ない。植物の癒やしを身近で感じられた」と笑顔だった。
GAJU GAJUの和田訓昌代表(33)は「来てくれた人が『植物に対するイメージが変わった』と言ってくれてうれしい。和歌山に緑が増えてもっと住みたい場所になるよに癒やしの空間をつくりたい。今後もこういった活動をしていきたい」と話した。
レセプションパーティーも行われ、参加者は希少植物に囲まれながら酒や食事を楽しんだ。
緑一色アート展 じゃんじゃん横丁カフェで
アート展「THEGREEN PIECE」が、和歌山県和歌山市島崎町の「じゃんじゃん横丁」内で開かれている。会場となったカフェは張り出し窓が特徴的な建物内にあり、1、2階には、飲食や絵画、小物、音楽に至るまで、緑色がテーマの作品がずらり。何度も訪れる人がいるほど楽しい企画になっている。23日まで。
作品展の発起人は岩出市のたるいのりかずさんと、和歌山市のモコモコさん。ジャンルを問わず、アートを手掛ける友人らにテーマ展の声を掛け「色の縛りで、どのような作品が生まれるのかが楽しみでした」。
大きな窓のある2階の小部屋には、写真などパネルタイプの作品約30点の他、販売もされているアクセサリーや多肉植物の小物など39人のアーティストの作品が並ぶ。
アートの並ぶ空間で、週末にはライブも行われ、23日の最終日には素和歌の2人と平野陽平さんが演奏。1階はカフェスペースで、アーティストも飲食の提供を担当。抹茶を活用したメニューなどが楽しめる。
たるいさんは「作品展がさまざまな人がつながる交差点になり、予想外のことが生まれたら」と多くの来場を呼び掛けている。
平日は午前11時から午後8時まで、金~日曜は午前11時から午後10時まで。
問い合わせはモコモコさん(℡080・6157・1148)。
素朴で温かい表現並ぶ 民俗資料館で俳画展
岩出市文化協会俳画クラブ(梶本洋子代表)の作品展が同市根来の岩出市民俗資料館で開かれている。14日まで。
同クラブは毎月第2、4土曜日に清水の岩出地区公民館で活動。作品展は約25年前から毎年1回開いている。
今回は8人の作品計35点が並ぶ。額に入れたものや、うちわやはがきに描いた作品が飾られている。「小春日のねんね根来の子守唄」「はんなりと舞妓につがれ床涼み」など素朴で温かみのある作品から、夏の京都で見られる川床を紹介する句まで、さまざま。七夕や母の日を詠んだ句もある。
多くの人が訪れ、「きれい」「自分もやってみたい」などと楽しんでいる。
入場無料。午前9時~午後5時。火曜日休館。問い合わせは同資料館(℡0736・63・1499)。
統一QRの利点知って 県内で説明会始まる
スマートフォンを使ったQRコード決済を普及させようと、総務省が8月から和歌山など全国4県で実施する統一QR「JPQR」普及事業の導入店舗向け説明会が3日、海南市の市商工会議所で始まった。監査法人の担当者が事業の概要を説明し、決済事業者が自社のサービスの利点をPRした。
JPQRは、1度の申し込みで国内6社の決済サービスと契約することができ、通常は3%程度の手数料が最大1・8%になるのが特長。8月1日から来年1月にかけ、和歌山、長野、岩手、福岡の4県で全国に先駆けて導入される。県は海南での実施を皮切りに7月下旬までに県内各地で計35回説明会を開く。
この日は県内各地から約40事業者約50人が出席。同事業の事務局を担当する有限責任監査法人・トーマツの社員が事業の概要を説明。事業者がQR決済を導入することにより訪日外国人観光客(インバウンド)の消費拡大が期待できるとし、「現金を持って旅をする人が減っており、スマホ一つ持って中国から来日する人も多い」と話した。また「決済サービスが多く、決済時にどのサービスを使うか宣言しないといけなかったが、JPQRでは必要がない」「事業者はQRコードが印刷されたステッカーが1枚あれば始められる」と強調した。
来場者らは決済事業者によるサービスの説明に聴き入り、相談ブースで熱心に質問していた。
特殊詐欺の被害防止 県警と富国生命が連携
特殊詐欺被害防止を図ろうと、和歌山県警と富国生命保険相互会社は3日、和歌山市小松原通の県警本部で「特殊詐欺の被害防止に関する協定」を締結し、県警の榎本祥一生活安全部長と同社の長澤悟和歌山支社長が協定書に署名した。
協定により、県警は同社に特殊詐欺の発生状況や新たな手口などの最新情報を提供し、同社の保険外交員などに研修を実施する。研修を受けた同社員は「特殊詐欺被害防止アドバイザー」として顧客宅を訪問した際や窓口での対応の時に、チラシやポケットティッシュに加えて、県警提供の特殊詐欺防止の動画をタブレットを使いながら説明し注意喚起を図る。
榎本生活安全部長は「社員が顧客に特殊詐欺被害防止の広報をするのは心強い。社会のセーフティネットワークを構築することが大きな力となって作用するのでよろしくお願いします」、長澤和歌山支社長は「特殊詐欺に関する注意を伝え、地域の皆さんが安全に安心して暮らせる社会の実現に少しでも寄与したい。目の前のお客さまが自分の父、母だったらというつもりで特殊詐欺の注意喚起をしていきたい」と話した。
同社は2015年4月度から各都道府県の県警本部、警察署と連携して、特殊詐欺被害防止の啓発活動を実施している。4月末現在の県内の特殊詐欺被害は10件(前年比12件減)、被害総額は1807万2460円(同5953万6292円減)となっている。
3路線供用へ 利便性向上や観光振興に期待
和歌山県海南市の国道370号阪井バイパスと紀の川市の一般県道垣内貴志川線「愛宕(あたご)橋」、主要地方道岩出野上線「諸井橋」の3カ所が今月下旬、相次いで供用される。いずれも現状は道幅が狭く、混雑の発生や車両同士のすれ違いが困難などの課題があるが、完成により交通アクセスや安全性が向上し、地域の生活や観光振興への寄与が期待されている。
県道路建設課によると、国道370号阪井バイパスは、海南市重根から木津に至る2・6㌔で、22日午後3時に供用される。3㍍の車線4本と南側に3・5㍍の自転車歩行者道、北側に歩道2・5㍍を設ける。2005年度に着手し、事業費は約138億円。
現在の車線は狭く、中央線がない箇所があり、歩道はない。慢性的に混雑が生じ、歩行者の通行は危険が伴う状態だが、供用により大幅な改善が見込まれる。さらに、世界遺産・高野山へのアクセスが向上し、観光振興など地域の活性化も期待される。
供用開始に先立って同日午前9時半から式典があり、テープカットや餅まきなどが行われる。
一般県道垣内貴志川線「愛宕橋」は紀の川市桃山町調月から貴志川町岸小野に至る0・2㌔(うち橋部分57㍍)で、29日午後2時に供用される。2・75㍍の車道2車線となる。10年度に着手し、事業費は約5億円。
以前の愛宕橋は道幅が3・5㍍と狭く、車両のすれ違いが困難なことに加え、1957年の建設から60年以上が経過し、老朽化が進んでいたことから架け替えを進めてきた。供用により円滑な通行が確保され、生活や地域間交通などの利便性向上が見込まれる。渡り初めなどの式典が同日午前9時から行われる。
主要地方道岩出野上線「諸井橋」は同市貴志川町国主から井ノ口に至る0・25㌔(うち橋部分173・7㍍)で、29日午後4時に供用される。3・25㍍の車道2車線と両側に2・5㍍の歩道を整備する。11年度に着手し、事業費は約26億円。
58年に建設された諸井橋も老朽化が進み、道幅は大型車同士のすれ違いが困難だったため、架け替えを進めてきた。
生活道路としての利便性向上に加え、たま駅長で人気が高い和歌山電鐵貴志駅に近いことなどから、観光振興への寄与も期待されている。渡り初めや餅まきなどの開通式典は同日午前10時から。
6月6日付
当て逃げに懲戒基準 職員処分で県が新設検討
和歌山県は4日、当て逃げをした職員に対する処分の基準の新設を検討すると明らかにした。酒気帯び運転で当て逃げをした人事課主事の男性職員(26)の処分を巡り、当て逃げに関する規定がないため、酒気帯び運転に関する規定などに基づき停職6カ月の懲戒処分としていたことを受けての対応。
男性職員は3月、和歌山市内で飲酒した後に車を運転し、民家の倉庫にぶつかる事故を起こしたが、道路沿いの縁石か何かに当たったと思い、そのまま走行し、赤信号で停車したところを民家の住人に呼び止められ現行犯逮捕。和歌山簡裁から罰金の略式命令を受けた翌5月30日、県は懲戒処分を発表していた。
4日に記者会見した野口幸男監察査察監は「検討の余地は十分ある。他の官庁の処分基準も精査し、できるだけ分かりやすいものを作りたい」と述べ、すでに発表した男性職員への処分は変更しないとした。
交通安全活動に尽力 推進協が功労者ら表彰
交通事故をなくする県民運動推進協議会総会が5月30日、和歌山市手平の和歌山ビッグ愛で開かれ、和歌山県内各地で交通安全活動に尽力した功労者らに表彰状が贈られた。
受賞者は交通安全功労者16人、交通安全年間スローガン入賞作品は最優秀賞4人、佳作14人。
同会会長の仁坂吉伸知事の代理として委員長の下宏副知事が受賞者に賞状を手渡し、「一丸となって交通事故のない安全で安心な和歌山を築くためにこれからもご尽力いただきたい」とあいさつした。
受賞者を代表して、和歌山西地区交通安全母の会の梶本和子さん(76)が「このような栄誉を得られたのは皆さまのおかげ。これからも地域の交通安全のために活動します」と謝辞を述べた。
本紙エリアの受賞者は次の皆さん。
【交通安全功労者】高橋正美(紀の川市)▽別所克世(和歌山市)▽西比康(同)▽梶本和子(同)▽西眞理子(同)▽谷口傑(海南市)▽若林照路(紀美野町)
【交通安全年間スローガン入賞者】
最優秀作=〈一般〉尾藤広幸(紀の川市)〈小学生以下〉中尾悠太(岩出市立山崎北小)〈中学生・高校生〉出耒紗杜里(和歌山信愛高)〈シニア〉和歌愛子(和歌山市)
佳作=〈一般〉小栁亮(和歌山市)▽山本哲治(同)▽梅本佳城(同)〈小学生以下〉沖映人(海南市立巽小)▽瀧陽乃介(紀の川市立西貴志小)〈中学生・高校生〉竹垣聖(海南市立下津第二中)▽中谷咲帆(和歌山信愛高)〈シニア〉川﨑千尋(岩出市)▽安倍啓司(和歌山市)▽大谷進(同)▽井下周一(同)
立憲民主が藤井氏を推薦 参院和歌山選挙区
今夏の参院選和歌山選挙区(改選数1)に無所属新人で立候補を表明している元和歌山弁護士会会長、藤井幹雄氏(58)について、立憲民主党は4日、推薦を決定したと発表した。
同党県連によると、同日東京都内で開かれた党常任幹事会で決定した。和歌山県連の山本忠相幹事長は「藤井氏はこれまで、安倍政権にノーを突き付ける活動をしており、憲法への問題意識などが党の土台の考え方と一致している」と推薦の理由を話した。藤井氏は連合和歌山などが擁立し、国民民主がすでに推薦を決定。先月下旬に立憲、国民、共産、社民など野党5党派が和歌山選挙区を含む1人区の候補者を一本化することで合意しており、共産は予定していた候補を取り下げる。
和歌山選挙区では、自民現職で公明の推薦を受ける経済産業大臣、世耕弘成氏(56)=4期=が改選を迎え、藤井氏との一騎打ちになる公算が大きい。