47都道府県全てを巡る来年の「東京2020オリンピック聖火リレー」のルート概要が1日、発表され、和歌山県内は4月10、11日の2日間、14市町を舞台に行われる。今月下旬から8月にかけてランナーを募集し、約160人が聖火を手に紀州路を走る。
聖火リレーは3月26日に福島県のナショナルトレーニングセンター「Jヴィレッジ」をスタートし、121日間かけて7月24日に東京都でゴールを迎える。
県スポーツ課プロジェクト推進室によると、和歌山県は8番目の巡回で、三重県から聖火を引き継ぎ、奈良県へと受け渡す。リレーを行う市町は順に新宮市、那智勝浦町、串本町、白浜町、田辺市、御坊市、有田市、海南市、和歌山市、岩出市、紀の川市、かつらぎ町、高野町、橋本市。
1964年東京大会の聖火リレーは、大阪府から和歌山市へと入り、紀北地域を通って奈良県へと向かったため、県南部を聖火ランナーが走るのは今回が初めてとなる。
落差133㍍の名瀑・那智の滝、大小約40の岩が約850㍍にわたって並ぶ橋杭岩、テーマパークやマグロの解体ショーなどで人気の和歌山マリーナシティ、真言密教の聖地・高野山など、和歌山の優れた景観や観光地を通るようにルートを選んだ。
ランナーは一日当たり80人程度、走行距離と時間は1人当たり約200㍍、2分ほど。実際に走る道路や区間などの詳細なコースは、県が市町村と協議して今秋にも案をまとめ、大会組織委員会が12月ごろに公表する。
各日のリレーの最終となる市町では、聖火到着を祝うイベント「セレブレーション」があり、1日目は和歌山マリーナシティ第1駐車場、2日目は橋本市運動公園多目的グラウンドで開催する。
聖火ランナーの応募資格は、08年4月1日以前生まれの県にゆかりがある人。在住者や過去に居住していた人、所属の職場や学校がある人、家族や親類が住んでいる人、過去に活動したことがある人など、幅広い縁が対象となる。国籍や性別は問わない。
募集は、県実行委員会が7月1日~8月31日に受け付ける他、聖火リレープレゼンティングパートナーの日本コカ・コーラ㈱(6月17日~8月31日)、トヨタ自動車㈱、日本生命保険相互会社、日本電信電話㈱(いずれも6月24日~8月31日)がそれぞれ行い、1人最大5回の応募が可能(当選は1回のみ)。
募集要項は各機関が今後発表し、聖火ランナーの決定は12月以降の予定。
同推進室は「五輪は東京・東北で行われるが、和歌山でもその一端にふれ、より多くの人に見て、感じてもらえるようにしたい」と話している。
聖火リレーのコースとなる那智の滝