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IR誘致へ県が有識者会議設置 今夏初会合

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 仁坂吉伸知事は14日の定例記者会見で、カジノを含む統合型リゾート(IR)の誘致に関する有識者会議を13日付で設置したと発表した。国から整備区域についての基本方針が示された後、実施方針などの作成について意見を求める。

 有識者会議の委員はカジノの歴史に詳しい研究者や弁護士、経済団体幹部ら計8人。島田晴雄首都大学東京理事長が座長、森詳介関西経済連合会相談役が座長代理を務める。第1回会議は今夏にも予定している。

 仁坂知事は委員の人選について「各分野で日本を代表する知性を持ったビッグネームの方を集めたつもりだ。立派な人の意見を謙虚に聞きながら誘致活動に取り組んでいきたい」と述べた上で、事業者の選定については、応募企業の財務状況や反社会的勢力との関係の有無などを細かく調査する必要があるとし、「もう少し実務的で専門的な人を集めて検討することになると思う」と述べた。

 有識者会議の委員は次の皆さん。

 石川耕治(弁護士)▽大久保洋子(和食文化国民会議理事)▽久保成人(日本観光振興協会理事長)▽佐伯英隆(京都大学公共政策大学院名誉フェロー)▽島田晴雄(首都大学東京理事長)▽谷口博昭(国土技術研究センター理事長)▽森詳介(関西経済連合会相談役)▽吉川左紀子(京都大学こころの未来研究センター特定教授)


車いすの海水浴体験描く 髙田さん絵本出版

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 肢体が不自由な和歌山県和歌山市今福の髙田友紀子さん(23)が、児童文学作家「たかだ ゆき子」としてデビューを果たした。自身の感動体験や、日々の思いを込めた『はじめての うみ』『やさしい きもち』の2冊を同時出版。髙田さんは「障害者と健常者の壁をなくしたい。日常や社会でつらいこともたくさんあるけれど、障害を理解して、守ってくれる人はいる、そんなメッセージが皆さんに伝われば」と話している。

 髙田さんは双子として生を受けた。生まれた時から手足が不自由で、日常生活は車いすを利用。現在は県立医科大学のリハビリテーション科で、作業療法士のアシスタントとして働いている。

 幼い頃から、母親の読み聞かせで絵本に親しんできた。一ページずつ、家族みんなで感じたことを発表し合うのが一家のスタイル。絵本作家を夢見るようになったのは、ごく自然なことだったという。

 絵本を深く知ろうと、読み聞かせのグループに入会。その後、福祉施設などから声が掛かるようになり、個人で「ゆっこりんのおはなし会」を立ち上げ、各地で読み聞かせを披露している。

 絵本制作のきっかけになったのは、昨年夏、磯の浦のビーチイベントで、水陸両用車で双子の兄の英樹さんと共に人生初の海水浴を楽しんだこと。

 『はじめての うみ』は、その思い出深い体験を基に生まれた絵本で、海に憧れるウサギが、優しいクマたちのサポートで「まほうのいす」に乗って海を楽しむ物語。

 海から眺める景色は新鮮だったといい、波に揺られ、潮風を感じながら全身で夏の海を満喫。「頑張って生きていて良かった」。浜辺で感想を聞かれた髙田さんの口から自然とこぼれたのは、そんな言葉だった。

 「つらい思いをすることもあるけれど、前向きに生きていれば、楽しいことがたくさんあることを伝えたい」と、一気にストーリーを書き上げた。

 『やさしい きもち』は、木登りができないウサギに対し、サルたちが木に登っていじわるをする。そんな中、かばってくれるクマも現れ、自分たちのことしか考えないサルたちの一方、仲間外れにされてもなお、サルたちを思いやるウサギの姿が描かれている。

 これまで、障害のために理不尽なことや心ない言葉に傷つけられることも多かったが、自分を理解し、支えになってくれた、ある恩師との出会いも大きかったという。

 絵本のイラストを担当したのは、姉の鮫島裕美子さん(25)。温かみのある素朴なタッチで、動物たちを生き生きと描き「表情一つにも、相談しながらいろんなメッセージを込めました」と話す。

 楽しいことも、つらいことも家族で分かち合い、髙田さんは「私自身、愛情いっぱいに育ててもらいました」とにっこり。自分もそうであったように、「絵本を通じて、小さい頃から思いやりや優しさを育んでおくことが大切」と話す。そして「絵本に登場する、うさぎちゃんやくまさんのような、優しい人が増えれば」と願っている。

 『はじめての うみ』は1300円(税抜き)。『やさしい きもち』は1500円(同)。宮脇書店ロイネット和歌山店、帯伊書店、宇治書店、アラオ岩出店・打田店などで取り扱っている。

 19日午後3時からは、宮脇書店和歌山店(和歌山市広瀬中ノ丁)で、出版を記念した「おはなし会」とサイン会を開催。6月15日午後3時から、TSUTAYA WAYガーデンパーク和歌山店(同市松江)でもイベントを開く。

2冊の絵本を手に笑顔の髙田さん

2冊の絵本を手に笑顔の髙田さん

難病のリハビリに 県内初ボクシング研修

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体が動かしづらくなるパーキンソン病の症状改善を促す「ロックステディボクシング(RSB)」の研修会とデモンストレーションが、16日に和歌山県和歌山市鳴神のフジボクシングジムで行われる。県内初開催に向け、理学療法士でボクシングトレーナーの龍神正導さん(46)は「患者さんが笑顔で楽しく、元気になってもらえる場をつくりたい」と話している。

パーキンソン病は脳の伝達物質の減少により、手足の震えや関節が動きにくくなるなどの症状がある難病。根本的な治療法がなく、薬や運動で症状を抑える。国内の患者数は約15万人とされている。

RSBは2006年にニューヨークで生まれたボクシングフィットネス。心拍数が上がることで神経系が刺激され、病気の進行の抑制が期待できる。世界12カ国に広まっており、日本では神戸と大阪で行われている。プログラムは症状の進行や年齢に関係なく取り組め、1回90分ほどでミットやサンドバッグを打つ他、ストレッチ、持久力、体幹などを鍛えるボクシング以外のトレーニングも行う。

龍神さんによると、パーキンソン病患者は体が動かせるのにゆっくりとしか動けないという症状からスポーツジムに通えなかったり、年齢層も幅広いため、デイサービスになじめなかったりする人も多いという。また、日本では不治の病、寝たきりになるといったイメージも強いが、明るくリハビリし、病気になってもできることがあることを知ってもらいたいという。

研修会は午後1時半から。パーキンソン病の解説とRSB体験を行う。講師は神戸でRSBを指導する坂井美穂さんと津野明美さん。申し込み、問い合わせはリハビリテーションセンターりゅうじん(℡073・497・5505)。

「楽しく体を動かしましょう」と理学療法士の皆さん(右が龍神さん・写真は龍神さん提供)

「楽しく体を動かしましょう」と理学療法士の皆さん(右が龍神さん・写真は龍神さん提供)

5月16日付

明治大学長を迎えて アバロームで講演会

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明治大学と同大学校友会県支部(花田慎一郎支部長)は25日午後4時から、和歌山県和歌山市湊通丁北のホテルアバローム紀の国2階鳳凰の間で公開講演会を開く。

公開講演会は3年に1度開いており、ことしは同大学の土屋恵一郎学長が「風姿花伝―現代にいきる世阿弥のことば―」と題して講演する。

土屋学長は1970年同大学法学部卒業。77年同大学院博士課程単位修得退学。2016年から学長を務めている。30年にわたり能学プロデューサーとしても活動。著書も多数。

定員は100人で参加は無料。申し込みは事務局長の寺下さん(℡073・422・6694)。

既成概念を覆し変化 魚住さんが4枚目CD

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和歌山県和歌山市のシンガー・ソングライター魚住弘樹さん(56)が、4枚目のシングルCD「Change(チェンジ)」を19日に発売する。シンセサイザーを使った軽快なダンス音楽が聴きどころ。魚住さんの幅広い表現力が凝縮された一枚で「これまでに全くない、摩訶不思議な楽曲ができた。既成概念を打ち破り、変化しながら突き進んでいきたい」と話している。

CDには4曲を収録し、タイトル曲の「チェンジ」は、電子音やスクラッチを交えた曲。ラジオボイスをアクセントに、ドスの効いたR&B調の魚住さんの歌声が印象的なナンバー。

また、愛のささやきを表現した「アモーレパローレ」は、前回CDからのラテンの要素を引き継ぎ、リズミカルで脈打つような言葉の繰り返しが耳に残る。その他、前作「マイヤコンディアス」のエレクトロニックダンスミュージックバージョンなども。

魚住さんは「メロディーに日本語が乗らない部分もあり、曲と歌詞をどう融合させればよいか心を砕いた。自分でも想定外のことが多いですが、それを楽しみながら、限界をつくらずに音楽と向き合っていきたい」と話している。

1000円(税込み)。イオンモール和歌山の島村楽器などで販売。

発売されるCDのジャケット画像

発売されるCDのジャケット画像

相互交流大切に 和市にリッチモンド訪問団

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和歌山県和歌山市の姉妹都市であるカナダ・リッチモンド市の親善訪問団が同市を訪れ、14日には市役所で尾花正啓市長と原一起教育長と会談した。

両市は1982年から隔年で相互に訪問団を送っており、リッチモンドの訪問団が和歌山を訪れるのは19回目。中高一貫校3校から36人が参加している。

訪問団は13日に和歌山に到着。14日午前は市立伏虎義務教育学校で交流し、午後に市役所庁議室を訪れた。

スティーブストン・ロンドン中高等学校長のキャロライン・サカタ訪問団長は「これまでたくさんの学生が和歌山に来た。その中で今も交流が続いている人や、日本の大学に進学する人もいる。こうして交流が続けられるのは大事なこと」とあいさつし、尾花市長は「日本の生徒と交流し、歴史や文化も知ってもらいたい。いろいろな所でこれからも交流が続いてほしい」と歓迎した。

その後記念品を交換し、訪問団には市から紀州塗のペアカップとフォトフレーム、市教委から紀州塗のカップと箸とスプーンが贈られた。

訪問団は市立城東中学校、市立和歌山高校や加太の青少年国際交流センターを訪れ、友ヶ島などを散策し19日まで滞在する。

和歌山市を訪れた親善訪問団の皆さん

和歌山市を訪れた親善訪問団の皆さん

県庁訪れ意見交換 仏バリエール関係者ら

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グループ・ルシアン・バリエールの関係者らは14日、会見後に和歌山県庁に仁坂吉伸知事を訪問。和歌山でのIR開業について意見を交換した。

意見交換は冒頭を除き約30分間非公開で行われた。バリエール側からはジョナタン・ストロック日本支社長や、俳優で公式ブランド大使のジャン・レノ氏ら4人が出席。仁坂知事は「お目にかかれてうれしい。ゆっくり和歌山を楽しんで」と歓迎し、ストロック日本支社長は「和歌山に日本で唯一の事務所を開設することができた。大変喜ばしい」と話していた。

仁坂知事と会談したバリエール関係者ら

仁坂知事と会談したバリエール関係者ら


IR誘致へ 仏企業が和市に事務所を開設

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和歌山県がカジノを含む統合型リゾート(IR)誘致を進める中、フランスの大手IR事業者「グループ・ルシアン・バリエール」が14日、候補地の和歌山マリーナシティ(和歌山市毛見)で記者会見を開き、市内に日本初となる事務所を開設したと発表した。公式ブランド大使にはハリウッド俳優のジャン・レノさんが就任し、県のIR参入に力を注ぐ。

同社は1912年創業。ヨーロッパを中心に30カ所以上でカジノを運営する他、ホテルやレストランなどを経営している。

会見には同社のアレクサンドル・バリエール開発マネージャー、ジョナタン・ストロック日本支社長、ジャン・レノさんが出席した。

バリエール開発マネージャーは「自然の尊重がキー概念。和歌山の素晴らしい自然を広く感じることができるリゾートにしたい。日本、和歌山の人と協力しながら力を合わせていきたい」と話した。

ストロック日本支社長は「各市を回ったが、ここに足を踏み入れた時にひらめきを感じ、アレクサンドルと『ここだね』と言ったことを覚えている。関西空港が近いことや白浜空港もあるなど、リゾートに必要な条件が全てそろっている。また、人々が親切で心が温かい」と事務所開設の経緯を述べた。

バリエールグループと20年間親交があるレノさんは「和歌山に初めて来た。日本の皆さんが誇りに思うリゾートになればと思う。自然を守り、ギャンブル依存症で苦しむ人がいないなど責任のあるリゾートに励んでいただきたい」と話した。

構想は、マリーナシティに2500室のホテルとカジノ施設などを建設し、マリンスポーツや高野山、熊野古道などの観光資源を生かしながら自然と環境を重視したリゾートを目指す。

ギャンブル依存症の対策について、ストロック日本支社長は「ギャンブルは楽しみでなくてはならず、決して中毒になって苦しむ状態になってはいけない。心理セラピストなどを常駐して予防的に対応する」と話した。

会見後、3人は同所の黒潮市場でマグロ解体ショーを見学し、新鮮な県産マグロを楽しんだ。

会見するバリエール開発マネージャー(中央)とストロック日本支社長㊧

会見するバリエール開発マネージャー(中央)とストロック日本支社長㊧

5月17日付

ヒナが待ち遠しい 星林高でツバメが巣作り

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 和歌山県立星林高校(和歌山市西浜)の正面玄関の軒下にツバメが巣を作り始め、日々生徒たちが温かく見守っている。

 作り始めたのは5月上旬。人の出入りが多いため天敵がなく、雨がしのげる場所とあって安心したのか、つがいと見られる2羽が細い枝を頻繁に運ぶほほ笑ましい姿が確認できる。

 日本では古くから「ツバメが来る家や店は栄える」などと言われ、営巣は縁起が良いとされている。

 同高によると、最近10年ほどは毎年のようにやって来るといい、ふん受け用に下に新聞を敷いて対応。3年生の野志勇介君は「星林に幸せを運んでほしい。ヒナが産まれるのを見てみたい」、北風歩輝君は「家の近くにも巣を見掛けたけど、学校で見られるなんて。季節感がありますね」と笑顔で見上げていた。

正面玄関の軒下に巣を作るツバメ

正面玄関の軒下に巣を作るツバメ

臨時県議会が開会 正副議長や委員選任へ

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4月7日の和歌山県議選後初めてとなる県議会5月臨時会が16日、開会し、当選した新県議が議場に集まった。この日は議席の指定があり、会期は21日までの6日間と決まった。

 仁坂吉伸知事はあいさつで、産業活動の活性化や少子高齢化の改善などによる地域振興に意欲を示し、「県内各地の特徴を生かした力強い発展に向け、県議の皆さんと一体となって県政を推進していきたい」と述べた。

 今臨時会では、正副議長や関西広域連合議会議員の選挙、各委員会委員、監査委員の選任などが予定されている。

 新しい県議会の会派構成は次の通り。

 【自由民主党県議団】井出益弘▽宇治田栄蔵▽尾崎要二▽吉井和?▽冨安民浩▽谷洋一▽新島雄▽山下直也▽山田正彦▽坂本登▽尾﨑太郎(会長)▽藤山将材▽鈴木太雄▽中本浩精▽岩田弘彦▽堀龍雄▽岸本健▽森礼子▽濱口太史▽中西峰雄▽秋月史成▽川畑哲哉▽玉木久登▽佐藤武治▽鈴木德久▽山家敏宏▽北山慎一
 【改新クラブ】長坂隆司(代表)▽浦口高典▽片桐章浩▽谷口和樹▽藤本眞利子
 【日本共産党県議団】奥村規子(団長)▽楠本文郎▽高田由一▽杉山俊雄
 【公明党県議団】多田純一(代表)▽岩井弘次▽中拓哉
 【無所属の会】玄素彰人(代表)▽中西徹
 【日本維新の会】林隆一(代表)

臨時県議会であいさつする仁坂知事

臨時県議会であいさつする仁坂知事

アイデア農業60年 紀美野の白粉田さん夫妻

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 紀美野町梅本の白粉田宏雄さん(88)は、20代半ばから米やトマト、シイタケなどさまざまな作物を手掛け、農業一筋の人生を送っている。山間での暮らしから得た自然に関する知識や洞察力は深く、農業を志す人の相談にのることもしばしば。妻の成子さん(82)と心豊かな日々を送る白粉田さんに、これまでの取り組みや次世代への期待を聞いた。

 夫妻は現在、果実が軽く、収穫時に運搬しやすいサンショウを中心に栽培出荷し、自家用の米や野菜、かんきつ類などを作っている。元々、元禄時代から続く稲作農家だったが、父親から約1丁(約3000坪)の農地を継承してからは、変化する社会情勢や気象条件に合わせ「人のできないことをして所得を向上させよう」と野菜や果樹栽培にも熱心に取り組み始めた。「農業は、アイデアを持ってするべし」というのが持論だ。

 特にヒット商品となったのは、1960年代に思いつきで始めたという「生石高原トマト」。秋ごろまで出回るトマトとして珍重され、最盛期の3カ月間は、一日で当時の教員の月給とほぼ同じくらいの売上げがあった。

 70年ごろから手掛けたシイタケ栽培は、25年にわたり農業法人を運営するほどの事業に成長。法人を構成した農家の仲間7軒が、独立採算型で運営したことで、各戸が利益向上を図ろうと熱心に栽培にも取り組むようになり、農業にも自由競争が大切であることを実感した。

 またその頃、高度成長期で高まった木材需要に対応しようとスギやヒノキの植林事業が推進され、和歌山県主催の農業士会で説明を聞いた白粉田さんは「雑木を切って植林をすると山の生態系を変えてしまう。後々、何らかの問題が生じないだろうか」と問題提起をした。現代になり、スギやヒノキの花粉がアレルギー症状を引き起こす一要因にもなっていることは周知のことであり、当時を知る友人は「その意見を聞いた時は驚いたが、今になってお前の主張がよく分かった」と話しているという。

 その後、中国産シイタケの流通で値崩れが起こるようになってからは、果樹栽培に転換。地球の温暖化の進んだ時期でもあり、甘みがのった良い品質の梅やミカンを収穫することができた。

 「利益率の良い農業をしたい」と願う白粉田さんはいつも、大阪中央卸売市場の野菜の値動きをチェックしていた。ネギなど、ある作物が高値になる時期を把握しては、それに合わせて出荷するために、どの品種が自身の農地の土壌に適しているかということなどを考えた。 

 白粉田さんのその農業や自然への旺盛な探究心は、幼少の頃から山を遊び場にしていたことや、子ウシを農耕用にトレーニングする役目を果たすなど、農家の跡取りとして養育されたことで養われたもの。現在も自身が生まれた築100年以上の木造家屋に住んでいるが、建材の組みに「狂いがない」といい「この辺りの地盤は青石や白石で、そう簡単に砕けることはなく、災害にも強い」と話す。

 都市部からの移住者や定年退職後に農業に従事する人も増えつつある同町。そのような人に山の知識を話したり、農業の手ほどきを行ったりしながら夫妻は現在、最盛期の三分の一に縮小した田畑の農作業に精を出し、穏やかな日々を送っている。以前は海外旅行も楽しんだが、最近はおにぎりを携えたドライブが最高の息抜き。白粉田さんは「若い人にもぜひ夫婦で力を合わせて農業を楽しんでほしいです」と話し、茂子さんも「農作業は体力が必要でえらい(きつい)こともありますが、月給にもしばられず気楽です。ええ人生でした」と笑顔で夫を見つめている。

丹精込めた畑で白粉田さん夫妻

丹精込めた畑で白粉田さん夫妻

観覧車のある和歌山港 志磨さん絵画寄贈

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 和歌山市の画家・志磨隆さん(76)が未来の和歌山港を描いた絵画を市に寄贈し、15日に市役所で寄贈式が行われた。

 志磨さんはアトリエVirtual&Realityを創設。2005年に世界一周する客船の絵画教室講師を務め、昨年は個展「世界のクルーズ船を和歌山に」を開催した。
 寄贈された絵画では、海のそばに白い観覧車が建ち、電車が港に乗り入れ、港を歩く人々が停泊しているクルーズ船に手を振っている。透明水彩画で、構想から制作まで3カ月ほどで仕上げた。

 船上で絵画教室を開いていた際、志磨さんは寄港した世界の港を見てきた。大きな彫刻が船を出迎えるポルトガルの港や地中海の港が印象的だったという。一方、和歌山港は周囲にランドマークとなるような存在がなく、さみしい場所のように感じられたことから、にぎやかな未来の港を描いた。外国の港を参考にタワーを描こうかとも考えたが、分かりやすくて目立つ観覧車にしたという。

 尾花正啓市長から感謝状を受け取った志磨さんは「船の中は長くいると退屈で味気なくなる。和歌山港が楽しくておいしい港になっていけば」と話した。

 寄贈された作品は今後一般公開を予定している。

感謝状を手に志磨さん㊨と尾花市長

感謝状を手に志磨さん㊨と尾花市長

序曲「徳川頼貞」吹奏楽版完成 楽譜を配布

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 紀州徳川家第16代当主、徳川頼貞のために大正時代に書かれた管弦楽曲「序曲『徳川頼貞』」の吹奏楽版が完成した。原曲は1918年、東京・麻布の旧徳川邸に誕生した日本初の本格的コンサートホール「南葵楽堂(なんきがくどう)」開堂に際してイギリスのエドワード・ウッダール・ネイラー博士が作曲。昨年で100周年を迎え、和歌山県がプロの編曲家・大橋晃一氏に吹奏楽版への編曲を依頼した。楽譜データを県のホームページで公開している。

 徳川頼貞(1892~1954)は西洋音楽好きで、英国・ケンブリッジ大学に留学。作曲家でオルガニストのネイラー博士に教えを受けた。後に麻布の紀州徳川邸に南葵楽堂を建て、恩師のネイラー博士に記念の曲を作ってくれるように依頼。このような施設の開館を記念する曲を海外の作曲家に依頼するのも本邦初だったとされる。

 ネイラー博士は急いで曲を作ったが、当時の郵便事情ではイギリスから日本へ楽譜が届くまで15週間かかり、開堂記念のコンサートには間に合わなかった。2年後の1920年、パイプオルガンの完成を記念する臨時音楽会で海軍軍楽隊によって初演。博士は行進曲「威風堂々」のエルガーや組曲「惑星」のホルストらと同時代の作曲家で、作品にはエルガーの影響も感じられるという。

 吹奏楽版に編曲した大橋氏は、東京藝術大学音楽学部器楽科ホルン専攻卒業。神奈川フィルハーモニー管弦楽団に2015年までホルン奏者として在籍しており、現在は同楽団のミュージックアドバイザー、東京藝術大学非常勤講師。今回編曲した「序曲『徳川頼貞』」について、「芸術性の高い曲。演奏が難しい部分があるが、音楽的な充実感が存分に味わえる。作曲から100年たった今、演奏する皆さんにそれを体感していただきたく、オーケストラから吹奏楽へ編曲した」と述べている。

 原曲の著作権保護期間は過ぎており、演奏に著作権使用料は発生しない。県は、県吹奏楽連盟を通じてスコア・パート譜セットを県内の吹奏楽団や学校吹奏楽部約90団体に配布。秋には生演奏の音源を制作し、インターネットなどで公開する。

 県は「楽曲の周知を通じて、南葵音楽文庫の普及、紀州徳川家の顕彰を図っていく」としている。南葵音楽文庫は頼貞による西洋音楽関連文献などのコレクション。約3万点の資料があり、現在は県に寄託され、一部が県立図書館などで公開されている。

完成した「序曲『徳川頼貞』」吹奏楽版の楽譜

完成した「序曲『徳川頼貞』」吹奏楽版の楽譜


がん診療拠点の高度型に指定 日赤和歌山

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 厚生労働省は、地域のがん治療の中核を担う「地域がん診療連携拠点病院」に392施設を指定した。このうち、特に治療実績などが優れている「高度型」14施設に、日赤和歌山医療センター(和歌山市小松原通)が指定された。和歌山県内では唯一。平岡眞寛院長は「がん患者が多くなったいま、総合的な観点から全人的にみる病院が求められる。より一層がん医療の体制充実を図っていきたい」と話している。指定期間は2023年3月31日までの4年間。

 国内のがん診療は、「がん対策基本法」「がん対策推進基本計画」により、全国どこでも質の高いがん医療を受けられるよう、全国にがん診療連携拠点病院が整備されてきた。

 しかし、これらの拠点病院などの取り組みに格差があること、さらなる医療安全の確保が必要であることなどの課題が指摘され、今回見直しが図られた。

 指定の要件は、がんの手術数が年400件以上、がんに係る薬物療法の延べ患者数が年1000人以上、緩和ケアチームの新規介入患者数が年50人以上であることなど。それぞれの病院の機能によって「高度型」「一般型」「特例型」に分類。「高度型」は、高度な放射線治療が実施可能で、がん相談や緩和ケアが充実していることなどを基準に指定された。

 同センターには、がん放射線治療の第一人者で、京都大学医学部付属病院がんセンターの初代センター長でもある平岡氏が2016年に院長に就任。増加するがん患者に対し、手術、放射線治療、抗がん剤治療を中心に、高度な医療が提供できるよう体制を強化し、優れた技術、画像診断能力を有する専門医らで、質の高い医療を提供している。

 「例えば私が専門とする放射線治療では、早期肺がんなどで、がんの部位だけをピンポイントに照射する『高精度放射線治療』が可能。体に負担が少ないため、高齢のがん患者が増加する中、有効な選択肢になると思います」。

 昨年の10月には南館13階に緩和ケア病棟を開設。治療と併せて、がん患者の苦痛や不安を和らげる医療にも力を入れ「たとえ病が治らなかったとしても、その人が心安らかに人生を全うできるようにしたい」と話す。

 また、多岐にわたる患者と家族のニーズに対応する、がん相談支援センターの充実も高い評価につながった。同センターでは、患者の就労支援などを含めた人生設計の相談にも応じている。

 一方で、県のがん死亡率は全国ワーストの上位。がん対策を積極的に進める必要性を強く感じ、少しでも早い段階で見つけられるよう、検診にも力を入れる。

 平岡院長は「これまでのがん医療は、専門病院が中心でしたが、合併症なども考えると、総合的に幅広く支えることが必要。生活のサポートを含めた医療体制を強化していきたい」と話している。

がん医療について語る平岡院長

がん医療について語る平岡院長

5月18日付

企業倒産が今後増加の可能性 和歌山県内4月状況

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 県は、岩谷産業㈱(本社=東京・大阪)が和歌山市太田で建設中の水素ステーション「イワタニ水素ステーション和歌山太田」について、営業開始時期をことし7月と発表した。

 18日には同社が建設地で開設記念式典を行い、午後1時からは、「イワタニ水素エネルギーフォーラム」が和歌山市友田町のホテルグランヴィア和歌山で開かれる。

 水素はエネルギーとして使用する際に二酸化炭素を排出せず、貯蔵や運搬も容易なことから、県は水素エネルギーの普及を目指している。

 県産業技術政策課によると、イワタニ水素ステーション和歌山太田は県内初の水素ステーション。敷地面積は約990平方㍍で1時間当たり燃料電池自動車(FCV)6台を充填(じゅうてん)することができる。県はFCVを公用車として導入する他、ことし11月に県内で開かれる「ねんりんピック紀の国わかやま2019」では大会シンボルの炬火を水素でともす予定。

横断歩道は歩行者優先 県警啓発ステッカー

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 横断歩道での歩行者優先を徹底しようと和歌山県警は15日、トラックやバス、タクシーなどの運輸関係団体に「STOP!横断歩行者妨害」と書かれたオリジナルステッカー約3000部を贈呈し、協力を呼び掛けた。

 県警は昨年のJAF(日本自動車連盟)が実施した「信号機のない横断歩道における歩行者優先について」の調査で、県内の車の一時停止率が1・4%と全国平均の8・6%を大きく下回るワースト3位だったことなどを踏まえ、取り組みを強化してきた。ステッカーは各団体の車両後方に貼り付けて、一時停止を啓発する。

 贈呈式は同市西の交通センターで行われ、県トラック協会の阪本享三会長、県バス協会の久保洋介会長、県タクシー協会の川村昌彦会長、県ハイヤー・タクシー協会の西村芳通専務理事、県個人タクシー協同組合の和田俊夫理事長が出席。島泰弘交通部長が参加者にステッカーを手渡した。

 島交通部長は「『歩行者に優しい和歌山』の実現に向け、事業用車両にステッカーを貼っていただき、一般ドライバーの模範として率先して横断歩行者優先に取り組んでいただき、県全体の機運が高まれば」とあいさつした。

 参加団体を代表して阪本会長は「交通事故を防止するものとして、一つでも交通事故が減るように業界の中で模範となるように指導していきたい」と話した。

 交通企画課によると、4月末時点での横断歩道上での交通事故は18件あり、そのうち、2件の死亡事故があったという。

ステッカーを貼る運輸関係者

ステッカーを貼る運輸関係者

贈呈されたステッカー

贈呈されたステッカー

和歌山県内初の水素ステーション 18日記念式典

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 県は、岩谷産業㈱(本社=東京・大阪)が和歌山市太田で建設中の水素ステーション「イワタニ水素ステーション和歌山太田」について、営業開始時期をことし7月と発表した。

 18日には同社が建設地で開設記念式典を行い、午後1時からは、「イワタニ水素エネルギーフォーラム」が和歌山市友田町のホテルグランヴィア和歌山で開かれる。

 水素はエネルギーとして使用する際に二酸化炭素を排出せず、貯蔵や運搬も容易なことから、県は水素エネルギーの普及を目指している。

 県産業技術政策課によると、イワタニ水素ステーション和歌山太田は県内初の水素ステーション。敷地面積は約990平方㍍で1時間当たり燃料電池自動車(FCV)6台を充填(じゅうてん)することができる。県はFCVを公用車として導入する他、ことし11月に県内で開かれる「ねんりんピック紀の国わかやま2019」では大会シンボルの炬火を水素でともす予定。

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