和歌山蔭中学校・高校(和歌山市吹上)の音楽部が「第12回声楽アンサンブルコンテスト全国大会」(3月21~24日、福島市音楽堂大ホール)で銀賞を受賞した。創部以来初めての全国大会出場という緊張の中、部員たちは全国の合唱強豪校に負けない歌声を披露した。
同コンテストは合唱の基礎となる少人数で歌う「アンサンブル」をテーマに、小学校・ジュニア、中学、高校、一般の4部門で行われる。同校音楽部は高校1・2年生と中学3年生の16人で高校部門に出場。2月に行われた県大会では全部門の中からグランプリを受賞し、県代表となった。
演奏したのは、横山潤子さん作曲の女声合唱曲集「笑いのコーラス」から「人生が1時間だとしたら」「贈り物」の2曲。詩人・高階杞一さんの詩に曲をつけた作品で、「生徒が歌ったらどんなふうになるのか聴いてみたい」と顧問の有本利香教諭が選んだ。
3月は定期演奏会の準備もあり、練習時間の確保も難しかった。曲はいずれも無伴奏で、朗読などもして日本語の詩がしっかり届くように練習を重ねた。
全国大会では、昨年度のNHK全国学校音楽コンクールで金賞を受賞した福島県立郡山高校合唱団をはじめ、全国大会常連の強豪校の歌声を生で聴いた。
桐蔭は本選に出場できる5位以内への入賞を目指してきたが、3年生の東亜紗花さん(17)は、他校の歌声を聴くと、その力量に「こんなふうに歌いたい」との思いが強まり、自信はなくなっていったと、当日の気持ちを振り返る。それでも、空気が波打つのが分かるほど素晴らしい音響のホールで堂々と伸びやかな歌声を響かせ、「歌えて幸せだった」。
結果は、5位以内にはあと一歩届かなかったが、40校中の6位。東さんは「結果には驚いたし、悔しさもあった。年度が替わって新入部員も入ったので、8月のコンクールでまたみんなで全国出場できるように頑張りたい」と話していた。