4月17日付
地元で挽回目指す和大 近畿学生野球リーグ
近畿学生野球連盟Ⅰ部春季リーグ戦が20、21の両日、紀三井寺公園野球場で開かれる。
昨年に秋季リーグを制し、2年ぶりに春季リーグ制覇を目指す和歌山大だが、今回のリーグは、序盤から厳しいスタートとなり、第1節の阪南大に1勝2敗、第2節の大阪工大にも1勝2敗で、まだ勝ち点を挙げていない。6試合を戦って同点からのタイブレークが3試合(1勝2敗)1点差の接戦負けが2試合と、戦力的に劣ることはなく、きっかけさえつかめば、上位進出へ好機は充分あり、地元からの挽回が期待される。
20、21日の試合日程は次の通り。
【20日】①大阪市大―神戸大(午前9時15分~)②大阪工大―阪南大(11時45分~)③和歌山大―奈良学大(午後2時15分~)
【21日】①阪南大―大阪工大(午前9時15分~)②奈良学大―和歌山大(11時45分~)③神戸大―大阪市大(午後2時15分~)
パリ滞在の絵画と映像 土井久幸さん紀行展
海南市大野中の画廊「ビュッフェファイヴ」(堀内俊延社長)で21日まで、企画展「土井久幸〈フランス紀行〉展」が開かれている。風景画3点とスケッチ画約30点に加え、創作活動を記録したDVDが公開され、パリの旅を疑似体験するように楽しめる。
和歌山市出身の画家・土井久幸さんは画材メーカーや画廊の協力の下、昨年8月、フランスで10日間にわたり、住居兼アトリエに滞在。油彩、水彩、クレパス画3作品を制作し、取材風景や創作過程を映像に記録した。
「サンマルタン運河」は、現地の風景をパステルで描写した作品。多くの人が行き交う場所であることを取材し、アトリエに戻り、スケッチや捉えた雰囲気を生かして構図に人物を添え、内容の充実した油彩画に仕上げた。「絵っていいものだなと多くの人に感じてもらいたい」。
同画廊を訪れていた同市の主婦(49)は「作品の空気感が映像からも感じられ、パリに行っているように楽しめました」と笑顔だった。
午前10時から午後6時(最終日は5時)まで。水曜休み。問い合わせは同所(℡073・482・1994)。
移住希望者をつなぐ わかやま空き家バンク
和歌山県外からの移住希望者に「住まい」に関する情報を提供するため、県は2015年度から「わかやま空き家バンク」を設置し、県内への定住推進に取り組んでいる。ウェブサイトもリニューアルし、希望者がより情報を得やすいよう充実を図っている。
「わかやま空き家バンク」は、県内にある空き家を売りたい・貸したい人と、県外からの移住希望者をつなぐ場。両者が登録することで、移住希望者が空き家の情報を得ることができる。
空き家所有者が市町村を通して登録した物件情報を県がホームページ(https://www.wakayamagurashi.jp/category/house/)に掲載し、全国の移住希望者に情報を提供。物件を見たいなどの要望があれば、市町村の担当者が現地を案内し、所有者と希望者の面談を仲介して条件が合えば契約となる仕組み。
運営する県定住支援住宅管理機構(県住宅供給公社内)によると、これまで22市町村で368件の登録があり、うち128件が成立している(3月31日現在)。担当の川上美鈴さんは「空き家を有効活用して地域を元気にしたい。大切なお家に明かりをともしませんか」と話し、登録件数1000件を目指して空き家バンクの利用を呼び掛けている。
空き家バンクのウェブサイトは、移住・定住支援サイト「ワカヤマライフ」内にあり、さまざまな支援施策や地域情報と併せて総合的に情報を得ることができ、検索機能も充実させた。
登録は無料で、家財撤去費や改修工事費、耐震化費用などの補助制度もある。問い合わせは同機構(℡073・425・6885)。
和市で17日に演奏会 米姉妹都市の青少年響
和歌山市の姉妹都市、アメリカのベイカースフィールド市から来県中の青少年交響楽団訪日団が15日、和歌山市役所の尾花正啓市長を訪問した。17日には市内の青少年との合同演奏会が予定されており、一行は市内での滞在の様子や演奏会を楽しみにしていることなどを話した。
両市は姉妹都市として58年にわたる交流があるが、青少年交響楽団が和歌山市に来るのは初めて。13~18歳の青少年と引率者の合わせて93人が13日から18日まで、市内で観光やホームステイなどを楽しんでいる。
市役所にはベイカースフィールド姉妹都市委員会のレジーナ・プライヤー副会長と和歌山委員会のデボラ・バデューゴ共同委員長、楽団メンバーら16人が訪問。レジーナ委員長は「ホストファミリーのもとで過ごした楽団員もとても喜んでいる。コンサートができることを楽しみにしています」と話し、楽団の写真入りの盾を尾花市長に贈った。
尾花市長は「和歌山城や和歌山ラーメンなど滞在中に和歌山を楽しんでもらいたい。演奏会が楽しみです」と歓迎し、来訪の記念に紀州漆器のグラスと紀州てまりを贈った。
一行はその後、城東中学校と伏虎義務教育学校の生徒と交流した。
合同演奏会は17日午後6時から、市民会館大ホールで開かれる。和歌山児童合唱団と市立和歌山高校吹奏楽部が共演する。入場無料。
関心の低さとの戦い 和市議選の各陣営苦心
和歌山市議選(21日投開票)は雨模様の告示日から一転、翌15日は心地よい快晴となった。定数38を争う45人の候補者は、雨の日も晴れの日も変わらず街中を選挙カーで走り、歩き、あるいは立ち止まって演説し、票の獲得に努めているが、市民の関心は低調との見方は強く、各陣営は苦心している。
「選挙の仕方が変わってきた」とつぶやくのはある現職候補。かつては後援会に加入してくれる人も多く、確かな票を見込める組織を強固にできたが、最近は加入を依頼すると「自分が支持するかどうかも分からないのに…」などと言われることもあり、会員数は減っているという。
別の現職候補も選挙カーで走り回り、街頭演説やミニ集会も連日行い、市内各地で地道に自らの名前や実績を訴える。陣営は「街頭に立っていると好感触にも思えるし、それなりに知名度もあるとは思っているが、やはり油断はできない」と気を引き締める。
ある新人候補の事務所では、お願いの電話作戦の声がひっきりなしに聞こえてくる。「自分もスタッフも全員、選挙については素人なので、どうしていいか分からない」と言いつつ、自転車に乗って街に繰り出し、街頭で演説する。
初日、たすきをかけ、のぼりを携えてまちを歩く「桃太郎作戦」を雨の中実行した陣営は、「とにかく顔と名前を有権者に浸透させることが必要」と話し、選挙カーに乗っていても人がいれば降りて握手し、支持者から声が掛かれば少人数でも演説をするなど、有権者に近い距離感で訴えることに積極的に取り組む。
投票率については、複数の陣営から前回に続き40%台にとどまるとの声が聞こえてくる。「演説会に来る人も減った」「街頭に立っても見向きもされない。関心を持ってくれているのかどうかも分からない」など、各候補は「関心の低さ」との戦いも続く。
定数12に13人が立候補 紀美野町議選始まる
任期満了に伴う紀美野町議選が16日に告示され、定数12に対して現職10人、新人3人の計13人が立候補し、前回と同じ1人超の構図で戦いの火ぶたが切られた。初日から、各候補は有権者の支持を求め、選挙カーでの街宣を中心に運動を展開。21日の投開票に向け、いまだ桜が残る山あいの町にお願いコールが響く。
立候補者は党派別に公明1人、共産2人、無所属10人で前回と同じ。午前8時半から町中央公民館で届け出の受け付けが始まり、各陣営の運動員らは手続きを済ませると、「七つ道具」を手に各選挙事務所に走った。
ほとんどの陣営が出陣式を行い、たすきを掛けた候補が集まった支持者らを前に第一声。抱負や政策を力強く訴え、声援を背に選挙カーに乗り込み、街宣へ出発した。
候補が乱立している毛原地区のある陣営は午前10時ごろから出陣式を行い、候補がマイクを握って力強くあいさつ。
各陣営の訴えは共通するものが多く、高齢者が住み慣れた住居で安心して暮らせるよう、食品の移動販売や交通弱者対策、獣害対策などの暮らしやすさの向上を目指す政策、移住促進のための子育て環境の整備などが挙げられている。
地区内の全候補が、地元の食堂が作る地域ならではの山菜を使った手作り弁当を利用するなど、各陣営の支持層のつながりも複雑で、約500世帯の集落の票がどう分かれるかは不透明だ。
町議選は、2006年の野上・美里2町合併後、4回目。当初の16議席から2回続けて2議席ずつ削減し、前々回は定数14に対し2人超過の激戦、前回と今回は定数12を1人超で争う展開となった。
古くからの人脈や交流を大切にする地域であり、人口減少に伴い、票田も縮小傾向にあることが選挙戦の難しさの一つ。移住者や子育て世代の関心をどう高めるか、11日に初めて開催された立候補者政策発表会などが選挙情勢にどのように影響するのかも注目される。
15日現在の有権者数は、男性3671人、女性4385人の計8056人。前回より約600人減少した票の奪い合いに13陣営がしのぎを削る。
4月18日付
和船の展示施設が完成 21日紀伊風土記の丘
和歌山県立紀伊風土記の丘(和歌山市岩橋)で、県指定有形民俗文化財「日高地域の地曳網漁用具および和船」の展示施設の完成記念セレモニーが21日午後1時から行われる。
文化財は紀伊半島沿岸部で行われていた地引き網漁に使われていたもの。和船はアミブネと呼ばれ、2隻が沖合いから左右に分かれて海面に大網を置き、浜辺から網を引いて魚を捕っていた。2007年に文化財に指定され、大型の和船1艘は露天展示していたが、船の老朽化が進み、昨年度から大規模な修理と収蔵施設の建設が進められていた。
施設は旧柳川家住宅と旧谷山家住宅の間に完成。セレモニーではテープカットと祝いの餅まきを行う。その後、学芸員による展示解説も実施する。
問い合わせは同所(℡073・471・6123)。
18・19歳の投票率27・25% 県議選でも低迷
7日に行われた和歌山県議選について、県選挙管理委員会は15日、18、19歳の投票率(抽出調査)を発表。全体の投票率47・01%に対し、18歳は31・73%、19歳は22・90%、合わせても27・25%と低調だった。
市と町村の別でみると、市部は18歳が26・60%、19歳が27・84%、町村部は18歳が35・96%、19歳が18・80%だった。
仁坂吉伸知事は16日、定例記者会見で投票率の低迷について所感を問われ、「とてもいけないことだ。民主主義は自分たちで守ると若い人に意識してもらわないといけない。高校生に主権者教育をしっかりやっていかないと」と話した。
海南駅にジャンボ漆器2点 伝統工芸をPR
紀州漆器協同組合青年部(中西拓士部長)がJR海南駅に駅名の看板とジャンボ丸盆を寄贈した。和歌山県海南市の伝統工芸を市の玄関口で見てもらい、広く知ってもらおうと企画し、駅利用者は足を止めて塗りや蒔絵の美しさに見入っている。
紀州漆器は400年以上の伝統があり、江戸時代には庶民の日用品として使われ、産地の黒江地区は栄えた。しかし、制作に手間がかかることや、戦後の高度経済成長期の頃からプラスチック製の家庭用品が主流となったことなどから職人の数が減少し、技術の継承が課題となっている。
同青年部は20~40代の職人15人ほどが参加し、2016年から、伝統継承の取り組みの一つとして年に数点のジャンボ漆器を制作しており、今回の寄贈もその一環で行った。
ジャンボ丸盆は直径約2㍍、徳川吉宗像が描かれている。1995年に制作され、海南市民交流センター(下津町)に保管されていたが、今回の取り組みで改めて磨きをかけ、欠けのみられる箇所を補修し、再び日の目を見た。
駅名看板は2008年に寄贈された作品に続き二作目。前回は黒地に金文字だったが、今回は朱色の根来塗に黒い文字、四隅に根来塗特有の味わいとされる“かすれ”を施して仕上げた。
中西部長(41)は寄贈した2点を「伝統技術を結集させた代表的な作品」と話し、「塗り物というと輪島、山中塗を挙げる人も多いが、紀州漆器を改めてブランディングし、産地の海南市の知名度を高めていきたい」と力を込めた。
GWは20種類の味を 和歌浦漁港で丼まつり
地元の海産物を販売する「和歌浦漁港おっとっと広場」(和歌山県和歌山市新和歌浦)は、毎年恒例の「丼まつり」を27日から5月6日まで開催する。新鮮な食材の食べ方の提唱と魚食推進を目指して㈱ベイサイド和歌浦が主催し、ことしで7回目。ゴールデンウィークに合わせて10日間の長期イベントとなる。
今回は、だしをかけて味わう「しらす天お茶漬け」(600円)や、タチウオを骨ごとすり身にした有田名産の天ぷら「ほねく」を卵でとじた「ほねく丼」(500円)、紀州うめどりを生青のりの衣で揚げた「うめどり磯辺あげバーガー」(350円)など新メニュー10種類を追加。和歌浦産しらすをたっぷり使った「わかしらす丼」やマグロ、イカ、サーモンを自家製ごまだれであえた「海鮮ごまだれ丼」、丼から具がはみ出る「はみだし海鮮丼」など定番メニューと合わせて20種類を販売する。
新メニューの「カツオのぶっかけ素麺」は3~5日の限定販売。午前10時から午後2時までで、なくなり次第終了。3~5日には午後4時から9時まで夜の和歌浦を楽しむ「和歌の夜市」を同所で開催。
同所の澤口雄正館長は「ことしは長期間の開催。各店舗最高を目指してスタッフ一同で頑張るので、昼・夜の和歌浦を楽しんでもらいたい」と話している。
問い合わせは同所(℡073・446・3308)。
まちに必要なものは? 和市議選の政策多様
和歌山市議選は後半戦に入り、21日の投票日まであと3日となった。街頭での訴え、個人演説会での熱弁、まちを歩いて一人ひとりと会っての売り込みなど、さまざまな方法で活動する45人の候補者の公約は多彩。終盤に向けてまだまだ加熱しそうな政策の訴えを紹介する。
昨年の台風21号や大阪北部地震の被害を受け、災害対策、浸水対策の必要性を訴える候補は多い。「災害に強いまちづくり」と一口に言っても、河川の氾濫や津波、空き家やブロック塀の倒壊など被害を防ぐハード面からの整備もあれば、あるいは地域ぐるみで避難するための自助・共助を促進するネットワーク構築といったソフト面の整備もあり、取り組み方は多種多様だ。
少子高齢化、人口流出に対しては、前回選挙からの4年間で増えた大学への呼び込みなど若者の定住促進、増えた空き家などを活用した地域交流拠点の設置など、地域にあるものをフルに生かそうとする提案の他、企業誘致、産業振興に伴う雇用の創出を図る提案もある。
子育て世代の候補者からは、子どもを育てやすく、働きやすい環境づくりを目指す訴えが目立つ。他にも、スポーツ施設の整備、学力向上、文化財の保護・振興など教育的側面のある政策や、地域ブランディング、和歌山城をはじめとした観光地の整備といった積極的な観光開発に乗り出す訴えをする候補も多い。
現職はこれまでの実績や活動を中心に、新人は地域の発展に必要と考える新たな提案などを力強く訴えている。
今の和歌山市に最も求めるもの、必要なものは何か、有権者は各候補の訴えをどのように見極めるのか。
当選ライン400票巡り攻防 紀美野町議選
1人超の選挙戦が繰り広げられている紀美野町議選(定数12)は、21日の投開票へ向けて早くも中盤。町民も候補も高齢化が進み、世代交代の必要性を訴える声も聞こえる中、現職10人、新人3人の各陣営の戦いは、当選ラインとみられる400票台を焦点に、熱気を増している。
今回と同じ定数12に現職11人、元職1人、新人1人の13人が立候補した前回は、トップが700票台を獲得。以下600票台が1人、500票台が4人、400票台が3人と続き、当選者の最下位は374票、現職1人が307票で次点だった。
構図がほぼ同じの今回の有権者数は、15日現在で8056人と、前回当日の8567人から約500人減少。投票率(前回74・06%)に大きな変動がなければ、1人当たりの平均獲得票数は微減にとどまり、上位・下位への偏りを考慮すると、今回も当選を確実にするには400票程度が必要とみられる。
ただ、今回出馬していない前回のトップ当選者と、前回落選した現職の票の行方が読みづらく、町民の高齢化により投票者数が減少する可能性もあり、当選ラインは下がるとの見方もある。
前半戦は各陣営とも街宣活動を中心に運動を展開。候補者本人がマイクを握っての演説、選挙カーを降りての有権者とのふれあいなどで一層の支持拡大を図っており、ほとんどの現職陣営は「前回票のキープ、上乗せ」、新人は「1票でも多く」と、400票以上の得票を目標に、熱い戦いを繰り広げている。
町議選の期日前投票は、17日に動木の役場本庁で始まり、初日は正午までに114人が済ませた。20日までの午前8時半から午後8時まで受け付けている。
4月19日付
和歌山城で26日ショー チェーンソーアート
海南市別所の雨の森陶芸の里でこのほど、チェーンソーアーティスト・内藤済(わたる)さん指導のもと体験会が行われ、8人が思い思いに作品を仕上げた。
チェーンソーアートは、チェーンソーを使い、1本の原木から動物などの形に削り上げていく。この日はスギを使って挑戦し、個性豊かなフクロウを形づくった。
内藤さん率いるチームは、1月4日にテレビ東京系で放送された「TVチャンピオン極~豪快!ログハウス王選手権」で優勝。26日には和歌山城西の丸広場で、内藤さんらによるカービングショーが開かれる。
内藤さんの妻が和歌山市出身であることが縁で実現。内藤さんと中村政人さん、松田玲さんの3人が約45分の時間内に、動物やベンチなどを削り上げる。何が出来上がるかは当日のお楽しみ。
協賛する雨の森陶芸の里では「体験会は参加者全員が初心者でしたが、『基調な体験』と大好評でした。作品が仕上がるスピードと迫力のパフォーマンスが魅力。ぜひ豪快なチェーンソーさばきを間近で体感して」と呼び掛けている。
午前10時半、午後0時半、2時半からの3回。観覧無料。問い合わせは大岡さん(℡090・8936・7174)。
県内は347小中で一斉に 全国学力テスト
文部科学省による2019年度の全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)が18日、全国の小中学校で行われた。
全国の児童生徒の学力や学習状況を把握・分析し、教育指導や学習状況を改善するために実施。全国の小学6年生と中学3年生を対象に行われ、小学生は国語と算数、中学生は国語と数学、英語の各科目で基本知識や知識を活用する問題が出された。
県内では公立小学校230校、中学校117校を対象に実施。和歌山市立吹上小学校(柏野貴之校長)では6年生38人が試験を受けた。児童は解答用紙の記入方法について説明を聞き、問題用紙を受け取って試験の開始を待った。
問題の解説は18日午後5時以降に国立教育政策研究所のホームページに掲載される予定。
新しい時を刻む 信愛大に島氏が時計塔寄贈
今月開学した和歌山信愛大学(和歌山市住吉町、森田登志子学長)に㈱島精機製作所(同市坂田)の島正博会長から時計塔が贈られ、17日に除幕式が行われた。
改元を前に誕生した新しい大学のスタートを祝い、島会長が寄贈したもの。高さ5・1㍍の電波時計で、3方向に文字盤が設置されている。
式典には学生や教職員を含む約40人が出席。森田学長は「皆さんの成長を刻む時計塔を造ってくれたことに感謝したい」とあいさつ。感謝状と花束を受け取った島会長は「若いうちからいろいろなことを学び、新しい日本と和歌山をつくるために頑張ってもらいたい」と学生にエールを送った。
花束を手渡した教育学部子ども教育学科1年の栗山すみれさん(19)は「1期生という最初の学生なので、時計塔と同じく新しい気持ちで頑張っていきたいと思います」と話していた。
お城や和歌浦を生かし 和市議選の観光政策
和歌山市議選(21日投開票)で多くの候補者が訴えている政策のポイントの一つに「観光」がある。市内の宿泊者数は昨年、過去最高を記録し、日帰り観光客も増加傾向にある。これまでは白浜や高野山に行く観光客に素通りされることが多いといわれてきた市にも、目を向ける人が増え始めており、地域振興において観光を重視する考えは、多くの候補に共通する。
和歌浦地区はかつて、日本初の屋外展望エレベーターが設置された奠供山(てんぐやま)や遊園地などを擁し、一大観光地として観光客が急増したが、交通の発展と反比例するように衰退していった。しかし、近年は美しい景観などを見直す動きが進み、2017年には日本遺産に認定され、再び観光地として復活しようとしている。
市のシンボルともいえる和歌山城をはじめ、文化財や史跡の活用を考える候補も多い。昨年の豪雨による石垣の崩落や、耐震性の対策が必要とされる天守閣など心配な要素もあるが、和歌山城公園内は外国人のツアー客らが散策する姿が当たり前になり、桜の季節には県外からの花見客も多い。
和歌浦の観光発信を掲げる候補は、道路の美装化や歴史的景観の維持、整備で魅力に磨きをかけるとし、雑賀崎などの海を生かしたダイビングなどのアクティビティーで誘客を考える候補もいる。
和歌山城は中心市街地にあることから、観光振興の拠点と位置づける候補もいれば、観光の前に文化財、史跡の保全、整備を求める候補もいる。
ターゲットもさまざまで、インバウンドの外国人観光客のさらなる誘致、療養を兼ねた医療観光の振興などの訴えがある一方、観光開発の前に、高齢者や障害者を含め市民が過ごしやすいまちづくりから始めるべきと主張する候補もいる。
観光振興は、交流人口の増加や経済の活性化が見込めるが、観光客のマナーの問題や観光資源の毀損などが深刻な課題となっている観光名所も全国各地にあり、和歌山市の現状と課題にマッチした観光の在り方が重要になる。各候補の訴えの違いにも注目したい。
世代交代を期待か 高齢化進む紀美野町議選
定数12に対し現職10、新人3の計13人が立候補している紀美野町議選も後半戦に突入。告示前に初めて立候補者政策発表会が開かれるなど、変化を求め、世代交代の必要性を訴える声も聞こえる中、危機感を感じるベテラン現職も多く、路地や山里の奥へと足を運び、支持を訴えている。
同町は「何もない」をキャッチフレーズに、美しい星空や広大な高原など、豊かな自然を魅力に観光客の人気を集め、会社を退職した人や子育て世代の移住を積極的に受け入れている。
町の重要な課題の一つは、風光明媚(めいび)な山里での暮らしやすさの向上であり、高齢化が進む古くからの住民は医療や移動の支援、移住者や若い世代は仕事や教育環境の支援などへの関心が高いとみられる。政策発表会では、こうした課題についてはおおむね共通の認識がみられたが、町議会については、定数の削減や世代交代の是非を巡って争点があることが明らかになった。
ある陣営は、政策発表会は選挙情勢にあまり影響をもたらさないのではないかと話す一方で、候補者の政策を一度に聞く機会が得られたことで、知名度にこだわらず、相対的に若い世代の新人に期待をかける傾向が出るかもしれないと考える陣営もある。
投票率については、前回の74・06%と同程度かやや下がるとの見方が強い。ある現職は、支援者から高齢を理由に「投票所へはよう行かん」との声を聞くことがあるという。3月末時点で65歳以上が人口の45・8%を占め、加速する町の高齢化は切実な課題となっている。
古くからの人脈や情を大切にする住民が多いといわれる町。候補が乱立する地区では票がどう分かれるのか、今回出馬していない現職の票などの流れについては口を閉ざす陣営が多く、選挙戦終盤も不透明な情勢は続きそうだ。
◇
期日前投票は、18日午前までに432人が済ませた。20日までの午前8時半~午後8時に役場本庁で受け付けている。