4月7日付
車椅子を寄贈 西岡総合印刷が紀美野町に
印刷ネット通販サイト運営や、パンフレット・チラシなどの企画を手掛ける㈱西岡総合印刷(和歌山市吹屋町、石橋英二社長)は4日、紀美野町役場に車椅子3台を寄贈した。
㈱紀陽銀行(同市本町、松岡靖之頭取)が、私募債を発行する企業から受け取る手数料の一部を、企業の希望に応じて地域貢献のための寄贈に充てる「紀陽CSR私募債」事業の一環。同行によると、2016年6月から始まった事業の受託実績は、3月末現在で360件に上るという。
同社は1932年、同町で創業。73年に和歌山市に本社を移し、コンピューターや電子システムを駆使した印刷技術で事業を展開している。
創業者の息子である西岡健治会長(85)が現在同町に住んでおり、創業地の社会福祉に貢献したいと、車椅子3台の寄贈を決めた。寄贈品は役場を訪れた町民の庁舎内の移動に役立てられる。
贈呈式は町長室であり、西岡会長や石橋英二社長(57)、管理統括部の石橋みゆきさん、同行東和歌山支店の溝渕栄支店長らが出席。石橋社長が寺本町長に目録を手渡した。
西岡会長は、自身の健康の秘訣(ひけつ)はゴルフとし「紀美野は近くにゴルフ場が多くありがたい。パークゴルフも始めてみたい」と町の魅力を話し、寺本町長は「長年の農作業で足腰を痛めている高齢者も多い。石橋会長にあやかって生き生きと過ごしてほしい」と謝辞を述べた。
石橋社長は「遠慮なく使っていただき、お役に立てたらうれしいです」と話していた。
夢や目標へ一歩 和歌山大に1210人が入学
和歌山大学(和歌山市栄谷)の本年度入学式が5日、伝法橋南ノ丁の市民会館であり、大学院への進学者を含め1210人が入学した。
伊東千尋学長は式辞で「入学おめでとう」と祝福の言葉を贈った上で、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の普及や人工知能(AI)の性能向上などの動きにふれ、「人が人としてなすべきことは何かを考え直さなければならない時代を迎えつつある」と強調。「変わっていく社会や学問への寛容さと好奇心を持ち続け、自らを変えていくこと、チャレンジすることを恐れない人になってください」と呼び掛けた。
新入生代表による宣誓の後、全員で学歌を合唱。式典後、新入生らは友人らと記念撮影して入学を喜び合い、履修したい授業や入りたい部活・サークルの話に花を咲かせていた。
大学院システム工学研究科修士課程に入学した澤田真さん(22)は「学部で取り組んだロボットの研究をさらに深化させ、エンジニアを目指して研究に打ち込みます」と決意をみなぎらせていた。
難民支援で看護師 日赤がバングラへ派遣
ミャンマー西部のラカイン州で暴力行為が相次ぎ、隣接するバングラデシュに70万人以上が避難している問題で、日赤和歌山医療センター(和歌山市小松原通)は、難民キャンプでの保健医療支援のため、新たに平田こずえ看護師(46)の派遣を決め、5日に現地に向けて出発した。
同センターは2017年9月から、同国の難民支援活動にあたり、平田さんを含めて延べ15人の医師や看護師、事務管理要員らを現地に派遣。平田さんはこれまで、フィリピンやハイチ、ウガンダなどでコレラの救援や母子保健の支援などに従事した経験があり、今回が6カ国目の派遣となる。
活動は6月下旬までの約3カ月間で、バングラデシュ南部のコックスバザールを拠点に、同国赤新月社の現地スタッフによる診療所の運営管理、感染症対策や自然災害時の救急などにあたるボランティアに対する教育などに従事する。難民キャンプの890世帯が対象となる。
現地では水痘(水疱瘡)の流行がみられる他、雨季やサイクロンの発生期が近づき、土砂災害などへの備えも重要になっているという。
同センターエントランスホールで出発式が行われ、中大輔国際医療救援部長は「赤十字は国境や宗教、人種を超えて人々の健康と尊厳を守るために活動してきた。日赤和歌山の代表として、体に気を付けて頑張ってほしい」と激励。平田さんは「難民は長く先行きが見えない避難生活で疲れており、支援が必要。受け入れているバングラデシュも人口過密状態で大きなストレスを抱えており、配慮が大切になる。和歌山で培った経験を生かし、思いやりのある支援に取り組む」と決意を話した。
平田さんは職員に見送られて出発し、5日夜に羽田空港から現地に向かった。
スターティアが進出 県、和市と協定調印
中小企業をメインターゲットにITサービスのサポート事業を展開するスターティア㈱(東京都新宿区、笠井充社長)が、和歌山市に「(仮称)和歌山コンタクトセンター」を新設することが決まり、5日、和歌山県庁知事室で県、市との進出協定の調印式が行われた。
同社は、ビジネスフォンや複合印刷機、OA機器の提供や保守の他、ネットワーク環境の構築、セキュリティー対策など、オフィスのITインフラをトータルで提供、サポートしている。従業員は430人(2018年3月末現在)、18年3月期の連結売上高は110億5800万円。
IT関連では、電話でのサポート対応を行わない企業も増える中、同社は電話や訪問対応を続けている。新設するコンタクトセンターは、顧客から寄せられるサポートの相談電話に対応する業務を基本にスタートし、数年中には他の業務を含む事業拠点に発展させることを視野に入れているという。
設置場所は同市吉田の和歌山プラザビル3階(239・89平方㍍)で、3年間で正社員28人(うち転入者2人)を雇用し、6月上旬の操業を予定している。
調印式では、笠井社長と仁坂吉伸知事、尾花正啓市長が協定書に署名。海南市出身の笠井社長は「和歌山県、和歌山市と企業の力を合わせて、出身地の地域活性化と雇用の創出に貢献したい」と話し、仁坂知事は「時代の最先端を進む素晴らしい企業に来ていただき、うれしい。県と市でサポートしていきたい」、尾花市長は「全国展開の中で和歌山市を拠点の一つに選んでいただき、ありがたい。業務拡大を切に願っている」と期待を寄せた。
3人は、協定書と同社キャラクター「ビジ助」を手に、記念撮影した。
インフラの早期復旧へ 県が2社と協定
暴風雨などの災害により大規模な停電や通信障害が発生する事態に備え、県は4日、関西電力㈱、西日本電信電話㈱(NTT西日本)のそれぞれと、早期復旧の妨げになる倒木や土砂の撤去など必要な支援を行う協定を締結した。両社とも自治体と結ぶ初めての内容の協定となっており、全国的にも珍しいという。
協定のきっかけは昨年9月の台風21号による被害。暴風雨で倒木や電柱の損壊、通信ケーブルや家庭への引き込み線の切断などが広範囲で発生し、和歌山県内の停電は34万5000戸で最長12日間、固定回線の通信障害は4400回線で最長26日間に及び、県民の生活に大きな影響が出た。
復旧に時間がかかった要因には、倒木や土砂などの障害物のために、停電や通信障害の発生現場に行き着くのが困難だったことがある。
電力設備に寄り掛かるなどした樹木の伐採は電力会社が行うなど、障害物の除去はインフラ事業者の責任で行う場合が多いが、今回の協定により、両社が復旧要員を派遣するのが困難な場合には県に依頼し、県が樹木伐採など障害物の除去を行う。市町村道に障害物がある場合も、県が市町村に業者の選定や助言などを行うとし、早期復旧に協力する。
協定締結式は県庁知事室であり、仁坂吉伸知事と関西電力の岩根茂樹社長、NTT西日本の小林充佳社長が出席し、協定書に調印した。
仁坂知事は「災害時に県民のために頑張る際、やってはいけないのが『これは私の仕事じゃない』と言うこと。和歌山には山間部に電線や通信線が多くある。昨年の台風の反省を踏まえ、復旧を早めるために県が助けに行く」と述べ、岩根社長は「県と一体になって早期復旧の体制を整えることができ、協定は極めて意義深い」、小林社長は「全国でもあまり例のない協定で、災害対応力を強化できるのはありがたく、大変心強い」と話した。
県政の激戦きょう投票 深夜に大勢判明
統一地方選前半戦の和歌山県議選は7日、投票が行われ、即日開票される。全14選挙区のうち7区14議席がすでに無投票で決まっており、同日深夜に残る7区28議席の大勢が判明する。本紙エリアは和歌山市(定数15―候補18)、海南市・海草郡(3―4)、岩出市(2―4)で激戦が展開され、どの候補が県民の代表に選ばれるのか、有権者の判断が注目される。
和歌山市は現職15人全員が立候補し、元市議の3新人が切り崩しを狙う。党派別では、自民が現職6、国民民主が現職1、公明が現職3、共産が現職1、新人1、維新が新人1、無所属が現職4、新人1となっている。
自民は現職6氏の公認に加え、無所属新人1氏を推薦。公明は現職3氏の議席確保を図る。国民民主は前回民主党で当選した現職の議席維持を目指し、共産は1増の2議席を獲得できるかどうかが焦点。維新は、市議から転戦の新人が当選を目指す。無所属では現職3人が当選3回以上のベテラン。各陣営は最終盤まで激しい票の争奪戦を繰り広げた。
海南市・海草郡の立候補者は届け出順に、自民現職の尾崎要二(66)=8期=、無所属新人の中西徹(46)、自民現職の藤山将材(43)=4期=、共産新人の河野敬二(69)の4氏。公明が自民2氏を推薦している。
過去3回は自民2、共産1で議席を分け合ってきた選挙区だが、今回は海南市議4期連続トップ当選の中西候補の出馬により、従来とは戦いの構図が一変。保守分裂の様相となり、自民の尾崎、藤山両候補の陣営は危機感を隠さない。引退する現職の地盤を継ぐ共産の河野候補の陣営も、構図の変化による影響はあるとしている。
岩出市の立候補者は届け出順に、国民民主新人の坂田隆徳(39)、無所属新人の内海洋一(60)、自民現職の川畑哲哉(41)、自民新人の北山慎一(44)の4氏。過去3回続いた自民系の議席独占を止めようと、野党系2人が出馬した。
自民は唯一の現職、川畑候補と石田真敏総務大臣の元秘書、北山候補で2議席維持を図る。前回衆院選で石田氏と戦った坂田候補は、国民民主の議席増に向け、自民の切り崩しに取り組んできた。自由党県連代表ながら、野党結集を掲げて無所属で出馬した内海候補は、自由、社民両党の推薦、共産の支援を受けるが、国民民主と競合し、野党分裂の選挙となっている。
今回の統一地方選では、国政選挙で行われてきた選挙運動用ビラの配布が解禁され、支持拡大の新たな方法として活用された。各陣営は証紙を貼った1万6000枚を街頭で手渡したり、新聞に折り込んだりした。
各市町村選挙管理委員会は6日、投票所の設営などを済ませ、投開票を待つばかりとなった。和歌山市の大新小学校体育館でも市職員が記入台や投票箱などを設置した。
投票は7日午前7時~午後8時、県内456カ所(うち319カ所は閉所時間を繰り上げ)で受け付ける。開票は午後8時から各市町村の開票所で順次行い、最も遅い和歌山市は県立体育館で9時半に開始し、11時20分ごろ終了の予定となっている。
200年受け継ぐ「だんじり」
前号では、和歌山城と時を同じくして竣工した、岸和田城天守の歴史を取り上げた。明治維新を迎えるまで13代にわたりこの地を統治し、地域を発展させた岡部氏ならではの奇策がある。
岸和田といえば「だんじり」。毎年9月、城下で行われ、山車の一種である地車(だんじり)に付けられた長さ100㍍程度の2本の綱を500人程度で曳行し、街中を疾走する勇壮なお祭り。地車を方向転換させる「やりまわし」や、和太鼓と鉦、篠笛が奏でるおはやしが特徴。岸和田市出身の知人がいらっしゃる方であればご存じだろう。祭りの時期になるとそわそわし始めこの話題で持ち切りになる。そこまで彼らの気持ちを高揚させる地域愛はどこにあるのか。
「だんじり」は、元禄16年(1703)、岸和田藩2代藩主の岡部長泰(おかべ・ながやす)が伏見稲荷大社を城内の三の丸に設け、五穀豊穣を祈願した稲荷祭が起源であるとされる。長泰は城下の庶民にこの稲荷祭への参詣を許し、山車の周囲で町民らが藩主の前で、にわか芸や神楽を踊るなど賑やかな催事を行ったことが始まりであるとされる。
独特であるのが、当時の藩政に基づき構成した社会的紐帯(町や字などの地域単位)である「町会」と呼ばれる組織が現代にも残り、それぞれが地車を所有し曳行すること。
この町会が22あり、さらに「岸和田地車祭禮年番」という運営組織が祭りを取り仕切る。これらの制度は200年以上変わらず継続し、町会では年齢に応じたピラミッド型の組織を構成。若年からこの組織に入り地域の先輩と共に、祭りの成功という共通の目標を持ち関係を深め、歳を重ねていく。
町会による地域内の結束力の強さ、人と人、人と町とのつながりが地域愛を育むのだろう。
(次田尚弘/岸和田市)
海南・海草は保守3人 岩出は自民が2議席
和歌山県議選の海南市・海草郡(定数3)は、海南市議から転戦した無所属新人の中西徹さん(46)が初当選を果たし、自民現職の尾崎要二さん(66)と藤山将材さん(43)が議席を守り、共産が議席を失った。岩出市(定数2)は自民現職の川畑哲哉さん(41)、同新人の北山慎一さん(44)が当選し、自民の議席独占を維持した。
海南市・海草郡は過去3回、自民2、共産1で議席を分け合ってきたが、今回は海南市議4期連続トップ当選の中西さんが出馬したことで構図が一変し、地域や年齢層で一定のすみ分けがなされてきた保守層を中心に支持の争奪戦が激化。票の行方が読みにくい選挙となったが、中西さんが藤山さんを上回る得票で2位に入り、引退する現職の後継として立った共産新人の河野敬二さん(69)は党が長く維持してきた議席を守れなかった。
岩出市は、過去3回続いた自民系の議席独占を阻止しようと、国民民主の坂田隆徳さん(39)、無所属の内海洋一さん(60)の野党系新人2人が出馬した。
自民はトップの川畑さんに続き、石田真敏総務大臣の元秘書、北山さんが2議席目を確保。前回衆院選で石田氏に敗れた坂田さんは、再び自民に阻まれた。
内海さんは自由党県連代表ながら無所属で出馬。自由、社民の推薦、共産の支援を受けたが、野党分裂の戦いとなり、及ばなかった。
新県議42人決まる 県都は自公が議席を維持
統一地方選前半戦の和歌山県議選は7日、全14選挙区のうち無投票を除く7区28議席の投開票が行われ、新県議42人の顔ぶれが決まった。今夏の参院選を見据え、与野党が激戦を展開した選挙区も多く、当選者は党派別に、自民25人▽立憲民主1人▽国民民主1人▽公明3人▽共産4人▽日本維新の会1人▽無所属7人――となった。共産が御坊市で自民との一騎打ちを制するなど2議席増の躍進で、自民は議席を減らした。
和歌山市は定数15を18人が争った。現職15人全員が立候補し、3新人は全て元市議で一定の地盤を持つという構図は、激しい支持の争奪戦を招き、票の行方が読みにくいと多くの陣営が口をそろえる混戦となった。
議席を獲得したのは党派別に、自民6▽国民民主1▽公明3▽共産1▽維新1▽無所属3――。
自民は現職6人全員が議席を守ったが、推薦した無所属新人は及ばず、議席増はならなかった。現職では同選挙区最年長の井出益弘さん(72)が、全県で最多となる10回目の当選を果たした。
強さが目立ったのは公明。岩井弘次さん(61)が8499票でトップ当選を果たし、前々回、前回に続く上位3位独占こそ逃したものの、現有3議席を維持。有権者を巻き込む大きな争点に乏しい低調ムードの中、今回も強固な支持基盤を背景に、安定した戦いを展開した。
国民民主は、前回民主党で当選した党県連幹事長の浦口高典さん(64)が1議席を死守した。
前々回に失った1議席を回復できるかが焦点だった共産は、現職の奥村規子さん(67)が議席を維持したが、市議から転戦の新人、松坂美知子さん(62)が及ばなかった。
維新は、維新の党時代の前回に得た議席がその後無所属となったことを受け、改めて元市議の林隆一さん(56)が挑み、再び1議席を獲得した。
無所属は現職4人のうち3人が議席を守った。
【投票率は47.01%】
県議選の開票作業は7選挙区19市町村の開票所で7日深夜まで行われた。投票率は県全体で47・01%で、過去最低だった前回の48・11%をさらに下回った。
男女別では男性46・77%(前回47・79%)、女性47・21%(同48・40%)。本紙エリア各市町は、和歌山市41・43%(同43・71%)、海南市51・85%(同49・93%)、紀美野町62・00%(同61・39%)、岩出市36・57%(同38・63%)。
期日前投票は、和歌山市4万7244人、海南市7902人、紀美野町1823人、岩出市4501人で、県全体は前回比1・39倍の9万1737人だった。
4月8日付
思いこもった郵便物を供養 紀三井寺で法要
宛て名や差出人の記載が不十分などの理由で配達できなかった郵便物などを供養する「文供養会」が6日、和歌山県和歌山市の紀三井寺で行われた。
文塚供養奉賛会(島本敏夫会長)が主催。1967年に迷い子郵便供養会として始まり、94年からは受け取り人のところに届いた郵便物の中で、特に思い入れがあるものも一緒に供養することとし、名称を「文供養会」としている。ことしは事前に約1500通の郵便物が寄せられたという。
同寺の前田泰道貫主を導師に、境内の石碑「文塚」の前で法要を実施。祭主を務めた島本会長は年賀状を出す人が減っている現状にふれ、「元日に自分の思いを形にして伝える文化が少しずつ失われている」と残念そうな表情で語り、「いろいろな思いを届けてくれた手紙に感謝し、人の心をつなぎ安らげる手段として郵便が利用されることを切に願う」と話した。
日本郵便㈱が昨年度実施した「第51回手紙作文コンクール」の絵手紙部門で日本郵便賞を受賞した小畑優季さん(県立和歌山北高卒)が「たくさんの手紙が桜の木の下で安らかに眠ることをお祈りします」との供養文を読み上げた。
僧侶らが般若心経を唱える中、郵政関係者らが持参した郵便物を火の中に入れる「おたき上げ」が行われた。
麦の郷で地域交流 西和佐地区恒例の春祭り
社会福祉法人一麦会「麦の郷」が、運営する施設の利用者やスタッフと地元住民らが交流を深める「第23回西和佐地区社会福祉協議会と麦の郷春祭り」が6日、和歌山県和歌山市栗栖の西和佐小学校体育館で開かれた。参加者はハワイアンフラやちんどんの発表などを楽しんだ。
一麦会と西和佐地区社会福祉協議会が共催。精神に障害がある人が地域住民とふれあい、互いに理解を深めようと開いている。
この日は同地区の民生委員らがハワイアンフラを披露し、同会が運営する障害者就労継続支援B型事業所の利用者とスタッフ約10人で構成するちんどんグループ「ポズック楽団」も登場。にぎやかな音楽が流れる中、メンバーらが飛び跳ねたり、回転したりして集まった地域住民らが沸く場面もあった。サックスや太鼓、ベースなどちんどんを構成する楽器が一つひとつ紹介され、演奏するスタッフの自己紹介も行われ、歓声が上がった。
会場では、抹茶やパン、ちらしずしなどが振る舞われた他、ビンゴ大会やよさこい踊りの披露なども行われた。
情熱込めた意欲作 10日まで名草写友クラブ
名草写友クラブ(田中和已会長)の第24回展が10日まで、和歌山県和歌山市宇須のギャラリー花畑で開かれている。
名草地区に住むメンバーを中心に結成されたグループで、講師を務める花畑重靖さんと会員10人が組写真を含め40点を出品。自然風景や近代造形、街、歳時記、スナップなどで、県展の入賞・入選、マスターズへの出品作も並ぶ。
作品は、下から仰ぎ見る大胆な構図で捉えた光線や曲線の美しい都会の造形、和歌浦の朝日を浴びて飛び立つ水鳥、街の一こまを窓枠のように印象的に切り撮ったものなど。
沖縄で由布島と西表島の間を渡る水牛車を写した鍋嶋良一さん(79)は「年齢を重ねても写真への情熱は尽きません。良い仲間で刺激を受けますね」とにっこり。
街角のユニークなスナップを写した北野章次さん(87)は「ジャンルもさまざま。意欲のあるメンバーで、個人の持ち味が出た作品を楽しんでもらいたいです」と話している。
午前10時から午後5時(最終日は4時)まで。問い合わせは同ギャラリー(℡073・435・3615)。
地域の防災力強化へ貢献 近大に消防団結成
近畿大学生物理工学部(和歌山県紀の川市)の学生らによる消防団が結成されることになり、4日に同大で記念式典と初訓練が行われた。
全国的に消防団員が減少する中、大学構内や周辺地域での消防活動に取り組んでもらおうと、昨年6月から大学が学生や職員に参加を呼び掛け、13人(男子学生6人、男性職員7人)で「近畿大学消防団」が結成されることになった。今後は消防署や警察と連携し、防災活動を行う。
結成式で井尻智久市消防団長は全国の消防団員が年約5000人のペースで減っているとし、「危機的な状況だ」と強調。同大消防団の結成に「感無量だ。学生と職員の皆さんの混成も素晴らしい。全面的にサポートするので心配せず活動してください」と呼び掛けた。
梶山慎一郎学部長は「根来断層に近く、大学までの道路のアクセスも良くない」と話し、災害時に救援の到着まで時間がかかる可能性があることにふれ、「(先輩団員の皆さんに)アドバイスを頂きながらキャンパス周辺の防災に取り組んでほしい」と期待を寄せた。
団員を代表し、大学院生物理工学研究科博士課程3年の十川太輔さん(27)が井尻消防団長から辞令を受け取った。キャンパスの広場では市消防団から消防ポンプや発電機、救助工具、車両などが貸与され、学生らは団員のアドバイスを受けながらホースを使った放水訓練を体験した。
積極的にボランティアに取り組んでいるという十川さんは「大学から声を掛けられてすぐに決めました。訓練には毎回必ず参加し、いざというときに手助けができる存在になりたいです」と話していた。
4月10日付
仮想通貨で特殊詐欺 和市50代が27万円被害
和歌山西署は8日、和歌山県和歌山市内の50歳代の男性が、仮想通貨をだまし取られる特殊詐欺事件が発生したと発表した。
同署によると、2月12日、男性の携帯電話に「仮想通貨売買システムが完成し、販売している。購入はメールが届いた人限定」などの内容のメールが届いた。その後、商事会社を名乗る男から電話で「仮想通貨売買システムの購入権獲得メールが届いていませんか。その権利を入手したいので譲ってほしい。1台購入につき10万円を謝礼として支払う」と持ち掛けられ、男性は承諾した。
しかし、メールを送信してきた会社の男から電話があり、「名義貸しは犯罪。一番安い仮想通貨システムを購入してくれたら裁判沙汰にはしない」などと言われ、「コインチェックで代金27万円をビットコインに換金の上、送金するように」と指示されたため、男性は同15日に27万円相当のビットコインの購入手続きをし、同16日に指定先へ送信した。
その後、相手と連絡が取れなくなったことから、今月8日に同署へ届け出た。
護摩祈祷と尺八演奏 粉河の長壽寺で観桜会
和歌山県紀の川市粉河の慈眼山長壽寺(佐々木玄峯住職)で4日、毎年恒例の観桜会があり、僧侶による護摩祈祷や尺八の演奏などが行われた。
真言宗山階派に属する同寺は約30年にわたり住職不在となっていたが、2013年に東京都内の同じ山階派の寺で住職を務める佐々木さんが兼務することになり、草木が生い茂っていた敷地内を僧侶仲間らと整備。石畳を敷き、芝桜も植えた。敷地内にある吉野桜が満開となる時期に観桜会を開くようになり、今回が5回目。
この日は午後7時ごろに佐々木住職をはじめ山伏姿の僧侶らがほら貝を吹きながら集まり、太鼓の音が響く中、般若心境を読経。毎年この日限定で本堂に安置される飯縄(いづな)大権現の像も現れた。僧侶らは「南無飯縄大権現」と唱えた他、地域住民らの家内安全や商売繁盛などを祈った。
佐々木住職は桜が夜空に映える景色を眺めながら「初めてこの寺に来た時は荒れ果ててしまいジャングルのようだったが、今は桜も庭もものすごくきれいでまるで京都のようだ」と感慨深げに話し、地元住民らを前に、「つらい悩みも良いことも本尊の阿弥陀如来様に報告していただけたら」と呼び掛けた。
祈祷の後は尺八奏者で大阪芸術大学講師の泉川獅道さんによる演奏が行われ、中島みゆきの「糸」や美空ひばりの「川の流れのように」など約10曲を次々に奏で、訪れた人たちから大きな拍手が起こっていた。
元気いっぱい1年生 各地の公立小で入学式
和歌山県和歌山市内などの公立小学校で9日、入学式が行われ、市立山口小学校(里、岡本晶彦校長)では昨年度より約20人増えた新1年生が入学し、在校生200人が出迎えた。
岡本校長は1年生に「幼稚園、保育所では年長さんとしてみんなのお世話や、お掃除といろいろなことができるようになりました。小学校でも続けて頑張ってください」と呼び掛け、在校生を代表して6年生の岸野蓮君が「皆さんの入学をわくわくして待っていました。山口小学校のお兄さんお姉さんは明るくて元気いっぱいです。困っていたら声を掛けてください」と1年生を歓迎した。
新入生紹介では、担任の教員が1年生の名前を呼び、児童は「はい!」と元気に答えていた。
本紙エリアでは和歌山市で2793人、岩出市で475人、紀の川市で475人、海南市で349人、紀美野町で43人の新1年生が入学した。
梅風味の創作和菓子「令和」 紫香庵で人気
新元号「令和」にちなんだ創作和菓子を、和歌山県和歌山市七番丁の紫香庵(須賀良知社長)が販売している。やわらかい求肥で梅風味のあんを包んだ丸い薄桃色の饅頭で、2日から店頭に並べたところ、茶席や祝い事にぴったりと、まとまった注文が続いている。
須賀社長は、1日の新元号発表後、約3時間でアイデアを練り上げた。元号の出典の万葉集に記されている梅の花を愛でる宴から、春風がそよぐ様子を思い浮かべ、日本的な優しい心を丸い形と薄桃色で表現した。さらに金箔をあしらってめでたさを加え、子どもにも好まれるよう、梅風味のあんはほのかな香りに仕上げた。
「『心で考えると自然と一体になれる』との茶道の先生の教えに沿って菓子を作っています」と話す須賀社長。「新しい時代は、他を尊重する日本の素晴らしさがもっと注目されたら」と期待を込めている。
創作和菓子「令和」は1個205円(税込み)。
問い合わせは同店(℡073・426・3250)。