和歌山市議会は2月28日、代表質問を行い、5会派の代表が尾花正啓市長に市政運営や課題についてただした。
至政クラブの吉本昌純議員は、2025年の大阪万博を機に観光誘客と市の発展にどう取り組むのか質問。尾花市長は「新しい観光ビジョンの策定を検討していく。キャッシュレス決済や多言語案内などへの取り組みを進め、多様化した観光客のニーズに応じて地域資源を活用する」と述べ、さらに、最新技術の活用により、充実した医療・介護の高度化など、持続可能で市民が健康に安心して生活できる環境づくりに取り組むとした。
公明党議員団の中尾友紀議員は、児童虐待への対策として市に児童相談所の設置を提案。尾花市長は、強制的な権限を行使する「介入型」の支援は県の児童相談所が担い、市は関係部署の連携による相談や調査など「寄り添い型」の支援を行うことが重要とし、市が児童相談所を設置することには否定的な見解を示した。その上で、本町小学校跡地に「こども総合支援センター」を移転する際に「子ども家庭総合支援拠点」を設置し、虐待の防止と早期対応に努めるとした。
共産党市会議員団の姫田高宏議員は、消費税率引き上げに対する市の認識と対策を質問。尾花市長は、政府が軽減税率やプレミアム付き商品券などの対策を行うとし、市としては国の支援策を周知し、影響の軽減に取り組むと述べた。
誠和クラブの山本忠相議員は、3400億円程度ある市債について認識を質問。尾花市長は、今後も市債残高は横ばいで推移するとの考えを示し、事業の見直しや効率化に取り組み、財政健全化に努めると答えた。
日本維新の会の林隆一議員は、新市民図書館で図書利用券として導入が検討されているTカードの個人情報の取り扱いについて質問。尾花市長は、利用者の個人情報は図書館システム内に保持し、指定管理者のカルチュア・コンビニエンス・クラブ㈱に提供されることはないと答弁した。