14日午前11時35分ごろ、和歌山県紀の川市荒見の竜門橋南詰交差点で乗用車とバイクが衝突し、バイクを運転していた同市の男性(85)が外傷性大動脈損傷で約1時間15分後に死亡した。
岩出署によると、交差点付近を西進していた奈良県橿原市の男性(67)運転の乗用車と、橋を渡り南進してきたバイクが衝突。乗用車の男性が110番通報した。事故原因、詳しい状況は捜査中。
14日午前11時35分ごろ、和歌山県紀の川市荒見の竜門橋南詰交差点で乗用車とバイクが衝突し、バイクを運転していた同市の男性(85)が外傷性大動脈損傷で約1時間15分後に死亡した。
岩出署によると、交差点付近を西進していた奈良県橿原市の男性(67)運転の乗用車と、橋を渡り南進してきたバイクが衝突。乗用車の男性が110番通報した。事故原因、詳しい状況は捜査中。
来年11月に和歌山県内で開かれる「ねんりんピック紀の国わかやま2019」の公式ピンバッジが販売されている。
大会の開催を広くPRするためで、バッジは大会マスコット「きいちゃん」を型抜きした蝶タックピンタイプ。縦、横とも約3㌢。価格は200円。
10月1日からは、衣類に穴が開かないマグネットタイプのバッジも販売する。縦3㌢、横約2・2㌢。価格は同じ200円。
販売個数は各3000個を予定し、売切れ次第終了。県庁や和歌山ビッグ愛内の売店、紀三井寺運動公園陸上競技場で販売している。売上は大会の広報宣伝費に充てられる。
問い合わせは県ねんりんピック推進課内の大会実行委員会事務局(℡073・441・2570)。
和歌山県の海南市と紀美野町、大阪府岸和田市の3カ所で活動する木彫り教室「親木会」の作品展が16日まで、海南市民会館2階で開かれている。生徒の力作や首が動く仏像「自我如来像」が展示され、来場者は足を止めて見入っている。
作品は3教室の生徒ら約30人によるさまざまな仏像をはじめ、「ブドウ」「ミミズク」と題した鏡や置物など45点で、クスやヒノキ、シナなどの木を使い紀州彫りで写実的に仕上げている。
「自我如来像」の作者は、講師で在家僧侶の村井照念さん(80)。モーターで首が左右に動き、「自分に厳しく他人に優しく」との仏心を説く音声が流れる仕掛けを組み込んだ。「仏様が呼び掛ける姿形を若者にも知ってもらいたくて作った。“平成の仏像”として、親しまれたらうれしい」。
3年がかりで「釈迦・多宝如来像」を仕上げた川嶋秀幸さん(71)は「皆さんが思わず手を合わせてしまうようなお顔に仕上げようと苦心しました」と話し、多くの来場を呼び掛けている。
午前9時から午後5蒔(最終日は4時)まで。問い合わせは川嶋さん(℡073・489・2417)。
テロが発生した際に利用者の安全確保と職員の身の守り方を実践するため、JR西日本和歌山支社は14日、鉄道テロ対処訓練を和歌山県和歌山市美園町のJR和歌山駅で行った。
ガスや爆発物などさまざまなテロに関係機関が連携して対応するため毎年実施している。同社と県警本部や和歌山東署、市消防局、和歌山電鐵㈱から約100人が参加。駅の地下改札で無差別に人が襲われる事件が発生し、犯人の供述で地下道の入り口で爆発物が見つかるという想定で行われた。
駅の利用者が実際に行き交う中、「訓練」と書かれたゼッケンを付けた社員が乗り場まで歩いていると、ナイフを持った男が現われ、叫びながら社員を刺して回った。
駅から通報を受けた警察はナイフを振り回す男に「ナイフを捨てろ!」と刺股で応戦し、犯人を確保。消防隊が到着し、「頑張ってください」「名前は言えますか?」と負傷者に声を掛けながら応急処置を行い、病院に搬送した。
爆発物の処理では盾を構え武装した警察が透過装置で中身を確認。動かしても起爆しないことを確認してからマジックハンドで移動させた。
JR西日本和歌山支社の伊藤義彦支社長は「混乱がなくできてよかった。今回はボードで組織の情報を共有するなど、一つの連携の形が取れてよかった。今回の訓練に参加していない人も連携できるように、臨場感のある訓練を今後も続けていきたい」と話した。
和歌山県は13日、県内最高齢者の藪根すみゑさん(111)に仁坂吉伸知事からの祝い状と祝い品を贈った。海草振興局の中川敦之局長が介護老人保健施設「恵友サザンホーム」(海南市下津町小南)に藪根さんを訪ね、80代を迎えた藪根さんの子どもらと共に、長寿を祝った。
老人週間(15~21日)を中心に行う県の敬老行事の一環。本年度中に新たに100歳を迎える高齢者への祝い状と祝い品の贈呈などを進めており、県内の対象者は8月6日現在で308人(男性35人、女性273人)となっている。
藪根さんは1907年2月5日生まれ。22歳で結婚し、銀行員の夫との間に息子と娘を3人ずつ計6人の子どもに恵まれ、戦後は衣料品などを扱う商売を手掛けた。現在は孫13人、ひ孫16人に囲まれている。
藪根さんを訪ねた中川局長は、「いつまでも健やかに過ごされますように」との仁坂知事のメッセージを伝え、祝い品の橋本市高野口町産の膝掛けやシルク毛布、祝い状を手渡した。居住地の海南市からも祝いの記念品が贈られた。
藪根さんは「皆さんにお世話をかけるばかりなのに、お祝いを頂き、恥ずかしいばかりでございます」と感謝の言葉を話し、祝い状を声に出して読むと、感極まった様子で声を詰まらせた。
長男の敏伸さん(81)は「惜しみなく働き、話し好きの『肝っ玉母さん』で、そんな母に生んでもらってありがたいと感じています」、次男の妻の好(よしみ)さん(77)は「人が好きで、正月には親戚30人で食事を楽しむ場を設けてくれています。皆が仲良く、本当に幸せです」と話していた。
県の敬老行事ではこの他、福祉保健政策局長や各振興局長らが県内の養護老人ホーム14カ所を訪問し、入居者全員に記念品のタオルセットを贈る。
NPO法人ふれ愛たび倶楽部(和歌山県和歌山市九番丁)が手掛ける高齢者向けのオーダーメード旅行が人気を集めている。ヘルパー資格を持つ運転手やスタッフが同行するのが特長で、高齢や体の不自由を理由に遠方の外出をためらいがちだった人も安心して利用できる。理事長の宮井淳彦さん(64)は「旅行は心が弾み、気持ちがリフレッシュする。お客さまの体調や要望に合わせた無理のない計画を組んでいます」と話す。
宮井さんは59歳の時、仕事を辞めて一念発起、旅行業に必要な資格を取得。NPO法人を立ち上げ、母(90)を連れて行った旅行が初仕事となった。女学生だった戦時中、学徒動員で川崎重工業明石工場で働いていた母は、「もう一度現地を訪れ、爆撃で命を落とした学友を慰霊したい」というのが長年の夢だった。
母のように「思い出の地」を訪問したい高齢者は多いのではないか。そう考え、始めたサービスには「遠方にある先祖の墓参りをしたい」「故郷の九州の実家や小中学校にもう一度行きたい」「新婚旅行の地を再訪したい」といった依頼が寄せられた。
中でも、戦争をくぐり抜けた世代には特別な思いを感じる。「戦友を弔いに行きたい。生き残ったことが後ろめたい」。そんな胸の内を打ち明けられるたび、「なんとか望みをかなえてさしあげたい」と強く思う。
移動に使う車は定員10人で、車いすも乗せられる。旅行前には家族やケアマネジャーと綿密に打ち合わせ、宿はバリアフリーに対応しているかや食事の場所などを下見する。体調に合わせて出発時間を調整したり、トイレ休憩にゆっくりと時間を取ったりできる融通の良さも強みだ。「高齢の方は我慢強く、あまり不満を口にされない。できるだけ不安を取り除き、満足していただけるよう心掛けている」という。
普段は車いす生活なのに、旅先に着いた途端、すたすたと歩き出した人がいた。「楽しかったね」「おいしかったね」。帰りの車中は思い出話に花が咲く。行きたかった場所を訪れ、安堵(あんど)したような利用者の表情を見るたびに、宮井さんは「この仕事で良かった」と思う。
車いすの母を連れ明石を訪れたあの日、入り口から工場敷地内の慰霊塔まで赤いじゅうたんが敷かれ、工場長が恭しく迎えてくれた。用意された花束を手向け、母は静かに手を合わせた。忘れられない思い出だ。
宮井さんは「高齢でも旅を諦めないでほしい。行きたかった場所、思い出の場所に元気なうちにお連れしたい」と話す。
旅行代金は、宿泊費、食事、駐車場代など実費の他、付き添いの場合ヘルパー代(5時間9000円~)などで、介護の度合いによって料金は異なる。
秋にかけて、京都の永源寺や鈴虫寺などの紅葉を楽しむ日帰りツアーや、1泊2日の城崎温泉旅行なども企画している。
問い合わせは同法人(フリーダイヤル0120・533・810)。
和歌山県立貴志川高校(紀の川市貴志川町長原)と市立貴志川中学校(同上野山)の生徒会は11日、和歌山電鐵貴志川線の貴志駅前で台風21号と北海道胆振東部地震で被災した人に義援金を届けるため、募金活動を行った。
貴志川高の生徒会は2016年4月の熊本地震やことし7月の西日本豪雨などの際も募金活動を実施。今回は今月7日から始業前に校門の前で生徒や地域住民に募金を呼び掛け、さらに輪を広げようと、11日と12日の2日間、夕方に同駅前とマツゲン貴志川店前で協力を呼び掛けた。
11日は高校1~3年生6人と中学3年生5人が募金箱を手に、「募金お願いします」と大きな声でそれぞれ呼び掛け、通学で駅を利用する高校生や近くを通り掛かった人たちが応じていた。
貴志川高3年で生徒会長の田口竣介君(18)は「北海道は遠くて現地には行けませんが、少しでも力になれたら」と話し、貴志川中3年で生徒会長の和田陸朗君(15)は「募金活動は初めてで緊張しましたが、多くの人が協力してくれて良かったです」と笑顔を見せていた。
集まった義援金は日本赤十字社県支部と県を通じて被災者に届けられる。
和歌山県和歌山市和歌浦西の和歌浦天満宮(小板政男宮司)で恒例の「筆供養祭」が行われた。参加した県書道教育連盟(安原敬悦理事長)の関係者ら15人は、使い終えた筆などをたき上げ、供養と感謝の祈りを捧げた。
漢学に長け、秀才といわれた平安時代の貴族、菅原道真公を祭っていることから、同寺で約30年にわたり行われている神事。
小板宮司は筆塚を前に、市民らが納めた使用済みの毛筆の筆などを火にくべてたき上げ、参加者らは順に玉串を捧げた。
供養祭は、筆の柄が竹などの木材、穂先は動物の毛などでできていることから、動植物への供養や製作する職人への感謝、文字や学問の上達の願いなどが込められている。
安原理事長(83)は「書道は、一本一本の線がいかに生きているかが大切。使った筆の供養がことしも無事終わり、何より」、小板宮司は「書道愛好家の方からたくさんの筆が寄せられいる。少しずつたき上げをしていきたい」と話していた。
和歌山県海南市下津町の橘本神社(前山和範宮司)に祭られている全国でも珍しい菓子の神様、田道間守(たぢまもり)にちなんだイベント「第2回かいなんお菓子まつり」が10月1日から31日までの1カ月間にわたり開かれる。昨年4月の1回目が盛況となったことを受け、内容や開催場所を拡大して実施する。
鱧の街・菓子の街海南プロジェクト実行委員会が主催。期間中は参加の菓子店、飲食店などで特典がある他、イベントが盛りだくさん。オープニングは1日午前10時からJR海南駅でセレモニー、フィナーレは31日午後5時から、同駅でハロウィーンに合わせたプレゼント企画などがある。
7日午前10時からは、実行委メンバーの洋菓子店主が結婚式を挙げ、福勝寺から橘本神社の間を古式にのっとって行列する。14日午後1時からは同神社で「みかん祭り」が開かれ、21日午前11時から午後4時までは、同駅前西広場と一番街商店街で、県内外の人気菓子店約30店が並ぶイベント「お菓子を楽しむ日」。ステージなども多彩に楽しめる。
このほど記者会見があり、実行委メンバーのカフェや菓子店主、前山宮司や挙式を企画した「紀州加茂谷たちばなの会」の中西恒雄会長らが出席。実行委の菓子チームのリーダー、野田智也さんは「1万人を超えた初回の来場者に、お菓子の潜在能力を感じた。今回は、祭りを地域に根付かせたいと願い、企画した」と話した。
中西会長は、福勝寺が弘法大師ともゆかりがあることを紹介し「寺で旅立ちのご加護を受け、お菓子の始まりの橘本神社で挙式して夫婦が誕生するというストーリーに仕上げた。こんな企画は、他にない宝だと思う」とPRした。
また、今月30日まで、食べてみたい夢の菓子のデザインアイデアを募る「こんなお菓子があったらいいな!」コンテストの作品を募集。優秀作品は21日のイベントで表彰される。
問い合わせは下津町商工会内の実行委(℡073・492・4300)。
和歌山県海南市下津町の地域農業ブランド「下津蔵出しみかん」の栽培システムを「日本農業遺産」にと、認定を目指し申請を進める取り組みが活発化している。ことし6月、関係機関へ提出した申請書類が一次審査を通過したことを受け、14日、世界農業遺産等専門家会議委員を務める大学教授や、農林水産省職員らが同町を訪れ、ミカンの貯蔵庫などを巡る現地調査が行われた。
「日本農業遺産」は2016年に創設。2年に1度申請でき、今回は15府県20地域から、8県9地域が一次審査を通過している。認定は、独自の農業システムを継承する地域での機運醸成や、特産品の販路拡大などへの効果が期待されている。
下津地域は急傾斜地で降雨が少なく、稲作や畑作が困難な土壌。住民は傾斜と土壌条件を生かしたミカン栽培に約400年にわたって取り組み、暮らしを支えてきた。山頂や崩れやすい急傾斜地には雑木林やため池を造成し、その下に石垣の段々畑を築いてミカンを栽培。災害耐性にも配慮し、木造土壁の貯蔵庫でミカンを自然熟成させ、付加価値を高める技術も培ってきた。
調査に訪れたのは、同会議委員の委員長で東京大学国際高等研究所サステイナビリティ学連携研究機構機構長の武内和彦特任教授(67)と、一般社団法人ロハス・ビジネス・アライアンスの大和田順子共同代表。同市や県、農業・商工関係者らで構成する認定を目指す推進協議会(神出政巳会長)のメンバーがシステムを説明し、質問に応じた。
一行が視察したのは、同町がミカン栽培発祥の地として築いてきた独自文化の資料が残る橘本神社や、生物多様性のみられる山頂の雑木林、ため池による水不足解消の有効性がうかがえる福勝寺の滝の景観などで、武内教授らは熱心に質問をしながら視察ポイントを巡った。
橘本神社に残る、世界的柑橘分類学者田中長三郎氏がスケッチブックに記したミカン類の観察記録に「西洋では修道院がワインの醸造技術の発展に寄与していることから、神社とかんきつ栽培の密接な関係性をPRすると欧米諸国の理解が得られやすいのではないか」などと指摘。
他にも、二次審査における有効なPR法についてアドバイスし「この地から、ミカン農業の文化が全国へ展開していったのだ、との広い視野を持ったストーリー性を強調し、発表すると良いのでは」などと話した。
同協議会の次本圭吾副委員長は「視察コースはシステムをよく理解していただける箇所を選定した。若手農業者と共に、システムの継承に取り組んでいきたい」と話した。
認定申請は、来年1月に二次審査が行われ、2月に結果が発表される。県内では「みなべ・田辺の梅システム」が、日本農業遺産認定制度の創設前に世界農業遺産に認定されている。
和歌山県警は15日、14日に和歌山市であった自民党総裁選に伴う決起集会で、安倍首相ら政府要人を警護していた警備部機動隊の20代男性巡査が職務中、実弾入りの拳銃を一時路上に落とし、付近の住民が拾う事件があったと発表した。
県警によると、男性巡査は14日午後7時50分ごろ、私服で警察車両に乗り警戒警備中、同市橋向丁の路上で、車の窓から身を乗り出し一般車両を制止した際に拳銃ホルスターの留め金が外れ拳銃が落下。警察官約50人で捜索したが見つからず、付近を散歩中の男性が拾い、1時間20分後に近くの警察官に届けた。
的場克郎警備課長は「このような事態を招いたことは大変遺憾に考えております。今後、二度とこのような事案を発生させないよう、再発防止に努めてまいります」とコメントしている。
アルコール依存症を克服して20年がたち、中小企業診断士として活動する和歌山県和歌山市の奥村和馬さん(52)が、自身の体験をまとめた『絶望を希望に変える勇気―アルコール依存症を克服した真実のストーリー―』を夢叶舎から出版した。「アルコール依存症は本人の意志や気持ちが大事。自分と真剣に向き合えば人生は変えることができる」と話している。
アルコールの問題で苦しんでいる人や家族など、人生に絶望している人に向けて本の出版を決意。
著書では酒におぼれて苦しんだ壮絶な体験から、社会復帰するまでを赤裸々につづっている。
奥村さんは海南市下津町出身。和歌山大学を卒業後、会社員として働くが仕事のストレスと考え過ぎる自分を酒で紛らわせる日々が続いた。仕事が手に付かないだけでなく、心身や人間関係、生活など全てが壊れていったという。
25歳で精神科病院に入院するものの、アルコール依存症だけでなく薬の副作用にも苦しんだ。「お酒をやめたいという気持ちでいっぱいだったが、心と体がお酒に支配されていたのは苦しかった」と当時を振り返る。
31歳の時、和歌山市のアルコール依存症を支援する自助グループに参加。また、32歳で岸和田市にある病院の医師と出会ったことが断酒への気持ちを強くするきっかけとなった。アルコール依存症関連の本を読みあさって徹底的に知識を集め、自分を変えるためにはどうすれば良いかを学んだ。
38歳で父の家業を継ぐ決心を固め、中小企業診断士の勉強を開始。コミュニケーション能力を向上させるため、家庭教師をしながら8年後の46歳で見事合格した。現在は会社経営者などに事業計画の作成支援や、補助金の申請支援などのコンサルティングを行っている。
お酒をやめて新しい人生を歩み出してことしで20年。「どこか成人式を迎えた気持ちです」と奥村さん。「本人が心の底からやめたいと思わないと、お酒を断つのは難しい。医療機関や自助グループなどに参加し、自分を変えるために少しずつでも前に進んでほしい。この本が少しでも役に立つことができればうれしい」と願っている。
A5判、151㌻、1620円(税込み)。ネット通販アマゾンで販売している。
前号では、かつて西条陣屋の北御門として使用され、版籍奉還後は所在を転々としていた歴史的な建造物を郷土の財産として後世へ残そうとする、郷土愛にあふれる市民の活動を取り上げた。今週は北御門と大手門の傍に建つ「西条郷土博物館」を紹介したい。
西条郷土博物館は西条陣屋の跡地に位置する。館内には西条藩に関する歴史的な資料をはじめ、300年以上続く御当地の祭事「西条まつり」のだんじり(屋台)や、みこしにあしらわれた彫刻の紹介、かつては国内最大級といわれ、輝安鉱(きあんこう)という鉱石(アンチモン)を多く採掘した市之川(いちのかわ)鉱山の歴史と鉱石の現物の展示など、盛りだくさんの内容。
他にも、西条市を中心に活躍した児童文学家の展示や、商店街に残る懐かしの品々を集めた商業遺産展など、期間限定の企画は、地域密着型で面白い。
紀州徳川家の分家として当地を治めた西条松平家が使用していた隅切り葵の展示もある。御三家(紀伊、尾張、水戸)は三葉葵が、葵の御紋としてなじみ深いものであるが、分家においては輪郭を施す決まりとなっており本家と区別。ここでは、輪郭の四隅を切った隅切り葵として紹介されている。
毎年10月中旬に開催される「西条まつり」は西条市の無形民俗文化財に指定。伊予西条藩4代藩主の松平頼邑(よりさと)は、宝暦元年(1751)に屋台の総代につき、「祭事中は身分に関わらず裃の着用や小脇差を挿すことを申し出により許可する」という触書を出すなど、地域一体となった祭事として親しまれ、現代に受け継がれている。
(次田尚弘/西条市)
関西サッカーリーグ1部は16、17の両日、各地で第13節の4試合があり、アウェーのアルテリーヴォ和歌山は16日、太陽が丘陸上競技場(京都府宇治市)でおこしやす京都ACと対戦。1―6で大敗し、連勝は3でストップ。1部リーグ残留を決めることはできなかった。
リーヴォは開始4分に先制点を許すと、前半だけで4失点。柳田のゴールで1点を返したが、後半も2点を奪われ、完敗を喫した。
リーグ成績は5勝6敗2分で、リーグ順位は5位。最終節は23日のアウェー、高砂陸上競技場で高砂ミネイロFC(7位)と対戦する。
降格の行方を左右する直接対決。勝ち点「3」差で迎える大一番は引き分け以上で次年度のリーグ残留が決まるが、敗れたとしても得失点差の条件や関大FC2008(6位)の結果次第で残留の可能性は残されている。
「秋の全国交通安全運動」(21~30日)を前に「交通安全フェアわかやま2018」が17日、和歌山県和歌山市西の交通公園で開かれた。来場した約3000人の親子連れは、安全教室やゲームなどの多彩なコーナーを回り、楽しみながら交通ルールを学んだ。
交通事故をなくする県民運動推進協議会が主催。県、県警本部、自動車や鉄道の関係団体などが共催した。
開会セレモニーでは、交通安全大使「ソレイユ」に女子大学生5人が委嘱された。若い世代の交通安全意識の向上を図ろうと、ことし初めて創設され、任期は1年。交通安全運動の期間中、街頭啓発などを行う。
委嘱を受けた和歌山大学教育学部4年生の崎濱木実さん(21、和歌山市)は「同世代に向け、自動車運転時の慢心への注意、夕刻の早めの点灯などを呼び掛けていきたい」と決意を話した。
きしゅう君、わっふる、ちゅういくんなど交通関係のゆるキャラ6体もお目見え。県警音楽隊の演奏が花を添えた。
会場では、共催団体の制服着用やゆるキャラとの記念撮影のコーナー、踏切の安全教室、白バイによるデモ走行などが行われ、子どもたちが体験しながら学んだ。また、あわ保育園やしょうぶこども園の鼓笛隊の元気な演奏もあった。
崎濱さんの他、ソレイユに委嘱されたのは次の皆さん。
最田理紗(和歌山大経済学部2年生、有田市)▽川村礼奈(同)▽山本京香(同大教育学部2年生、和歌山市)▽安藤里咲(近畿大生物理工学部3年生、大阪市)
和歌山県紀美野町井堰で郷土料理を提供している飲食施設「茶屋 雨山の郷」(岡博誠代表)は、台風21号により停電や倒木の被害を受け、休業を余儀なくされていたが、15日に営業を再開した。スタッフは雨風を受けた茶屋を心を込めて清掃し、実りの秋に向けて再出発を切った。
岡代表によると、台風の影響で同所も約1週間にわたり停電し、食材の一部を処分せざるを得なくなり、桜の木も倒れるなどした。桜まつりの際には多くの人が楽しむ自慢の桜並木のうちの大木が倒れてしまい「悲しかった」と話す。
同所はオープン4年目。周辺に自生する野草の葉でサバ寿司を包んだ「縮砂寿司(しゅくさずし)」が名物で、午前中に完売することも多い。うどんや定食、手作りケーキとコーヒーのセットなども味わえる。
料理に腕をふるうスタッフの主婦らは「10月上旬には、野菜や果物の品ぞろえも増えてきます。ホッと一息つきに来てください」と来店を呼び掛け、明るく立ち働いている。
営業は土・日曜のみで、午前10時から午後4時まで。問い合わせは岡代表(℡090・9095・1699)。
アメリカの代表的なテネシーウイスキーの銘柄「ジャックダニエル」のさまざまな味わいと世界観を体感できるイベント「ジャックダニエル・エクスペリエンス2018ジャパン」が16日、和歌山県和歌山市のJR和歌山駅前けやき大通りで開かれた。
ジャックダニエルはブラウン・フォーマン社が製造し、日本では2013年からアサヒビール㈱が輸入販売を手掛け、今回のイベントも同社が主催した。
昨年は47都道府県で実施し、約1万3000人が来場。集客などが好調だった17都市で2回目の開催が決まり、近畿では昨年500杯以上を売り上げた和歌山市と、大阪市、神戸市の3カ所のみ。
会場には、全国に2台しかない移動式の漆黒の「ジャックバー」が登場。ジャックダニエルやジャックダニエル・テネシーハニーを使用したソーダ、ジンジャーなど5種類のドリンクをワンコインの500円で販売し、訪れた人は昼下がりから心地よく酔いを楽しんだ。
専門スタッフによる有料試飲を含むミニセミナー「トーク&テイスト」も人気を集め、受講者はサトウカエデの木炭でウイスキーをろ過する「チャコール・メローイング」をはじめ、独自の製法やブランドの歴史の説明を受け、試飲では、チャコール・メローイングと熟成を2度行い、流通量が少ない高級銘柄「ジャックダニエル・ゴールド」を含む4種類を味わい、香りやこくの違いを堪能した。
アサヒビール和歌山支店の横田恭史支店長(56)によると、ジャックダニエルの売上は全国的に増加し、特に近畿の伸び率は全国より高く、「より多くの方に知ってもらい、味わい、楽しんでほしい」と期待を寄せた。大阪府阪南市の会社員、梅田篤志さん(40)は「知らなかった銘柄も試飲でき、違いを味わえて感動した。ジャックバーも楽しく、こういうイベントがあれば次もぜひ参加したい」と話していた。
和歌山県は18日、県内225地点の2018年地価調査の結果を発表した。県全体の平均変動率は、住宅地は1991年から28年連続、商業地は92年から27年連続の下落となったが、下落率は7年連続で縮小。和歌山市の商業地は2016年から3年連続で価格が上昇した。
地価調査は、毎年7月1日を価格時点とし、基準値の価格を判定。ことしで45回目となる。
県内の林地を除く全用途の対前年平均変動率は、1・3%の下落で、下落率は前年より0・3ポイント縮小。前年からの継続地点222地点のうち、価格が上昇したのは17地点、横ばいは33地点、下落は172地点となった。
用途別では、住宅地の平均変動率が前年比マイナス1・4%となったが、下落率は昨年の1・6%から縮小。価格上昇地点は、前年より5地点減の11地点で、うち和歌山市が5地点と約半数を占めた。県地域政策課によると、道路の交通アクセスが充実している地域や近隣に商業地や公共施設があり、利便性が高い地域だという。
商業地は平均変動率がマイナス1・1%で、下落率は前年より0・2?縮小した。価格上昇地点は5地点で、いずれも和歌山市となっている。同市の対前年平均変動率は0・2%で、3年連続で価格が上昇。同課によると、中心部の施設が集積している地域や幹線道路沿いの利便性が良く、集客力の高い地域で上昇が見られるという。
工業地の平均変動率はマイナス1・3%だが、下落率は1・2ポイント縮小した。
都道府県別の全国順位(上昇率の高い順)は、住宅地が39位で前年から順位を一つ下げた。商業地も同様に三つ下げ、33位となった。近畿地方ではいずれも6位となっている。
価格上位地点は、住宅地の最高が「和歌山市吹上4丁目6番10」で、1平方㍍あたりの価格は19万4000円。前年比0・5%の上昇で、6年連続の最高価格地点となった。商業地の最高地点は「和歌山市友田町5丁目50番外」で、1平方㍍あたりの価格は43万8000円。変動率は5年連続の横ばいだが、20年連続の最高価格地点となった。
同課は今回の結果について「地価は一本調子で上がりにくいが、不動産を取得するリスクは薄れている」と分析している。