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寄り添うガン緩和ケア病棟 日赤に10月開設

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日赤和歌山医療センター(和歌山県和歌山市小松原通)は10月1日、がん患者の心身の苦痛を和らげる「緩和ケア」の専門病棟「ひなげし」を開設する。緩和ケアの治療が受けられる入院施設としては県内では4カ所目。17日には医療関係者らを対象にした内覧会があった。病院と家庭の中間的な施設として、医療よりも生活を重視し、「その人らしさ」を大切に過ごせる病棟を目指す。

がんはあらゆる病気の中で最も死亡率が高く、国民の2人に1人が罹患、3人に1人は亡くなるといわれる現代の国民病。同センターでは、体や心の苦痛を和らげ、豊かな人生を送ることができるよう支える緩和ケアのニーズの高まりを受け、がん医療強化の一環として開設。「思いやり」「いたわり」の花言葉を持つ「ひなげし」を愛称に選んだ。

既存病棟を改築し、南館13階に設けた。1386平方㍍。全室個室で20床、うち4床が有料の特別室。トイレは広めの空間で、背もたれや手すりを設置。車いすで出入りしやすい折り戸式にするなど配慮されている。

特別室は和室、シャワー室、キッチンを備え、付き添いの家族らも一緒にゆったりと過ごせる。白が一般的な病院の室内で、ベージュや木目調の茶色を壁面や床に採用し、温かい空間になっている。

また、高層階からの眺望を生かしたデイルームには簡単な調理ができるキッチンスペースを設け、家庭のリビングでくつろぐかのように過ごせる。色とりどりの花々で彩る専用の屋上庭園も備えた。

同センターではこれまで、がん患者に対しては医師や看護師らでつくる緩和ケアチームでサポート。治療と併せて緩和ケアを行う体制をとってきたが、基盤ができ、病棟が確保できたことから9月1日、緩和ケア内科部を新設。専門病棟の開設に向けて準備を進めてきた。

同部には5人の医師を配置。特に身体的な苦痛の緩和を目的とし、手術や抗がん剤投与、延命処置は行わない。症状が緩和されれば患者本人や家族の要望を聞いた上で、地域の医療機関と連携しながら、住み慣れた地域や自宅療養への移行を支援する。

緩和ケア内科部の筒井一成部長(64)は「これまでは根治を目指す治療ができなかった場合、他の施設を勧めるなどの対応しかできなかったが、選択肢が増えた。総合病院として各診療科と連携を図りながら、『いい医師、看護師に出会えた』と感じてもらえるよう、患者さんや家族に寄り添った質の高い医療を提供していきたい」と話している。

まずは同センターでがん治療を受けている患者から希望者を受け入れ、順次一般患者を受け付ける。

19日、一般向けの内覧会を開く。午後1時半から3時半まで。問い合わせは同センター総務課(℡073・422・4171=代表)。

家族とゆったり過ごせる特別室

家族とゆったり過ごせる特別室


9月20日付

火災から高齢者守れ 老人ホームで消防訓練

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 高齢者等防火推進週間(14~20日)の19日、和歌山県和歌山市和佐の特別養護老人ホーム「みどりが丘ホーム」で消防総合訓練が行われ、自衛消防隊と市消防局が連携し、入所者の避難誘導や逃げ遅れた人の救出に当たった。

 高齢者入所施設の安全対策、災害対応の体制強化が目的。同ホームの自衛消防隊、市消防局7隊の36人が参加した。

 訓練は、施設1階の調理場から出火し、自衛消防隊が避難誘導や初期消火を行ったが逃げ遅れた人が数人発生し、上の階への延焼の危険があるという想定で実施。避難誘導を終えた自衛消防隊員は、到着した市消防に逃げ遅れた職員がいることを伝え、市消防ははしご車を出動させ、屋上で助けを求める人のもとへ向かった。無事に救助され、地上に下りた人は、救急隊員から負傷の状態などのチェックとトリアージを受けた。

 全員の避難と鎮火を確認した後、最後に一斉放水が行われ、消防車のホースから施設の壁に向かって勢いよく水が噴射された。

 訓練を終えた東消防署の島本源彦署長は「職員と自衛消防隊の適切な対応で救助と消火ができた。施設内の避難もスムーズだった。台風や地震などの災害も想定し、犠牲者を一人も出さないように、職員の皆さんには訓練を繰り返して災害対応力を身に付けてもらいたい」と呼び掛け、高齢者の防火について「早く避難できるように、火災警報器などでいち早く火災に気付けるようにすることが大事」と話した。

地上とはしご車から一斉放水を行った

地上とはしご車から一斉放水を行った

アジア大会メダル獲得 県4選手が知事訪問

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 8月18日~9月2日に開催された第18回アジア競技大会(ジャカルタ・パレンバン)で、スケートボード女子パークで金メダルを獲得した四十住さくらさん(16・伊都中央高校2年)ら4人の和歌山県関係アスリートが18日、県庁に仁坂吉伸知事を訪問した。

 訪れたのは、四十住さんの他、ボウリング男子トリオ戦で金メダルの和田翔吾さん(28・海草振興局建設部)、安里秀策さん(27・日高東宝ボウル)、ソフトテニス国別対抗戦で銀メダルの増田健人さん(27・県スポーツ課)。

 4人は知事室で仁坂知事に大会結果を報告。懇談では仁坂知事から練習や職場の環境、競技を始めたきっかけなどの質問があり、「今後の国際大会や国体でも頑張ってください」と激励した。

 四十住さんは「全力を出し切り、金メダルにつながりうれしい。東京オリンピックを目標に自分の力を出し切りたい」と意気込み。和田さんは「時間をかけてつくり上げてきたチームの強さを感じた」とし、安里さんは「本当に楽しくて、不安なくゲームを進められた。国際大会や国体でも優勝したい」と目標を語った。増田さんは「(前回の)リベンジの思いは強かったが、できなくて悔しい。来年の世界選手権で結果を残せるよう頑張りたい」と話していた。

結果を報告する4選手(左から四十住さん、和田さん、安里さん、増田さん)

結果を報告する4選手(左から四十住さん、和田さん、安里さん、増田さん)

停電、断水の対応質問 台風21号で和市議会

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 和歌山市議会9月定例会は18日、一般質問を行い、4日の台風21号の被害や停電について質疑が行われた。

 松本哲郎議員(公明党議員団)は停電に伴う断水と企業局の対応について質問。白井光典局長は加太、東山東、西山東、山口で1450栓が断水し、発電機を使ってポンプの仮運転を再開したこと、電源を含む本復旧は5日後の9日となったことを報告。富松淳公営企業管理者は、事業継続計画(BCP)に基づいて応急給水を行ったが、今回は3日半の断水が続いたことから、給水車の移動給水に加え、ポンプ所を稼働するために必要な機器の導入を検討していきたいとした。

 浜田真輔議員(至政クラブ)は避難所となる学校やコミュニティセンターへの非常用電源の設置の必要性を質問。尾花正啓市長は広域停電に備えて関西電力と連携した広報、医療、避難体制について検討する必要があるとし、避難場所に配置されている発電機を使った受け入れ体制を考えていくと答弁した。

東ぶらくり、築地浜が台湾に わかやま夜市

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 台湾で人気の夜に開かれる屋台「夜市(よいち)」を地元で楽しむ「わかやま『夜市』2018」が16日、和歌山県和歌山市の東ぶらくり丁と築地浜通りで開かれた。和歌山日台交流協会が主催し、3回目の今回は会場を七曲市場から移して初めての開催。商店街内は大勢の人でごった返し、台湾のグルメを味わい、文化を楽しむ一日となった。

 「台湾らしさ」を感じてもらおうと、会場には夜市の雰囲気を再現した看板やちょうちんが飾られ、台湾と和歌山のグルメを中心に30以上の店がずらり。商店街の店舗では夜市限定の特別メニューも販売された。

 毎回人気が高い小龍包や、煮込んだ豚肉をご飯にかけ、五香粉が香る「ルーロー飯」の他、台湾のかき氷「雪花氷」、タピオカミルクティーなどスイーツも充実。台湾の小学校の通学かばん、帆布のブックカバー、アクセサリー、雑貨などの販売もあった。

 商店街は開始の午前11時から大勢が詰め掛け、昼食の時間帯には長蛇の列ができたブースも見られるなど、明るいうちから大盛況。雑賀橋のイベント広場では、台湾で人気の神様で、『西遊記』などに登場する「三太子(さんたいし)」のダンスパフォーマンス、二胡の演奏などで盛り上がった。

 食べたライチの種を口から勢いよく遠くへ吹き出す「種飛ばし大会」もあり、女性、男性、小学生以下の3部門で参加者が競い、橋のたもとから中ほどまで飛ばす強者も現れた。

 終了の午後10時まで商店街は人であふれ、冷めやらぬ熱気に包まれていた。

人気の台湾グルメに列ができた

人気の台湾グルメに列ができた

和歌山城で着物ショー 30日再建60周年記念

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 着物で地域活性化を目指す「KIYORA(きよら)和歌山」(植野千惠子代表)は30日午後2時~3時、和歌山城西の丸広場で開かれる「天守閣再建60周年記念イベント」の一環で、ダンスや書、箏の演奏を融合したファッションショーを開く。

 「『飛翔』―はばたけ和歌山―」をテーマに、天守閣が戦災で炎上し、市民の寄付などにより再建されるまでの歴史と市民の思いをステージで表現する。

 着物のファッションショーを中心に、りら芸術高校(紀美野町)によるミュージカルや、書家の木村有里さん、北原美麗さんによるパフォーマンス、田口眞澄さんによる箏の演奏が行われる。箏の演奏に合わせた着付けパフォーマンスもあり、和歌山城にふさわしい、和と美が感じられるイベントとなっている。

 同日は「和歌山城下町マラソン2018」も開かれ、周辺は文化とスポーツの祭典に包まれる。

 観覧無料。雨天時はモンティグレ(ダイワロイネットホテル和歌山、七番丁)1階ロビーで開く。問い合わせは植野代表(℡090・5123・9366)。

記念イベントをPRするKIYORA和歌山の(左から)川村さん、植野代表、野尻さん、宇治田さん

記念イベントをPRするKIYORA和歌山の(左から)川村さん、植野代表、野尻さん、宇治田さん

未来の選択肢を多彩に体験 紀州夢祭り盛況

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 和歌山県内の20代の若者らが企画する和歌山の魅力発信、地域活性化イベント「第6回紀州夢祭り」が16日、和歌山市の和歌山城西の丸、砂の丸広場で開かれ、さまざまな職業やスポーツの体験ブース、夢を持って活動する若者たちの活動紹介、県出身アーティストのステージなどが展開され、親子連れらで終日にぎわった。

 実行委員会(橋本愛美実行委員長)主催。今回は「笑顔を繋ぐ~No Dream No Life~」をテーマに掲げ、まちを笑顔にし、子どもたちが夢を持つきっかけをつくる願いを込めた。

 西の丸広場には15の職業・アスリート体験などが並んだ。和歌山競輪のブースでは、競技用自転車をこいで最高時速を計測し、岩出市出身のレースライダー、津田拓也・一磨兄弟のブースでは、レース用バイクにまたがり、エンジン音を体感。バスケットボールチーム、和歌山トライアンズによるシュート体験、体操の田中3きょうだいの母・誠子さんによる体操教室もあリ、子どもたちが楽しみながら未来のさまざまな選択肢に思いを膨らませた。

 両親ときょうだいと5人で来場し、レース用バイクを体験した和歌山市の小学1年生、田中瑛竣君(7)は「エンジン音が大きくてびっくりしたけど、楽しかった」とにっこり。

 夢を持って活動する若者たちの活動では、桐蔭中学校科学部がロボットのブースを初出展。来場者は黒い線の上を走るプログラミングの体験や、赤外線でボールを感知するロボットによるサッカーのデモンストレーションを楽しんだ。

 部長の3年生、飛田喜紀君(15)は「運動は体格や学年で差があるが、ロボットは努力で差を補って中学生が高校生に勝ったりできるのが魅力」と話した。

 和歌山大学ソーラーカープロジェクトも初出展。毎年8月に鈴鹿サーキットで開かれているレースに出場し、4時間耐久クラスで2016年から3年連続で表彰台に立っている。会場ではマシンを展示し、活動を紹介。観光学部2回生の村松さららさん(19)は「新しいマシンを作り、来年は一番レベルが高いクラスに挑戦します」と意気込みを語った。

 砂の丸広場には、地元飲食店のグルメブースが並び、ステージには和歌山出身のアーティストが次々登場。MCはお笑いコンビの「すみたに」が務め、夢祭りテーマソングを歌うSAYAKAさん、ご当地アイドルFun×Famらのライブ、モデル・本谷紗己さんらのファッションショーが会場を盛り上げた。

 フィナーレには、阪南大学によるプロジェクションマッピングがあり、石垣に和歌山の名所や偉人などの映像が映し出され、来場者はスマートフォンなどを手に見入っていた。

笑顔で競技用自転車をこぐ子ども

笑顔で競技用自転車をこぐ子ども


9月21日付

和歌山市は手帳確認漏れ等なし 障害者雇用

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省庁や全国の自治体で障害者雇用の水増しが発覚した問題で、19日の和歌山市議会一般質問で市の実態について質疑があった。市は、障害者手帳などの確認漏れや、対象外者の算入などはなかったと明らかにした。

公明党議員団の中塚隆議員は、市で雇用している障害者の人数や採用方法を質問。総務局の森泰之局長は、身体障害者35人、精神障害者3人の合わせて38人を現在雇用しており、2005年から身体障害者を対象にした採用試験を実施していると説明した。

採用時の確認については、雇用前に障害者手帳を確認しており、現在在籍している障害者も本人の申告で手帳を確認していると報告。今回の問題を受けて改めて確認したところ、障害の程度の変更で対象外になった職員や、本人確認せずに対象障害者としている職員もいなかったと答弁した。

不動谷ソバの花見頃 ビオトープ孟子が栽培

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和歌山県海南市孟子の不動谷に建つ延命地蔵尊の東側休耕田でソバの花が見頃を迎えている。かれんな白い花が約10㌃にわたって咲き、楚々とたたずまいで里山を美しく彩っている。

ソバは昆虫が受粉を媒介する花であるため、畑周辺はチョウやハチ、アブなど蜜を吸う虫が飛び交う。不動谷で生物多様性の保全を目指して活動するNPO法人「自然回復を試みる会 ビオトープ孟子」(北原敏秀理事長)が里山保全の一環で栽培し、8月中旬に植えた。

11月に実りの時季を迎えると収穫し、12月から来年1月ごろ、ソバ打ち体験などを通して子どもたちの自然学習の教材にもなる。

ソバ畑は、同所の市道付近の駐車場に停車し、歩いて見に行くことができる。

問い合わせは市わんぱく公園(℡073・484・5810)。

かれんな白い花が広がるソバ畑

かれんな白い花が広がるソバ畑

農林水産業被害が50億円超 台風21号で県内

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和歌山県は4日の台風21号による県内農林水産業被害の続報を発表。前回(5日時点)と比べて28億6126万円増加し、県全体の被害額(18日現在)は50億3915万円となった。

内訳は、農作物などの被害が前回比16億5481万円増の37億2367万円、畜産関係は同4918万円増の5398万円、水産関係は同1億9576万円増の2億2949万円、農地・農業用施設は新たに2000万円、林業関係は同9億4151万円増の10億1201万円となっている。

特に被害が大きかった農作物では、紀の川市やかつらぎ町の平核無(ひらたね)柿が枝折れや落果で11億1148万円、同市や海南市のミカンが倒木や落果で4億5117万円の被害など。林業関係で被害額が大きいのは、有田川町や日高川町などの治山関係27カ所で山腹崩壊、施設災害などがあり、7億9750万円だった。

調査は依然継続中で、被害面積や被害金額などは変わる場合がある。

もう少し早く復旧できた 停電長期化で知事

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4日の台風21号の影響で、山間部を中心に長期化した停電について、仁坂吉伸知事は「もう少し早く状態を把握し、支援を思い付いていれば、もう少し早く復旧できた」と反省を述べた。

19日の和歌山県議会本会議で花田健吉議員(自民党県議団)の一般質問に答えた。

台風では強風による飛来物や倒木などが原因で、電線の断線や電柱が倒れて停電が発生。花田議員は、日頃から道路管理者である県があらかじめ整備しておけば、長期的な停電箇所が減った可能性を指摘。後に北海道で発生した大規模停電より復旧が遅れたことを強調し、台風が与えた教訓と長期停電への今後の対応を問うた。

仁坂知事は、2011年の台風12号による紀伊半島大水害を例に挙げて比較。大水害では他府県の電力各社から応援を受け1237人、340班で停電を復旧したが、台風21号では被害が関西各地に及び、県中心の376人、91班体制だったと説明した。

翌朝には災害対策本部を開き、そこで関西電力から「3日程度」で停電を復旧できるとの説明を受けたとし、その後長期化の原因をただしたが、関電側は部隊展開や被害状況の把握が不十分だったとの認識を示した。復旧支援のため、現地に県の部隊を送り込み、山間部斜面での倒木を解消するよう指示したという。

仁坂知事は「台風に伴う停電を防ぐのは困難だが、長期化させずに解消することが重要」と述べ、「関西電力には大規模災害時の指揮命令系統の体制強化を図ってもらうことが必要。このような状況が予想された場合は、速やかに県に協力を求めてもらう」と話した。

停電の対応について答弁する仁坂知事

停電の対応について答弁する仁坂知事

中筋さん、新家さんも入賞 二科会写真部展

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「第66回二科会写真部展」では、協賛企業賞のセコニック賞に和歌山県和歌山市朝日の中筋孝さん(69)、ダイコロ賞に有田川町西ヶ峯の新家益代さん(67)が選ばれた。入賞は全国でも63作品という狭き門。最高賞の二科賞に選ばれた平松さんを含め、3人は写真家の照井四郎さんが主宰する写真ツアー「熊野写真塾」で撮影した写真で評価を受けた。照井さんも「こんなことは、そうないこと。宝くじで高額当選するようなもの」と驚いている。

中筋さんの「熊野の夜明け」は、三重県熊野市の七里御浜に広がる冬の風物詩、サンマの丸干しを超広角レンズで写した迫力ある一枚。おととしの12月末、寒風に凍えながら、朝の5時ごろからローアングルで三脚を構えて待った。向かいにうっすらと朝日が昇る頃、偶然駆け抜けるランナーの姿とともに収めた。薄暗い中ピント合わせに気を配り、特に魚の力強い目と、体の表面の質感が伝わるよう心掛けたという。

6度目の出品で、初の入賞。「ようやく人とは少し違う視点を持てるようになってきたかな、という感じ。まだまだひよっこで、『頑張らな』と思います」。

60歳で定年退職後、もともと興味のあったカメラを始めた。時間つぶしにと始めたが、奥深い写真の世界に魅せられ、今では生活の一部に。県内の各地域で行われる小さな祭りに出掛け、高野山に毎月のように通ってはシャッターチャンスを狙う。

「気を引き締めて、これからも祭りや高野山の行事、地元の被写体を追い続けたい。今まで出品は二科展ばかりでしたが、他の公募展にもどんどん挑戦したいですね」と思いを新たにしている。

セコニック賞に選ばれた「熊野の夜明け」

セコニック賞に選ばれた「熊野の夜明け」

新家さんの受賞作「村の色」は、古座川町や本宮町などで撮影した3枚の組写真。山奥の民家の軒先で風に揺れるハンガーや、一人暮らしの高齢男性宅で、几帳面に掛けられたヤカンやじょうろなどを写した。

墓石そばの水くみ場では、バケツやひしゃくがつるされているのが目に留まり「きれいに掃除し、お墓を大切にしているのが伝わってきました」と振り返る。

受賞の知らせに「昨年は入選すらしなかったので、うれしくて、その夜は眠れなかったほど」と喜びいっぱい。10年ほど前にフィルムカメラを始め、いったん離れた時期もあったが、時間に余裕ができた3、4年前から再び趣味にするようになった。

撮影するのは祭りや人々の暮らしが多く、自然豊かな熊野古道を歩くのが大好き。訪れる先々で一番感じるのは、人の優しさや温かさ。「どこから来たん?」「何か飲んでいき」――。人との出会いが楽しく、さまざまな話を聞くことで心が癒やされるという。

高齢化が進む集落では、地域の風習や祭りなどが継承されにくいことに寂しさもあり「これからも熊野を撮りたい。生活感が伝わるようなものや、失われつつある文化を写真で残していきたいです」と笑顔で話している。

ダイコロ賞に選ばれた「村の色」

ダイコロ賞に選ばれた「村の色」

二科会写真部展で最高賞 有田川の平松さん

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全国規模の公募展「第66回二科会写真部展」で、1万4499点の応募の中から、和歌山県有田川町下津野の平松正大(せいだい)さん(78)の作品「人形遣い」が最高賞にあたる「二科賞」に輝いた。2度目の出品での受賞に、平松さんは「まさかと耳を疑いました。最高の写真を撮らせていただき、身に余る光栄」と喜びいっぱいに話している。平松さんを含め、県内で3人が入賞した。

受賞作は、上富田町の三谷弘さんを撮影したもの。視線を落とし、人形の髪を丁寧にとかす姿が、暗がりの中で浮かび上がる印象的な作品。

平松さんは、写真家の照井四郎さん(70)が主宰する「熊野写真塾」に参加。数人で昨年の1月、三谷さん宅を訪ねて撮影した。

90歳近い三谷さんは元小学校の教諭。人形を収集、自らも制作し、公民館などで劇を演じてきたという。これまでの背景を聞き「深く刻まれたしわにも、積み重ねた人生の深さが感じられました」と平松さん。たくさんの人形たちに囲まれ、身動きも取りづらいような空間で、さまざまな角度から写真に収めた。「柔らかな雰囲気の方で、人形を扱う所作の一つひとつから、慈愛が伝わってくるようでした」と振り返る。

平松さんは大学時代に写真部に所属。産婦人科医で、分娩を扱う忙しい毎日だったために、写真を楽しむ時間はなかったが、5、6年前から再び本格的に撮るようになった。

ほのぼのとした生活の一こまや、ハッとするような美しい一瞬をカメラに収めてコンテストなどに応募。「自分の写真人生に責任を感じます。今回の賞は、三谷さんと照井さんのおかげで、偶然私が頂けたようなもの。これからも、皆さんに認めてもらえるような写真を残したいですね」と意欲的に話している。

この他、県内では中筋孝さん(69、和歌山市朝日)、新家益代さん(67、有田川町西ヶ峯)の作品が入賞。大阪市立美術館で開かれる巡回展(10月30日~11月11日)で展示される。

二科賞に輝いた「人形遣い」

二科賞に輝いた「人形遣い」


9月22日付

紀州藩地の屋敷地 22日伏虎中跡で説明会

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 新和歌山市民会館の建設に伴い和歌山城跡の発掘調査を行っていた市立伏虎中学校跡地(和歌山県和歌山市市七番丁)の現地説明会が22日午後1時半から行われる。

 発掘調査は昨年4月から始まり、新市民会館の場所は江戸時代、紀州藩の家臣の屋敷や藩の施設があった和歌山城三の丸にあたる。今回は松平家、田宮家の屋敷地にあたる調査区を公開。かまどや池などの施設や当時使用していた陶磁器や金属製品が見つかっている。

 1時受け付け開始。小雨決行。問い合わせは市文化振興課(℡073・435・1194)。

根来寺根来塗を知って 曙山会が特別授業

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 根来寺根来塗曙山会(池ノ上曙山代表)は19日、岩出市立岩出中学校の1年生約220人を対象に、市民俗資料館で授業を行い、根来塗の歴史や特徴などを解説した。

 生徒に地域の歴史や文化を学んでもらおうと岩出中が同会に依頼。毎年秋に開かれている。

 この日は根来寺根来塗宗家の池ノ上代表と弟子の3人が講師を務めた。池ノ上代表は根来塗と他の漆器の大きな違いについて「他の漆器は表面がつるんとしていて絵が描かれていることも多く、特別な日にしか使われない傾向がある。根来塗はつるんとしておらず、絵も入っていない。日常的に使うことを前提としている」と話した。

 さらに、根来塗の名前は新義真言宗総本山の根来寺に由来し、16世紀末に同寺が豊臣秀吉の軍勢に焼き討ちされたために技法の伝承が途絶え、約20年前に復興したことを紹介。根来塗は、使うほどに朱色がすれて地の黒が現れ、味わい深い風合いになることも説明した。

 小畑将斗君(12)は「授業を受けるまで根来塗のことは知らなかったが、使っていくうちに色が変わっていくと聞いてすごいなと思った」と話していた。

生徒に根来塗の特徴を説明する池ノ上代表(右から2人目)ら

生徒に根来塗の特徴を説明する池ノ上代表(右から2人目)ら

世代を超えて交流 フライングエイト大会

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 円盤を使ったスポーツを楽しむ「4世代交流・地域交流フライングエイト大会」が17日、和歌山県和歌山市北出島の和歌山東公園体育館で初めて開かれ、約130人が汗を流して交流した。

 宮地区タンポポ老人会、NPO法人「総合福祉エンターテイメントみんなではーとtoわん」、市肢体障害者協会でつくる推進委員会が企画。「フライングエイト」は、ボッチャとフライングディスクを組み合わせたスポーツで、同老人会のメンバーが考案した。

 年齢や障害の有無に関係なく誰もが気軽に楽しめるスポーツで人や地域の絆を深め、防災に強いまちづくりにもつなげようと企画。「4世代交流」には親・子・孫の3世代に、「地域」を加えて結び付きを深める意味を込めたという。

 尾花正啓市長の一投げで開会。5投し、着地したゾーンの得点の合計を競うルールで、参加者は6コートに分かれて競技。円盤の動きや着地場所に一喜一憂するなど大盛り上がりだった。各コートには手話通訳が付き、サポートした。

 競技の合間には、「和歌山のおばちゃん」こと、桂枝曾丸さんの防災にまつわる楽しい「絵ときミニ講座」もあった。参加した濱野和代さん(50)は「年齢問わず楽しめるスポーツ。いろんな人と顔見知りになり、交流できて楽しいです」と笑顔。

 25年前に脳出血で倒れ、今は福祉に携わる同委員会の事務長、北山尋唯(ひろただ)さん(50)は「何か社会に役立つことがしたいと思い続けていたが、やっと一つ目に見えるかたちになってきた。参加者が各地域に帰ってこのスポーツを広げてもらいたい。結び付きは防災時にも役立つはず」と話していた。

笑顔で競技を楽しむ参加者

笑顔で競技を楽しむ参加者

ルール守って無事故 秋の交安運動始まる

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 秋の全国交通安全運動が21日から始まり、和歌山県内各地でも街頭啓発や活動開始のセレモニーなどが行われた。

 和歌山市小雑賀のスーパーセンターオークワセントラルシティ和歌山店では街頭啓発があり、ことし初めて委嘱された交通安全大使「ソレイユ」の女子大学生らが買い物客にチラシなどを配った。

 交通安全協会、交通指導員ら約40人が参加し、啓発用のポケットティッシュや反射材など350セットを配布。「きょうから交通安全運動です」と来店者に呼び掛け、交通ルールを守る意識を高めるよう訴えた。

 和歌山東署の竹中将之交通課長(42)は「東署では昨年より人身交通事故の件数が増えているので、運動を機会に交通ルールを再認識し、安全運転で事故を起こさないようにしてもらいたい」と話していた。

 30日までの運動期間中、同署では子どもと高齢者の安全な通行の確保と高齢運転者の事故防止、夕暮れ時と夜間の歩行中・自転車乗車中の事故防止、全ての座席でのシートベルトとチャイルドシートの正しい着用の徹底、飲酒運転の根絶を重点に、自転車の指導や安全運転サポート車の試乗会などを実施する。

啓発グッズを配るソレイユの3人

啓発グッズを配るソレイユの3人

 岩出署では前日の20日、岩出市高塚の同署で運動の出発式を行った。

 雨のため県立那賀高校駐車場から会場を屋内に変更。予定されていた同校吹奏楽部の演奏や和歌山バトンによる演技は中止となったが、署員や県警交通機動隊員ら約50人が出席し、交通事故抑止へ士気を高めた。

 東山一樹署長はあいさつで、同署管内で発生した人身交通事故について、ことし1月から8月末までは182件で、前年同時期の235件から減ったことを話し、「痛ましい死亡事故も起きている。住民の交通安全意識が高まるよう、取り組んでほしい」と呼び掛けた。

 那賀高吹奏楽部2年の前﨑未菜実さん(16)と小谷綾音さん(17)は「交通事故のない安全で安心な暮らしのために、自分たちが交通ルール、マナーを守って思いやりのある行動をとります。私たち高校生から交通安全の輪を広げていきたい」と宣言した。

 同署管内では期間中、日没の時間帯に警察官が街頭に立ち、市内の商業施設で啓発グッズを配るなどして交通安全を呼び掛ける。

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