文部科学省は27日、4月に小学6年生と中学3年生を対象に実施した全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の結果を公表した。県内では全科目で平均正答率が全国平均を下回り、特に応用力不足が浮き彫りになった。県教委は「資料を見て、自分の考えをまとめて記述し、発表するなど思考力や表現力、応用力で課題が見られる」と話している。
全国の児童生徒を対象にした調査は4年ぶり。県内では小学校249校約8800人、中学校126校約8500人が受験。国語、算数(数学)の科目で、基礎知識を問う「A」と、応用力を問う「B」に分けて行われた。
県内の平均正答率を全国と比較すると、差は小学6年で国語Aが最小の0・3ポイント、国語Bが最大の1・9ポイント。中学3年で数学Aが最小の0・3ポイント、国語Bが最大の3・1ポイントとなった。
小中ともにAの全国平均の差は中学国語を除いて1ポイント以内に収まり、県教委は「基礎知識の学力は定着しつつある」と分析し、Bの改善に向けて授業を見直す必要があるとしている。
また同時に行われた児童生徒へのアンケート調査では「国語の授業で目的に応じて資料を読み、自分の考えを話したり、書いたりしていますか」の問いに対して、「当てはまる・どちらかといえば、当てはまる」と回答したのは小学6年が51・8%(全国59・4%)、中学3年が41・4%(52・2%)と、全国との差は大きい。また「家で、学校の授業の復習をしていますか」の問いに対して、「している」「どちらかといえば、している」と回答した中学3年は37・3%(48・6%)と11・3?の差があり、県教委は補充学習の必要性を認識した。
これらの結果を受け、県教委では指導力向上を図るために、11月に文科省の学力調査官を招き、中学校の国語、数学の担当教員を対象にした研修会を予定。また12月に県独自で実施する学力テストで児童生徒の学力の確認、定着に向けた指導に力を入れるとしている。