理容、美容、クリーニング業の県内3組合は14日、高齢者や障害があり外出が困難な人などを対象とした訪問事業「ほっと訪問サービス」を開始した。サービス対象エリアは和歌山市内全域で、高齢者や障害者の他、けがなどで歩行が困難な人なども含め全年齢で利用できる。組合を横断した連携サービスは全国でも先駆的な取り組みだという。
同日、県庁で記者会見が行われ、3組合(県理容生活衛生同業組合、県美容業生活衛生同業組合、県クリーニング業生活衛生同業組合)が関係する公益財団法人県生活衛生営業指導センターの中谷進理事長らが出席。
発表によると、厚生労働省から普及啓発への費用支援として151万円の補助金を受けており、理容180店、美容23店、クリーニング41店がサービスに参加し、利用料を店舗の値段とほぼ同額(理容、美容技術料4500円)で提供する。出張時の交通費や人件費などは各店舗でまかなう。サービスが利用できる店舗は「訪問サービス」と記載したカードが目印になる。
同市内には、中度の介護を要する状態の要介護3以上の人が計7799人いて、10年前と比べて約6割増加しており、訪問サービスには多数のニーズがあると見込んでいる。
中谷理事長は「出張サービスで利用者との交流を深め、健康状態のチェックなどの機能も果たしたい。県内で事業が成功すれば、全国的にも広がるのでは」と取り組みの普及に期待感を示した。