紀の川市に住む85歳の男性を詐欺被害から守ったとして、岩出署は1日、同市貴志川町の貴志川郵便局(西嶋正浩局長)と同局職員の村居美輪さん(48)に感謝状を贈呈した。
同署によると、ことし7月27日ごろ、男性宅に男から、男性名義で老人ホームの入居を申し込めば、ある女性が入居できるという内容の電話があり、男性は承諾。29日には別の男の声で、「名義貸しで犯罪になる。データを消すには500万円が必要」と電話があった。
男性は30日午後2時50分ごろ、リフォーム代を理由に500万円を引き出そうと、同郵便局を訪れた。対応した村居さんがリフォームの内容や業者名などを尋ねたが、あいまいな返事だったため、不審に思い上司に報告。同局の課長が110番通報し、未然に被害を防ぐことができた。
村居さんは「声掛けをすると怒る人もいるが、これからも被害を防ぐために声を掛けていきたい」と話していた。
県警が金融機関に要請して行っている高額引き出しの全件110番通報制度が始まった5月から8月31日までの間に、同署管内の金融機関からの通報は60件あった。管内ではことしに入り、3件の詐欺被害を未然に防いでいる。