全日本実業団女子トップリーグ(関東特1部)バスケットボール大会が22、23の両日、和歌山市中之島の県立体育館で開かれ、県民期待の紀陽銀行ハートビーツは、メディセオ、TOTOに連勝した。10チームが2つのブロックに分かれてリーグを戦い、各順位決定戦に臨むが、1勝1敗で地元大会を迎えた紀陽は、初日のメディセオ戦では、終盤相手の猛反撃を防ぎ、わずか6点差で先勝。2日目のTOTO戦は、序盤から積極的な攻撃でリードを広げ、48点差をつけ圧勝した。紀陽は勝ち点6を加え通算3勝1敗(11点)とし、Bリーグ2位を確保した。
◇第1試合
紀陽76(19―15、20―15、16―18、21―22)70メディセオ
◇第2試合
紀陽97(28―11、20―14、25―14、24―10)49TOTO
5月18日に開幕したリーグ戦で、紀陽は初戦の今治オレンジブロッサムを69―40で破ったが、2戦の三井住友銀行には59―68で敗退。1勝1敗で和歌山大会の舞台に挑んだ。職場の同僚や地元高校生の大きな声援を受け、メディセオ戦では、序盤から前川のスピードを生かした攻撃がさえ、第1クオーターを19―15とリード。第2クオーターに入っても青木や後藤が着実に得点を挙げ39―30で前半を折り返した。
第3クオーターも開始早々から紀陽は、リズムに乗った攻撃で18点差までリードを広げたが、52点目を挙げたところから得点が奪えず、ファールからメディセオに好機を与え、終盤には4点差まで追い上げられた。
第4クオーターは藤口のシュートで紀陽が幸先良いスタートを切り、リバウンドから青木が巧みに得点を加え優位に展開。残り時間2分を切ったところで、藤口が3ポイントシュートを決め、メディセオを突き放したが、再三のファールが相手にフリースローを与え、残り11秒で、リードは2点という緊迫したゲームとなった。わずかな数秒で逆にフリースローを得た紀陽は藤口、青木が冷静に得点を重ね76―70で勝利をつかんだ。
2日目のTOTO戦は、第1クオーターから紀陽の果敢な攻撃がさえ、序盤で13―1とリードし、主導権を握った。第2クオーターに入っても紀陽は安川や三矢にシュートで得点を加え、48―25で前半を終えた。
後半に入っても、攻守にわたって紀陽が、TOTOを圧倒。藤口から広倉への鮮やかな連携プレーに、客席の応援団から一段と大きな拍手が送られた。
第4クオーター終了まで、紀陽の勢いは止まらず97―49という大差での勝利を飾り、目標でもある紀の国わかやま国体に向け、力強い1歩を印した。
紀陽銀行ハートビーツの小野利充監督は、苦戦したメディセオ戦に触れ「地元で頑張らなければいけないと意識したのが、悪い方向に出た。メディセオは国体の埼玉県代表になるチームだと思うが、悪い状態の中で勝てたことは大きく『勝って知り得ること』もあり、教訓になった」と気を引き締めた。