和歌山市立和歌山高校デザイン表現科の生徒がデザインを手掛け、和歌山の産業をはじめとする魅力がたっぷり描かれた段ボール箱が完成した。古紙回収や段ボールの製造・販売を行う㈱はまだ(紀の川市中井阪、濱田義仁代表取締役)とのコラボレーション企画で誕生し、地元自慢を発信する新しいパッケージとして期待される。
段ボール箱に採用されたのは同科3年生4人のデザイン。
岩本彩花さんは、和歌山らしくグリーンとオレンジの2色を基調に、「わ」の文字の中に和歌山城や高野山、那智の滝などの観光名所を描き、「ぽかぽかほっとなわかやまです」のコピーが添えられている。「箱にピッタリな特産品を入れてほしい」と話す。
谷口茉京(まひろ)さんは、和歌山の暖かい気候と家族のだんらんを掛け合わせ、梅や柿、ミカン、魚などを手にした笑顔の家族のイラストの中心に「和歌山の恵みいかがですか?」の文字が躍る。「イラストのように家族にプレゼントして、喜んでもらいたい」と優しい気持ちを込めた。
黒川由紀菜さんは、和歌山が日本一のものを調べて自分がびっくりした気持ちを多くの人に知ってほしいと思い、日本一の代表格「梅」の花を散りばめ、花の中に和歌山がナンバーワンの情報を文字で紹介している。
中嶋友香さんの作品は、近年増えている外国人旅行者などにも利用してもらおうと、梅の花などのデザインとともに、「Wakayama is full of nature」などの英語のコメントが記され、コンパクトなサイズとなっている。
同社はこれまでに、紀の国わかやま国体・大会マスコットのきいちゃんと、県内の特産品などをデザインした「和歌山BOX」を開発し、パッケージを通した和歌山のPRに取り組んでいる。
同社営業部の濱田匡敏主任によると、生徒がデザインした今回の個性的な段ボール箱は、生徒の在学中は名前入りで販売し、その後もパッケージデザインは残していく。また今後は、他校にもこの企画を広げ、「学生から見た和歌山県」を国内外にアピールしたいとしている。
新デザインの段ボールは今月から販売を始め、紀の国わかやま国体時には自社ブースでもアピールする。今後、生徒たちの和歌山自慢のデザインを目にする機会が増えそうだ。