和歌山の活性化について考える講演会が13日、和歌山市の和歌山ビッグ愛で開かれ、和歌山大学経済学部の大澤健教授が「市民から生まれる地域活性化~水辺活動イベント誕生へ」をテーマに講演した。「観光でまちを活性化するために重要なのは、『何をやるか』でなく、『誰が』『どうやってやるか』。思いのある人たちがネットワークをつくりながら、和歌山の独自性をつくるために取り組むことが成功につながっていく」などと話した。
講演会は、ビーチサンダルを意味する和歌山弁「みずせった」のブランド化に取り組む「みずせった普及実行委員会」が、地域を盛り上げるためのヒントになればと初めて開催。会員ら25人が参加した。
講演で大澤教授は、1980年代以前からバブル崩壊、2000年以降にかけて行政などが取り組んできた観光振興策の特徴や失敗例を紹介。地域活性化には、外部からの誘致や成功例の模倣など、これまでの手法は通じないと指摘し、地域固有の強みを生かした新しい取り組みが重要だと指摘した。
その上で「『みずせった』は、温暖で海辺の環境がある和歌山だからこそ育まれたもの。他にはまねできない和歌山らしさをつくり、人と人とのつながりを生むことにより地域ブランドになっていく」と述べ、同会の今後の取り組みに期待を寄せた。