中国・山東省の山東老年大学学生団が23日、和歌山市を訪れ、茶道や演舞発表などを通じて和歌山文化協会(楠山繁会長)の会員と交流を深めた。県と同省は友好提携を結んで昨年で30周年がたち、今回の訪問は両国の友好交流事業の一環。学生団の訪問は初めて。
ことし5月に下宏副知事が山東省の同校を訪問したことをきっかけに、中国側から和歌山で文化交流を深めたいとの申し出があり、訪問が実現した。
同大学は50歳以上の高齢者向けの教育機関として、中国国内で初めて設立された老年大学。書道や中国画、声楽や舞踊、太極拳など約60の専門コースで約1万9000人が学んでいるという。
中国からは42人が訪れ、和歌山文化協会の25人が歓迎。楠山会長は「日本と中国は1500年以上前から交流し、漢字や文化、歌や踊りなどを教わり現在も受け継がれている。きょうはお互いの文化を目の前で見聞きできる有意義な機会になり楽しみ」とあいさつ。同大学の杜英傑(とえいけつ)校長も「交流により両国の友情は一層深まり、今後の交流の拡大にもつながるはず」と期待を寄せた。
日本伝統の心を伝えようと、茶道部がお点前を披露。訪問団のメンバーは、しなやかで美しい所作に興味津々の様子で、抹茶が振る舞われると「おいしい」と笑顔で味わっていた。
続いて、一行は美しい合唱や伝統武術の太極拳など、日ごろの練習の成果を次々と披露した。訪問団は2泊3日の日程で滞在し、御坊市民大学とも交流する予定。