フランス人シェフらを招き、日本各地の食材や魅力をアピールする「JAPANツアー」の一行が4日、県内を訪れ、特産のサンショウ畑やミカン農園での収穫や見学をはじめ、地元の農産物などを使った日本料理を味わい、和歌山の産地やそこから産み出される食材への理解を深めた。
この日は、朝から海南市のサンショウ専門店「山本勝之助商店」で石臼でのサンショウひきや、サンショウ畑での摘み取りを体験。参加者らは、サンショウについての説明を受けながら、房の形に実った大粒の実を摘み取り、会話を弾ませていた。
昼食は、同市の料亭「美登利」で、サンショウや梅酒など地元企業の商品を使った季節料理を堪能。多彩に並ぶ料理をシェフらは「おいしい」と目と舌で味わっていた。初来日というシェフは「手をかけたものを使うのがフランスでは大切なこと。実際に生産者に会うことで食材に対するアイデアも生まれる」と笑顔を見せていた。
その後、一行はミカンや加工品を生産している有田市の伊藤農園を訪れた。
同ツアーは、県の特産品を欧州、アジア、オセアニアなど世界各国に輸出しているトップ・トレーディング㈱(本社=大阪市)が、仏の販売パートナー企業とその顧客であるミシュラン1つ星シェフらを招いて企画したもの。12人が参加し、九州、四国、関西の産地を1週間かけて巡っている。
一行を迎えた美登利の千賀知起代表取締役は「初夏を味わってもらえるような献立にした。和歌山はいいものがたくさんあるので、海外に発信するいい機会になる」、山本勝之助商店の土田高史さんは「ミシュランのシェフが一堂に来和すること自体がすごいこと。直接アピールできたのが良かった。和歌山の食材の橋渡しになれば」と話していた。