第11回「孫市まつり」(孫市の会主催)が29日、和歌山市鷺ノ森の本願寺鷺森別院をメーン会場に開かれる。ことしの注目は、俳優で時代劇再生運動に取り組む榎木孝明さん監修の武者行列と野外劇。雑賀鉄砲衆や甲冑(かっちゅう)隊が市内2㌔を練り歩く例年の武者行列に、ストーリー性を持たせ、劇場型で展開する。当日は榎木さんも来場する。
まつりは、戦国時代の鉄砲集団「雑賀衆」を率いた雑賀孫市の存在を広く知ってもらい、まちおこしにつなげようと、同会が毎年この時期に開催している。
野外劇は「信長を一番恐れさせた男・戦国最強のガンマン!雑賀孫市参上!!」と題し、10万人の織田信長軍を3000人の孫市軍が撃退するストーリーで展開。東映太秦映像の中野広之監督が演出し、地元の役者らでつくる紀州剣劇隊が出演する。
行列は午前10時半、孫市の呼び掛けに応じて、和歌山城一の橋を出発。南海和歌山市駅前では豊臣秀吉軍を敵に見立てて鉄砲演武。クライマックスは鷺森別院に舞台を移し、信長と孫市の一騎打ちが繰り広げられ、榎木さんから指導を受けた出演者らの迫力の立ち回りが見どころとなる。
雑賀踊りや戦勝太鼓なども再現するといい、中野監督は「500年前の思いを野外劇に込めたい。『見に来た』でなく「参加した』という感覚になる演出を楽しんでもらいたい」と力を込める。
孫市の会の森下幸生会長は「より質の高いものになるはず。まつりのある・なしに関わらず、訪ねてもらえるようなまちになれば」と期待している。
その他、「正忍記を読む会」の山本寿法会長を講師にした講演会「名取三十郎と日本三大忍術伝書『正忍記』について」、地元ロックバンドTHE BEATや宮本静さんのライブ、歴史ゆるキャラ集合など、多彩な催しがある。
午前11時から午後4時。雨天決行。問い合わせは同会事務局(℡073・423・3136)。