紀の川市後田(しれだ)の空き地で市立名手小学校5年生の森田都史(とし)君(11)が刺殺された事件で、殺人容疑で逮捕された現場近くに住む中村桜洲(おうしゅう)容疑者(22)は、23日から5月26日までの約3カ月間、刑事責任能力を問えるかを判断するための鑑定留置に入った。
和歌山地検からの鑑定留置請求は20日に行われ、和歌山地裁は鑑定留置状を即日発布した。中村容疑者は、犯行以前にも自宅周辺などで奇行が住民らに目撃されており、地検が精神鑑定の必要性を視野に入れ取り調べを進めていた。
中村容疑者は逮捕当初から、県警の取り調べに対し「犯行時間帯は家でテレビを見ていた」などと容疑を否認し続けていたが、接見した弁護士らに対し、「森田君にからかわれたのでやった」などと一転して犯行を認める供述を始めた。
弁護士は「何らかの原因で精神のバランスが崩れたのではないか」と推測しており、今後、事件当時の中村容疑者の精神状態の解明が進められる。