県経営者協会が会員企業などを対象に行った「地震・津波などの大災害時の対応」に関するアンケート調査で、津波被害対策と事業継続計画(BCP)について「対策済み」「策定済み」と答えた企業はいずれも15%程度にとどまっていることが分かった。同協会は「検討している企業が4割あるので、まずは防災訓練などを実際にやってみてもらいたい。命を守るために何が必要かが見えてくる」と話している。
調査は昨年10月14日~11月13日、会員企業、紀陽銀行ときのくに信用金庫の取引先合わせて1170社を対象に実施。378社(32・3%)が回答した。
津波被害対策は、「対策済み」が49社(14・4%)、「対策の必要なし」が122社(35・8%)、「対策を検討している」が136社(39・9%)。BCP策定は、「策定済み」が53社(15・7%)に対し、「検討している」が138社(40・8%)、「策定の予定なし」が110社(32・5%)で、8割以上の企業が策定していない。特に従業員100人未満の事業所で「策定の予定なし」の回答が多かった。
建物、設備の耐震化については、「耐震化した」「一部耐震化した」が111社(29・6%)に対し、「考えていない」が148社(39・5%)。勤務中に災害が起きた場合の避難場所は、「決めている」が237社(63・2%)、「決めていない」が138社(36・8%)で、従業員の安否確認は、「電話」が255社(67・5%)と最多。従業員100人以上の企業では「安否確認システム」を採用する割合が高くなっている。
地震や津波を想定した防災訓練については、「定期的に実施している」は82社(21・9%)にとどまり、「実施していない」が224社(59・7%)に上っている。帰宅困難者のための備蓄は、「特にない」が177社(46・9%)と半数近くを占めた。
大災害時の地域への社会貢献については、「検討している」が159社(43・6%)で、具体的な内容では「社屋などを避難場所として提供する」「備蓄品の開放」「自社の事業継続が地域貢献につながる」などの回答が多かった。
同協会は今回のアンケート調査結果を基に、地震・津波などの災害発生時の対策をまとめ、県内の事業所にマニュアルの提案をしていくとしている。