事件は6日夕方に急展開を見せた。捜査線上に浮上した中村容疑者の家は、森田君の家からも事件現場の空き地からも100㍍も離れていない近所。捜査本部は中村容疑者をかつらぎ署に任意同行し、事情聴取する一方、午後11時過ぎから家宅捜索を行い、深夜の住宅街は騒然となった。
マスクをつけた捜査員らが入った中村容疑者の自宅前には警察官が並び、出入りをシャットアウト。その周りを50人以上の報道陣が取り囲み、近隣住民らも不安そうな表情で遠巻きに見つめた。
家宅捜索中は、室内から写真撮影のフラッシュとみられる光が時折見えた。約3時間が経過した7日午前2時過ぎ、捜査員は家の前に横付けしたワゴン車と玄関の間をブルーシートで覆うと、押収品が入った段ボール箱などを運び出し、捜索は終了した。
近所に住む男性(60)は「こんな近くに(容疑者が)いるなんて、まさかのまさかです。見た目は優しそうな、おとなしい子だなと思っていましたが」と話し、中村容疑者と小中学校の同級生という男性(22)は「鳥肌が立ったというか、すごいショック。そんな(子どもを刺すような)ことをするように思ったことはない」と驚きを隠さなかった。