紀の川市後田(しれだ)で5日夕方、市立名手小学校5年生の森田都史(とし)君(11)が殺害された事件で、県警と岩出署の合同捜査本部は7日未明、現場近くに住む無職、中村桜洲(おうしゅう)容疑者(22)を殺人の容疑で逮捕した。中村容疑者は「私は男の子を殺していない。見たこともない」と容疑を否認しているという。
県警は6日夕方、中村容疑者をかつらぎ署に任意同行し、逮捕状を請求。容疑を固め7日午前1時26分に逮捕し、2時半過ぎに身柄を岩出署に移した。6日深夜から7日未明にかけては自宅の捜索を行い、刃物数点などを押収している。
7日午前3時から岩出署で行われた捜査本部の記者会見によると、中村容疑者は5日午後4時15分ごろ、後田の空き地で森田君の頭や胸、両腕を刃物のような物で切り付け、突き刺すなどし、殺害した疑い。近所の男性があお向けに倒れている森田君を発見した。死因は心臓を刺されたことによる失血で、ほぼ即死の状態だったという。凶器を持った中村容疑者は北へ逃走したのが目撃されており、その先には中村容疑者の自宅があった。
先月には、都史君の兄(中学生)が傘を持った中村容疑者に追い掛けられる出来事があった。また、中村容疑者が立ち止まって森田家をのぞいていたという近隣住民の目撃情報もあり、事件前から不審な行動がみられたという。