島精機製作所(本社=和歌山市坂田、島正博社長)は創立記念日となる4日、多彩な編地の風合いを可能にしたホールガーメント横編み機(無縫製ニット横編み機)「MACH2XS」と、素材の質感を忠実に再現するデザインシステム「SDS―ONE APEX3」の新機種を発表した。
「MACH2XS」は、誕生から20年の節目を迎えるホールガーメント横編み機の集大成として発表した。編み幅を60インチから40インチに縮め、編みながら糸を下から引く従来の機能に加え、上から糸を押さえる可動型シンカーを搭載することにより、立体的な風合いが出せるなど、デザインの幅が広がった。
「SDS―ONEAPEX3」は、寸法や糸の種類、柄の位置を入力するだけで、画面上でイメージする製品を立体的に確認できることに加え、糸の形状や毛羽立ちなどの素材感を細部まで表現できるようになった。
2機種の組み合わせにより、使用する糸の量の削減や製品化までの時間短縮をはじめ、多彩なバリエーションを持つホールガーメント製品を現物サンプル無しで素早く企画・提案できる。糸から生産・販売までのハードとソフトが一体化した新たな流通システムを実現した。
島社長は「創立記念日に、20年間のノウハウ全てが機能した、今までになかった製品ができるようになる。労働集約型から知識集約型へ、消費地で生産する流通システムを市場に提案していきたい」と話していた。
この日、同社では「MACH2XS」の初出荷式が行われた。従業員約1000人が拍手で見送る中、新製品を載せたトラックは山形県に向けて出発していった。今後、11月12~19日にイタリア・ミラノで開かれる国際紡織機械専門見本市「ITMA(イトマ)」に向けて、春から量産体制の準備を進め、年間販売台数1万台を目ざすとしている。