特殊詐欺(振り込め詐欺)の未然防止に貢献したとして、海南署(鳴海武則署長)は18日、海南市のきのくに信用金庫海南支店(岩橋儀幸支店長)の職員2人に感謝状を贈呈した。
表彰されたのは、同支店リーダーの吉尾千幸さん(46)と、次長の門浩輝さん(43)。今月2日午後1時ごろ、「ATMで現金を振り込んだが、相手の口座に入金できない」と窓口相談に訪れた男性(18)に対し、吉尾さんが「急がれますか?」「振り込み先の人は知っている人ですか?」と問い掛けると、知らない人物であることが分かり、「今日中に何とかしないといけない」と慌てている様子だった。
吉尾さんは不審に思い、上司の門さんと共に男性から話を聞くと、アダルトサイトの利用料として18万円を振り込もうとしていることから、特殊詐欺の疑いがあると通報。同署の捜査で特殊詐欺であることが判明した。
ことし10月、同支店で同署による振り込め詐欺などの防犯研修が行われていた。吉尾さんは「研修の後だったので行動に移せた。これからも少額、多額に関わらず、とことん利用者の話を聞くことが大切と実感しました」。門さんは「今後も引き続き、金融犯罪の防止と撲滅に協力していきたい」と話していた。
鳴海署長(56)は「機転を利かして水際で詐欺を食い止めてくれた。本当にありがたい」と感謝した。