温室効果ガスの削減努力をした上で、排出されるガスについて排出量に見合った削減活動への投資をする考え方「カーボン・オフセット」の学習会(木の国エコ・リレー推進協議会主催)が11日、和歌山市手平の和歌山ビッグ愛で開かれ、林業従事者ら約40人が参加。和歌山大学観光学部の大浦由美准教授が、地球温暖化、日本の森林資源の特長や課題などを解説した。
大浦准教授は、人間活動によるCO2などの温室効果ガスの増加によって起こる地球規模での温暖化のメカニズムを説明。海面水位上昇による事故や極端な気象現象によるインフラ網の機能停止などのリスクを伝えた。
また、CO2を吸収する森林が重要な位置付けにあることを強調。日本は国土の約7割を森林が占めており、うち人工林は4割と世界でも高い水準である一方で、木材輸入は世界第3位と木材自給率が低く、樹齢の構成に偏りがあると指摘。「循環的に利用し、森の健康なサイクルを作り出すことが大切」と話した。
同協議会はことし8月に発足。同時に和歌山の森林や地球温暖化防止などに役立つ活動を行った同協議会の正会員を「木の国エコ企業」として認定する制度をスタートさせた。第1号は同協議会の石橋幸四郎会長が代表取締役を務める㈱石橋が認定を受けている。