県内で過去最悪の被害額となっている振り込め詐欺など特殊詐欺について県警は15日から、県金融機関防犯対策協議会傘下の金融店舗264店に、高齢者の不自然な高額出金があった場合、すぐに110番通報してもらうように呼び掛け、対策を強化する。
県警生活安全企画課によると、ことし11月末現在の特殊詐欺被害件数は49件で、被害額は過去最高の約5億4300万円に達しているという。そのうち、60歳以上の被害者が38人(全体の77・6%)と高齢者を狙った手口が多くを占めているという。ことし3月には、競馬必勝話などを言葉巧みに持ち掛け、和歌山市内に住む60代男性が計2億1400万円をだまし取られる超高額被害事件も発生している。
また、近年の詐欺の手口は、限度額があるATMでの振込型よりも、現金を郵便や宅配便で送らせる郵送型での手口が増えているため、被害が高額になるケースが増えているという。
同課は「通常の利用者でも通報される可能性もあるが、金融機関と利用者の双方が詐欺への関心を高めて、水際での被害防止につなげたい」と話している。