23日夜に和歌山市湊の元阪和造船事務所で発生した火災は、同所内の倉庫をボート置き場として利用していたボート4チーム(県立和歌山北高校、県立医大、和歌山大学、和歌山ローイングクラブ)の拠点を焼き尽くした。大小ボート約20艇が焼失したとみられている。火災は、25、26の両日に日高川町の美山漕艇場で行われる大会を目前にして発生。当日はインターハイ出場を決める県高校総体、国体予選など重要な試合だったという
幸いにも、競技で使用する高校生のオールや工具は火災前に車に積み込んでいたため焼失を免れ、ボートも現地で借りる予定だったため、試合への出場はできるという。
火災翌日の現地では、被災状況を見に来ていた医大のボート部メンバーがその状況にぼうぜんとしていた。倉庫の外に置いていた同部男子の5人乗りボート(100万円相当)の先端が熱で焼損し、使えなくなっていた。倉庫に保管していたオール(1本5万円相当)12本は焼失したという。
ボートや備品は、大学の元教授などOBからの寄付と自費を投じて購入したものだった。同部の主将(23)は「当分は陸上でのトレーニングが中心になる。ボート競技者にとって退屈な日々」と肩を落としていた。
同じく現地を訪れていた社会人チームの和歌山ローイングクラブ関係者は、「和歌山国体も間近なのに残念。高校生たちは、今予選を突破しても、休日は遠征してボートを借り練習できるが平日は川での練習ができないので、非常に厳しい状態になる」と話していた。