30日投開票の知事選は、師走の総選挙の陰に隠れて選挙ムードが高まらない。現職・新人の両陣営とも、関係者は「投票率は30%台になるのでは」と厳しさを口にし、何とか40%台に乗せようと奮闘する。県選挙管理委員会では特に若者世代の投票率アップを目指し、コンビニやインターネットを活用した啓発活動に力を入れる。
知事選には、3期目を目指す現職・仁坂吉伸候補(64)=無所属、自民・公明・民主・社民県連推薦=と「市民オンブズマンわかやま」事務局長の新人・畑中正好候補(62)=共産推薦=が立候補。ともに県内全域を選挙カーで回り、街頭演説やミニ集会、企業回りなどを続けている。
知事選の過去の投票率を見ると、最高が昭和26年の86・69%、最低が仁坂候補が初当選した平成18年の35・21%。22年の前回は3人が立候補し、43・37%に上昇したが、今回は一騎打ちで、30%台に落ち込んだ16年(37・29%)、18年と構図が似ている。
仁坂陣営は中村愼司選対本部長が投票率50%以上を目標に支持者を鼓舞するが、畑中陣営関係者は「現職がもっと政策を訴えなければ有権者の関心は高まらない」と話す。
前回知事選の投票率を世代別に見ると、70~74歳の68%に対し、20~24歳が22・78%、25~29歳が30・37%と若い世代が低い。県選管では前回ローソンで実施したコンビニのレジ画面広告を、今回初めてファミリーマートでも実施。県のフェイスブックやブログも初めて活用し、啓発活動の様子などを紹介している。和歌山大学の「和大祭」(22日)など、若者が集まるイベントにも積極的に参加していく。