那賀振興局などは、中華食材として知られる「マコモタケ」の栽培に力を入れている。JA紀の里ファーマーズマーケット「めっけもん広場」(紀の川市豊田)で販売を開始し、試食会を開くなど、新しい特産品に育てようと買い物客らにPRしている。
マコモはアジアを原産とするイネ科の多年草。食用は株元約25㌢がタケノコ状に肥大し、マコモタケになる。栄養成分はたんぱく質、ビタミン、ミネラルなどがあり、特に食物繊維、カリウムを多く含む。タケノコやアスパラガスに似た歯ごたえに、甘みがあり、天ぷらや炒め物など料理方法も多様。油と相性がいいため中華料理によく使われている。
同振興局農業振興課によると、マコモタケを栽培することで、休耕地を有効活用する狙いがあるという。振興局や県農業試験場、JA紀の里は、支援をするという条件で栽培の希望者を募り、昨年から紀の川市の農家の尾﨑充男さんが栽培を始めた。ことしは6月上旬に苗を植え付け、先月末に収穫を迎えた。
振興局は今後、マコモタケを県の特産品として拡大していく構想だ。
同課の上田正弘主査は「栽培を続けていくことで、消費者にマコモタケを理解してもらうことが重要。栽培者の支援をしていく」と話している。