年々増加する生活保護受給者などの就労支援につなげたいと和歌山市と和歌山労働局は今月から、ハローワークと同じ求人情報を市役所内で閲覧を可能にした「和歌山福祉・就労支援センター」を開設している。県内では、初めての導入例となり、就労支援とともに、増え続ける生活保護費支出の抑制につながるかが注目されている。
センター内には、同労働局からハローワークの就職支援職員2人が常駐。職業相談や紹介、求人情報の提供、職業訓練の受講相談などを行う。支援対象は、「生活保護受給者」や1人親家庭の「児童扶養手当受給者」、2年以内の離職者に最長3カ月支給される「住宅支援給付受給者」。これらの受給を望む申請者や相談者も含まれており、市は、受給要否判定までの間にも、就労支援を図っていく考え。
同市の生活保護受給者は平成25年度末時点で、7144世帯。21年度と比較して1380世帯増加と、毎年300世帯程度のペースで増え続けている。25年度の生活保護世帯への扶助費の総支出額は162億円で、市は4分の1負担ながらも、一般財源から33億円が投入されている。市生活支援課は「今後、扶助費が増え続けることになるならば、深刻な問題」と危機感を募らせる。
就労可能な人は13% 生活保護の問題は、高齢、病気、障害があるなどの理由に当てはまらない就労できる人の増加にある。市では、就労できるのに生活保護を受けているとみられる人は、15年末に全体(4085世帯)の5・5%(225世帯)だったのに対し、25年度末には、全体(7144世帯)の13・6%(970世帯)と割合、世帯数ともに増加している。
同課は「生活保護と就労の両面からの支援で、1人でも多くの人の就労に結び付けていきたい」と話している。