和歌山市は、18日に開会する9月市議会に、総額4億4718万円を増額する一般会計補正予算を含む18議案を上程する。尾花正啓市長は、初めて予算にかかわる議案を提案する議会に臨む。市長就任から1カ月に満たないが、中央卸売市場の観光施設化再整備やまちなか再生事業など、選挙公約で掲げた市の活性化に向けた事業案を示し、“尾花色”を表現した。
老朽化が進んでいる中央卸売市場の再整備事業(特別会計)では、調査費として1724万円を充てる。同所を観光活用するため、観光面を充実させた多目的施設への建て替えを検討する。
一般会計では、まちなか再生を目指す事業として、中心市街地の方向性確立のための都市機能立地適正化検討事業に709万円を計上する。同事業は、住宅および医療、福祉、商業、居住などの立地を示す「立地適正化計画」に向けてのもの。同計画により、市がどこにどの施設を誘導するべきかが示される。
その他、中之島連絡所の耐震化に合わせて施設の長寿命化や多目的トイレの追加設置事業に1896万円、旧東和歌山土地区画整理事務所を解体撤去し、公園として整備する事業の測量設計実施に1381万円などが提案される。
尾花市長は10日、就任後初の定例会見に臨み、県との人事交流と組織体制を強化すると明らかにした。元県県土整備部長の経歴を生かした市政運営が早速示された形となった。
県との人事交流では、観光部門に県職員を受け入れ、企業振興部門で市職員を県に派遣する。交流により、県と市の情報交換を密にして、協力体制を強化し、各事業のスピードアップを狙う。
尾花市政が強く打ち出す、まちなか再生の推進に向けては、まちづくり関係の部署が行う施策を横断的に調整する役職として、まちづくり局都市計画部に部長級の「都市再生専門監」を配置する。
この他、トップの決定事項などを市政にスムーズに反映させるための意識改革の一環として、「審議監」を「政策審議監」に名称変更する。総務公室と財政局を担当する同審議監は、特命の「産業・まち・人推進担当」を発令する。