90歳を過ぎて水彩画を習い始めた和歌山市本町の亀井百合子さん(93)の初めての作品展が6日、同市の市民会館展示室で始まった。7日まで。
亀井さんは約10年前に脳梗塞で倒れ、左半身が不自由になったが、人との出会いや励ましの言葉に支えられ昨年の秋に絵画を習い始めた。
会場には水彩画13点の他、俳句や川柳、ビーズアクセサリーなどを展示。初夏の富士、朝日に映える富士をはじめ、コウノトリやキジなどの鳥を細やかな点描で仕上げたもの、マーガレットやカーネーションを描いた「咲かせよう花」などが並ぶ。
俳句コーナーには「富士山の姿見るたび若返る」「水仙の花より強い母心」などの句も。初日には知人や友人が大勢訪れて祝福。優しい表現や鮮やかな色彩に驚きの表情で見入っていた。
亀井さんは「こんな立派な展示ができて、うれしくて涙が出ます。たくさんの方にお会いでき、皆さんにお言葉を頂いてまた描く意欲が湧いてきました」とにっこり。同市の宮里礼子さん(78)は「前向きで素晴らしいです。私もまだまだこれからが勉強。頑張らないと、と力をもらいました」と笑顔で話していた。午前10時~午後4時半。
来場者に囲まれ笑顔の亀井さん