児童相談所と県警の連携による児童虐待事案への迅速な対応を目指し24日、和歌山市木ノ本の県警察学校でロールプレイング形式の合同訓練があり、両機関が連携を確認した。
県警がことし1月から今月23日までに認知した児童虐待事案は、54件90人。前年の7月末時点と比べても5件17人増加するなど、虐待事案は高止まりの傾向にある。また、児童相談所が虐待事案で県警に救助要請をしたケースは、昨年6件に対し、ことしはすでに7件発生と、連携体制の確立が急務になっている。
この日の訓練では、虐待家庭の自宅を想定した建物に、児童相談所職員と警官が訪問。入室を拒む両親役を児童相談所職員が説得し、いったんドアを閉めた後に子どもの泣き声が建物の中から聞こえると、警官らはドアチェーンを切断、突入して子どもを保護するなどした。
大声を上げて反発する父親役に職員は、児童福祉法により一時保護する権利があることを説明して納得させるなどしていた。
参加した児童相談所勤務2年目の女性職員(41)は「父親に気を取られ、母親が別室に移動したことを把握できなかったことなど課題も残りました」、県子ども・女性・障害者相談センター(中央児童相談所)の掘寿恭所長(58)は「虐待する親は、警官の制服を見せることによってスムーズに保護が進むケースもあるので、県警と連携して子どもたちを守っていきたい」と話していた。