8月31日で閉店が決まっている和歌山市東蔵前丁の南海和歌山市駅ビル内、㈱高島屋和歌山店は、これまでの歩みを紹介する歴史パネル展の開催を計画している。開催期間は8月1~12日。場所は、市駅正面階段西側の1階特設会場。企画を中心になって進める森下雅男店長代理(58)は「撤退の中止はできませんが、一緒に歩んで来たまちに、展示会で最後の感謝の気持ちを表現したい」と意気込んでいる。
現在の店舗は、駅ビルの新築に伴い昭和48年5月に開業したが、それ以前には、同6年9月に和歌山城付近に出張所がオープン。同23年9月には、同市十番丁に4階建ての和歌山支店が開店するなど繁盛した歴史もあったが、現在では人々の記憶から薄れてしまっている。今展ではそれらの歴史も合わせて写真や年表などで紹介する。
また、ことし3月に同駅で「和歌山市駅開業111周年のパネル展」を開催した和歌山大学観光学部の永瀬節治ゼミの学生らも展示会に参加。会場の一部を「まちらぼ」と銘打って、市駅の歴史や今後のまちの移り変わりなどをパネル展示する他、市駅周辺のビルや家屋などを発泡スチロールで地図上に再現した模型を展示する予定。
今月23日には、同店関係者らが同学部を訪れて、会場のレイアウトやパネルデザインなどについて議論した。模型作りに携わる同学部3年生の松谷俊典さん(20)は「もう一度、高島屋がある市駅周辺のまちづくりについて将来を含めて市民に考えてもらえれば」と話している。