犯罪や非行からの立ち直りを支援するため、和歌山市は新年度から県内の自治体で初めて、保護観察対象者の雇用を行う。和歌山保護司会(小西健之会長)と連携して取り組むもので、市と同会は27日、市役所で協定を締結した。
協定に基づいて市は、同会が推薦するおおむね18~21歳の保護観察対象者を面接し、アルバイト職員として6カ月以内の雇用を決定する。期間の延長は行わず、就労経験を積んで本格的な就職につなげてもらう。
業務内容は事務補助や作業員などを想定し、適性に応じて市が判断する。一年度に2人程度の採用を見込んでいる。
2月に同会と和歌山保護観察所から市に要請があり、協定が実現した。同様の協定は、昨年10月現在で大阪市や奈良県、京都府など16自治体が結んでいる。
締結式では、大橋建一市長と小西会長が協定書に調印。大橋市長は「更生しようとする人を保護司会とともに支え、協定を意義あるものにしたい」、小西会長は「働くことによって、立ち直りのために大切な、社会の一員としての出番ができる」と話した。
今月20日現在、県内で保護観察を受けている少年は192人(うち協定の対象年齢は103人)、和歌山市内では93人(同41人)。市内には保護観察対象者の協力雇用企業が64社あり、6社で6人が雇用されている。
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