和歌山市消防局は4月1日から、現在は5署体制で運営している消防署を3署2分署体制に再編する。全体の職員規模は変わらないが、1署当たり100人程度に増やすことで、各署が独立した指揮系統を持って大規模災害により迅速、効率的に対応でき、増加している救急出動などにも備える。
同局によると、現在の体制は、紀の川以北を西署(狐島)と北署(弘西)、以南を中署(八番丁)、南署(和歌浦中)、東署(鳴神)で管轄。再編後は紀の川以北は旧西署を北署に改称して1署で受け持ち、旧北署を紀伊分署とする。以南は、東署は従来のままで、旧中署と南署を新しい中署に統合し、旧南署を南分署とする。
職員規模は、現在は東署約80人、中署約70人、北・西・南各署が約50人の計約300人。今回の再編により各署が約100人体制となり、窓口や管理担当の職員を減らすことにより、消火や救急の現場で活動する部隊を増員、強化する。
現場の状況把握や指揮を担う「指揮調査隊」は、現体制では本部に1隊のみだが、新3署に1隊ずつ配置する。救急隊は、現在の11隊から中署南分署に1隊増やし12隊とする。救助(レスキュー)隊は、中署と東署の各1隊に加え、北署にも1隊配置する。
同局は再編の効果について、紀の川以北は救助部門、以南は救急部門が強化され、地域バランスを適正化できることや、各署100人体制により大型化する自然災害にマンパワーを生かして対応できるとしている。
再編後も窓口業務は従来通り行う。