和歌山市を中心に事業を展開し、県内トップシェアを持つ総合不動産会社、アズマハウス(本社=和歌山市黒田、曽和勝彦社長)が17日、東証ジャスダック市場(スタンダード)に新規上場した。同社は、多種多様な顧客のニーズに応える地域密着型の営業力と安定した収益基盤で事業を拡大している。県内では9年ぶり、8社目の新規上場で、不動産業では初めて。
初値は公募・売り出し価格(公開価格)1600円を10%高の1760円だった。
業績は好調の見込みで、2014年3月期の業績は、売上高が前期比15%増の115億円、経常利益が23%増の15億300万円を見込む。1株利益274・9円と予想し、配当も上場記念配当20円を上乗せして70円を予定している。
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同社は昭和52年に設立。分譲土地の販売や分譲住宅の施工販売を中心に、不動産賃貸事業やホテル事業などに取り組み、多角的な事業展開で知名度と事業エリアを拡大している。
主力の不動産・建設事業では、初めて戸建て住宅を購入する1次取得者をメーンターゲットに、ローコスト住宅、注文住宅などを幅広く展開し、顧客をつかんでいる。
拠点は市内5店舗、岩出市1店舗、堺市1店舗の計7店舗。エリアナンバーワンを目指して、地元でのきめ細やかな配慮や充実したサービスの提供を柱としている。
不動産賃貸事業では、県内最大級の自社物件を保有し、高い入居率を維持して利益を生んでいる。ホテル事業では、和歌山市駅とJR和歌山駅近くでビジネスホテル3施設を運営。
多角化の推進として、本年度から取り組んでいる土地有効活用事業では、サービス付高齢者向け住宅、賃貸マンション・アパート、デザイナーズ戸建て賃貸など、提案型の建築受注の獲得を目指している。
また地域貢献の一環として、和歌山市軟式野球連盟学童部東支部の卒業記念大会「アズマハウス旗争奪大会」や、関西小学生ジュニアドッジボールフェスティバル「紀ららカップ」を毎年開催している。
今回の上場を受け、曽和社長(51)は「ここからがスタート。社員の意識向上にも努め、皆さまの期待を裏切らないことが使命であり、責任。お客さまの信用と知名度をさらに向上させ、マザーエリアである和歌山の地域発展のために貢献していきたい」、社員らは「『アズマハウスに行けば不動産のことなら何でも相談できる、たくさんの情報がある』と思っていただけるよう、さまざまなサービスと物件情報を用意しておりますので、安心してご来店いただきたい」と話している。