和歌山市鳴神の宇都宮病院(宇都宮宗久院長)の慰霊祭が17日、鳴神の阿弥陀寺であり、病院関係者が患者遺族と共に、この1年間に同院で亡くなった人の冥福を祈った。
病院が慰霊祭を行うのは珍しいが、同院では平成8年から毎年この時期に行い、ことしで17回目になる。
同院では昨年、地域の医療機関と連携する「地域連携室」を立ち上げたことから高齢の入院療養患者が増え、慰霊対象も2倍以上に増加。また最近は身寄りのない高齢者が増え、法要ができない場合もあるため、家族に代わって供養する意味合いもある。
慰霊祭は病院側にも、見送った後の家族の様子を知ったり、患者を思い返す機会にもなっているという。
6家族と病院関係者の計十数人が参列。榎本正明住職の読経が響く中、焼香。1年間に同院で亡くなった97人全員の芳名が読み上げられ、参列者は静かに手を合わせていた。
亀井美都子看護師長(56)は「これできちんと患者さんをお見送りできた気がします。明日からまた一層治療環境を整え、頑張っていきたいです」と話していた。