県が津波防災教育の拠点施設と位置づける 「稲むらの火の館」 (広川町広) の3Dシアター映像と企画展示パネルがリニューアルされ、 16日、 完成披露会が開かれた。 東日本大震災の教訓を踏まえ、 津波から生き抜くための行動の必要性を訴え掛ける内容となっている。
今回のリニューアルは、 東日本大震災で多くの小中学生が生存した 「釜石の奇跡」 を生んだ防災教育に取り組む群馬大学理工学研究院の片田敏孝教授が監修。 従来の災害で、 家族の安否を確かめに行くなどして逃げられず、 津波の犠牲になる状況が繰り返されてきたことを踏まえ、 一人ひとりが確実に逃げる 「津波てんでんこ」 などの意味を正しく伝える目的で制作された。
3Dシアター映像は、 4人の親子が災害時に一人ひとり逃げることを約束し、 信頼することで、 「津波てんでんこ」 を実践する様子が描かれる。
企画展示は、 想定にとらわれない、 最善を尽くせ、 率先避難者たれ、 の 「避難3原則」 を紹介し、 防災教育には、 地域に災害文化を根付かせる大きな意義があることなどを強く訴えている。
披露会には仁坂吉伸知事はじめ県、 町関係者らが出席。 片田教授は新しい映像、展示について 「一人ひとりが確実に命を守ることを重視した。 現段階の日本の防災教育の最先端の内容だ」と話した。