和歌山市が発信する緊急災害情報などをより多くの人に届けようと、 「バナナエフエム」 の愛称で親しまれているNPO法人エフエム和歌山 (FM87・7MHz、 本局・同市塩屋、 山口昭昌理事長) は5月上旬、 情報を受信すると自動で電源が入るFMラジオ 「バナナ防災ラジオ」 を発売する。 現在予約受け付け中。 市内全14万戸の普及を目指し、 市民にPRしていく。
同局は昨年6月、 市と防災協定を締結。 市の防災無線や内閣府の警報システム 「J―ALERT」 (ジェイアラート) が発信されると、 自動で放送中に割り込ませるシステムを構築した。 今回発売のラジオは、 聞いていない時でも自動で電源が入り、 緊急情報を流す。 このアイデアが 「JR西日本あんしん社会財団」 の本年度助成事業で採用され、 資金面の援助を受けて実現にこぎ着けた。
緊急情報を受信すると、 ボリューム設定に左右されず最大音量で流す他、 ライトの点滅で受信を知らせる。 停電時は、 本体に電池が入っていれば自動で家庭用電源から切り替わる。
市内で大規模災害が発生した場合、 このシステムを活用し、 道路の復旧や支援物資の配達、 仮設風呂の使用などの状況をリアルタイムで提供することも検討しているという。 山口理事長 (61) は 「大災害時の情報は一刻一秒を争い、 多くの人に届けなければいけません。 このラジオにより多くの人の命が助かれば」 と話している。
本体価格8400円。 同局ホームページでは、 郵便番号を入力するとその地域で受信できるかが分かる可聴診断を実施中。 購入予約や問い合わせは同局 (℡073・444・4803)。