岡崎団七踊り保存会(西谷暢浩会長)は14日、和歌山市西の西熊野神社で、150年という長きにわたって伝統を継承してきた県指定無形文化財「岡崎団七踊」を披露する。当日に向け「こども教室」を開催し、ことしは西地区の小学生約20人を含む地域住民で団七踊りの練習に励んでいる。
寛永17年(1640)、田んぼの草取りをしていた姉妹の妹が、なぎの草を丸めて投げたところ偶然通り掛かった土地の代官「志賀の団七」のはかまの裾にかかってしまう。怒った団七が父・与太郎を姉妹の目の前で無礼打ちに。そのあだ討ちの場面を表したのが「団七踊り」とされる。
侍は刀、姉は薙刀(なぎなた)、妹は鎖鎌を手に持ち、3人一組で踊る。他に鎖鎌の練習として手ぬぐいを持つ「さらし踊り」と薙刀の修練を表す「薙刀踊り」がある。
岡崎西地区の同保存会が地元の自治会、消防団、子ども会らと協力し、伝統を途絶えさすまいと努力してきた。
岡崎小2年の土井柚季ちゃん(8)は「たくさん練習して上手になった。3人で戦っているつもりで踊るのが楽しい」と祭り本番を心待ちにしている。
本番は午後7時ごろから、はかまや着物姿で役に成り切って踊る。団七踊りの他に、飛び入り参加できる踊りもある。