12月5日に全国公開となる、日本とトルコ合作映画『海難1890』(東映配給)の完成披露試写会が20日、和歌山市松江向鵜ノ島のジストシネマ和歌山であった。鑑賞した仁坂吉伸知事は「涙が流れた。事実に裏付けされたせりふが素晴らしく、どの時代にあっても全ての人に対する真心の大切さを示してくれる映画だった」と語った。
同映画は、両国の友好のきっかけとなった1890年に串本町沖で起きたトルコ軍艦「エルトゥールル号」の遭難事件と、1985年のイラン・イラク戦争時のトルコ航空によるテヘラン在留邦人救出の2つの史実を軸に、両国の深い友情を描く超大作。
仁坂知事や串本町の田嶋勝正町長ら、映画製作に携わった関係者約270人が招かれた。スクリーンには同町の美しい風景が映し出され、来場者は今につながる両国の絆の物語をじっくりと鑑賞。上映後は大きな拍手が起こった。
田嶋町長は「最近の映画にはないような迫力の映像に、びっくりした。あらためて語り継いでいかねばならない史実だと感じた。できる限り多くの方に見てもらいたい」と話した。