1890年に串本町沖で発生したトルコ軍艦・エルトゥールル号の海難事故と住民による救出劇などを描いた映画「海難1890」(12月5日全国ロードショー)の公開を前に、映画を製作した㈱東映の有川俊関西支社長が15日、和歌山市役所の尾花正啓市長を訪問し、広報への協力を依頼した。
同作品は昨年12月にクランクインし、総製作費15億円を投じた。日本・トルコ合作で、撮影は両国で行うなど、スケールの大きい作品に仕上がっている。撮影の途中、トルコ国内で、過激派組織「イスラム国」との戦闘が激化するなどしたことから、製作期間延長の判断も迫られたが、延長することなく今月13日の完成にこぎ着けた。
市役所を訪れた有川支社長は「この映画は、和歌山だけのエピソードではなく、日本全体の話にしたいと思っています。国と国というよりも人と人との温かさがあって、とても素敵な映画ができました」と大作完成をアピール。尾花市長は「頑張っていただいてとてもうれしい。上映を楽しみにしています」と期待感を示した。
同作品には主演の内野聖陽、忽那汐里らが出演。エルトゥールル号の海難事故と、95年後にイランで起こった、トルコによる「テヘラン邦人救出劇」を描いている。