耐震補強などに合わせてリニューアル工事を進めていた和歌山市役所南別館「わかやま歴史館」が19日、オープンした。同日午前には開館セレモニーが行われ、関係者約60人が出席。尾花正啓市長らがテープカットで完成を祝った。
以前の南別館は、昭和30年代の建設で老朽化が進み、耐震性などに問題があった。今回の改修では、4階建てから3階建てに変更。エレベーター1基を設置し、エントランスの壁には紀州材(スギ)をあしらった。延べ床面積は約1683平方㍍。
1階に飲食物を販売するオープンテラスや観光物産品センター、観光案内所を設置。2階には和歌山城の構造を絵図で紹介したり、紀州徳川家伝来の金印を展示したりする「和歌山城の歴史文化」と郷土の人物を紹介する「わかやま人物探訪」のコーナーを設けている。
約30人が収容可能なシアタールームでは、3Dコンピューターグラフィックス(CG)とバーチャルリアリティ(VR)技術を用いて、近世の和歌山城の景観を高精細に再現。ワイドスクリーンに映し出された威容を見ることができる。
式典で、尾花市長は「さらに和歌山市の魅力を高め、多くの観光客に来てもらえる施設になれば」と期待を込めてあいさつ。その後、テープカットで完成を祝福し、施設の内覧が行われた。
改修・整備事業は、設計が㈱ライトコーポレーション(同市西河岸町、竹中喜廣社長)、施工が㈱日紀建設(同市島、玉置秀男社長)、2階の内装施行、展示設計が㈱トータルメディア開発研究所(本社・東京都、澤田敏企社長)。事業費は約5億3000万円。