掃除という市民活動を通じて環境美化に努めている全国規模の認定NPO法人「日本を美しくする会」に所属する「和歌山掃除に学ぶ会」(奥村政喜事務局長)は、県内の学校や公共施設などを訪問し、トイレを徹底的に掃除する活動を続けている。
「日本を美しくする会」は、イエローハット創業者の鍵山秀三郎さんが提唱。「掃除の実践が気付きと協調性を生み、感謝と感動の心を育む」という鍵山さん独自の掃除哲学を実践する運動を広げており、掃除を通して自分たちの「心の荒み」と「社会の荒み」をなくすことを目指す「心磨き」の会として、経営者や教育者など多くの人々が賛同している。
「和歌山掃除に学ぶ会」は、鍵山さんの考えに感銘を受けた奥村さんらが17年前に結成し、毎月1回、県内各地に出向いては、トイレ掃除を続けている。
8月30日には、和歌山市広瀬の市立広瀬小学校(酒井千佳校長、児童数160人)で活動した。この日は、早朝から12人のメンバーが集まり、トイレの天井のほこりを落とし、床を掃いてからタワシ、スポンジなどで便器を磨き上げ、2時間後にはピカピカになった。
結成当初からの会員、同市堀止の西岡春子さん(78)は「小さなことからコツコツと、根気強さが大事」と熱心に磨き作業に集中。奥村さんは「先月は封鎖されていた有田市内の漁港トイレを掃除しましたが、また使えるようになったと喜んでいただけました」と汗をぬぐいながら話した。
酒井校長は「今回で3度目の訪問ですが、トイレが光っていると子どもたちも喜んでいます」と感謝していた。
同会への問い合わせ、活動に参加を希望する人は事務局(℡073・446・5358、FAX同446・5359、アトリエ・オクムラ内)へ。