県福祉事業団(宇治田文彦理事長)の設立50周年を記念する講演会「50年の軌跡~心をひとつに輝く未来へ~」が8月29日、和歌山市の県民文化会館大ホールで開かれ、社会福祉関係者ら約1300人が参加した。
オープニングセレモニーとして、県福祉事業団職員や福祉事業所の利用者らによる和太鼓などの演奏が行われ、記念講演の講師は公益財団法人スペシャルオリンピックス日本名誉会長で細川護煕元首相夫人の細川佳代子さんが務めた。
講演のテーマは「インクルージョン~共生社会をめざして~」。細川さんは、知的障害のある人々がさまざまなスポーツをするスペシャルオリンピックスについて、予選に参加した選手全員が必ず決勝に進み、自分に合ったクラスに分けられ、全員が表彰されることを紹介し、その在り方を目の当たりにして、自身が「結果ではなく、昨日の自分に勝つことの大切さを知った」と語った。その後、日本でスペシャルオリンピックスを開催するために奔走し、平成17年に長野県での冬季世界大会の実現に尽力した。
細川さんは「日本人は優しいからふれあう機会があれば、理解者になれる」と訴え、「障害のある人たちが普通に社会に参加し、その人らしく生き生きと暮らすことができる社会をつくることを目指して頑張っている」と話した。