長年にわたり地域社会に貢献する活動に取り組んでいる個人や団体をたたえる「第21回キワニス賞」に、県警本部防犯アドバイザーの三栖康孝さん(66)と県立貴志川高校(楠見隆功校長)が選ばれ、表彰式が8月25日、和歌山市湊通丁北のホテルアバローム紀の国で開かれた。
社会奉仕団体「和歌山キワニスクラブ」(田中宣人会長)が毎年贈っている賞で、表彰式は同クラブの例会の席上で行われた。
三栖さんは、県警和歌山東署生活安全課の警官だった平成16年、防犯やマナーアップなどの社会参加活動を体験した子どもたちから感想文が寄せられたことをきっかけに文集「社会参加活動を体験して」を企画し、職務時間外にボランティアで編集を行った。
文集には薬物乱用防止啓発や地域の美化活動、未成年者飲酒防止啓発などを体験した児童・生徒の感想が掲載され、三栖さんは退職後も編集を続けており、最新版の第11集(2014年)までの参加人数は延べ3316人となった。
貴志川高校は平成16年5月から地元の紀の川市をはじめ和歌山市や岩出市の小学校や介護施設などで読み語りボランティアに取り組んでいる。声を掛けてもらえればいつでもどこでも“ぴょん”と飛び出ていくことからグループ名は「うさぎチーム」とし、民話を基にした生徒の手作りの紙芝居などを披露する活動を続けている。
表彰式では、田中会長が両者の活動をたたえ、三栖さんと楠見校長に賞状と支援金を手渡した。
三栖さんは「これまでの活動に深い理解をいただきありがたい。安全で安心できる住みよいまちづくりに、これからも取り組んでいきたい」。楠見校長は「この賞は何よりの励みになる。今後も地域との関わりを大切にし、先輩から後輩へと積極的に活動を伝えながら、読み語りボランティアを通し、心の交流も深めていきたい」と話していた。